ポーラ、熱中症リスク判定AIの社会実証試験に向けて連携パートナーとなる建設事業者を募集開始
最終更新日:2023年02月03日
株式会社ポーラ・オルビスホールディングスは、2023年2月2日、熱中症リスク判定AIの社会実証試験に向けた取り組みを開始したと発表した。
この取り組みは、顔画像から熱中症リスクを判定するAI技術の有用性を建設現場にて検証すべく行われるものだ。2023年の夏に社会実証試験が実施される計画であり、連携パートナーとして建設現場の提供およびデータ取得に協力できる建設事業者を募集している。
<本ニュースの10秒要約>
- 豊田工業高等専門学校が開発し、顔解析の可能性を拡張するポーラが着目した、熱中症リスク判定AI
- カメラ型デバイスに顔をかざすだけで、熱中症の発症リスクをAIが判定。建設現場では特に有用と判断
- 社会実証試験に現場を提供できる建設事業者を2023年4月30日まで募集、同年夏に実証を開始予定
顔解析の可能性を拡張してきたポーラ
ポーラ・オルビスホールディングスは、人や社会のウェルビーイングに向けた広範な貢献を、グループ企業と一丸となる形で目指している。こうした取り組みの一環として同グループでは、研究を担うポーラ化成工業株式会社にて顔画像から心身の健康状態を推測する技術を構築。「顔は心身の状態を映す鏡」という考えに基づき、顔解析の可能性を拡張してきた。
顔解析に関する研究を進める中で同グループは、豊田工業高等専門学校による熱中症リスク判定AIの研究に注目。同校が行ったこの研究は、顔画像から熱中症リスク判定を判定するというユニークなものであり、第3回全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト2022において企業賞を獲得している。この研究を評価したポーラ・オルビスホールディングスは、将来的な事業連携も視野に入れて同校と議論を重ね、今回の社会実証試験の実施を決定した。
カメラに顔をかざすだけで熱中症リスクを客観的に検出
熱中症リスク判定AIは、カメラ型デバイスに顔をかざすだけで熱中症の発症リスクを客観的に検出できる技術だ。機械の「目」を借りて未然に危険を察知することで、熱中症への予防的な対処を可能にしている。
熱中症は、本人も周囲も気づかないうちに進行してしまうケースが多く、人間の目や主観だけではその症状が気づきにくい。暑さと重労働が組み合わさる建設現場ではこのリスクが特に顕著となり、環境省による業種別の熱中症統計報告においても建設業での発症数は最多であることが判明した。現場監督者や作業員同士の声掛けといった未然防止の努力も、流動的な労働形態が多い現場では対応が難しい。
こうした課題を持つ建設現場において、簡便な形で危険を予知できる熱中症リスク判定AIは特に有用であると、ポーラ・オルビスホールディングスは判断。実証実験の連携先として建設事業者を選定するに至っている。
実証では、現場のニーズとの合致や有用性に関して検証
熱中症リスク判定AIの社会実証試験は、ポーラ・オルビスホールディングスのマルチプルインテリジェンスリサーチセンターとポーラ化成工業が、豊田高専、そして建設現場向けのシステム開発に強みを持つ株式会社DUMSCOとも連携する形で実施される。
実証が行われる建設現場では、休憩所入り口といった作業員の導線上に専用のカメラ型デバイスを設置。朝礼前や昼休憩前にシステムを使用し、現場のニーズとの合致や有用性に関する検証を進める。ポーラ・オルビスホールディングスは、この実証について課題認識を共有し現場を提供できる建設事業者を2023年4月30日まで募集し、同年夏に実証試験を開始する予定だ。
参照元:PRTIMES
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