セールスフォース、自律型AIエージェント「Agentforce for Marketing」の日本提供を開始
最終更新日:2025年03月26日

セールスフォース・ジャパンは2025年3月25日より、自律型AIエージェント「Agentforce for Marketing」の日本市場での提供を開始した。
このソリューションはマーケティング担当者の生産性向上を実現するもので、生成AIと予測AIを統合した信頼性の高いAIエージェントが、データに基づいてキャンペーンを分析・生成・パーソナライズ・最適化し、マーケティング業務の負担を大幅に削減する。
- 顧客データの一元管理に基づいたAIエージェントがエンドツーエンドのマーケティングキャンペーン作成を支援し、業務負担を削減
- キャンペーン作成、パーソナライゼーション、広告最適化など、事前に作成されたAIエージェントスキルのライブラリでマーケティング業務を自動化
- 日本市場では3つの機能を即時提供し、ロイヤルティプログラム管理機能も今後追加予定で、料金は1会話240円から
「Agentforce for Marketing」は、企業向けのデジタル労働プラットフォーム「Agentforce」のマーケティング部門向けAIエージェントとして位置づけられている。このソリューションは、現代のマーケティング担当者が直面する課題に対応するために開発された。
テクノロジーの進化により顧客とブランドの関係は大きく変化し、企業に求められる顧客体験のレベルは高まる一方だが、多くの企業ではリソース不足により、顧客が求めるパーソナライズされた体験を提供することが困難になっている。
マーケティング担当者は単なる顧客獲得だけでなく、顧客体験全体にも責任を負うようになっているが、企業側は豊富なデータを持ちながらもそれを有効活用できていないケースが多い。
「Agentforce for Marketing」は、こうした課題に対し、散在する顧客データを一元管理することで、よりパーソナライズされた顧客体験の提供を支援する。
日本市場で即時提供開始される機能は主に3つある。まず「Campaign Creation」は、マーケティング担当者が設定したキャンペーン目標とブランドガイドラインに基づきキャンペーン作成を支援する機能だ。ガイドライン作成、ターゲットオーディエンスの特定、セグメント作成、Emailやランディングページの初稿作成、カスタマージャーニー構築などが含まれる。
次に「Personalization Decisioning」は、顧客のプロフィールに基づき、それぞれに最適なコンテンツ、製品、オファーを自動的に提供することで、1対1のパーソナライズを大規模に展開できるよう支援する。
また「Paid Media Optimization」は、パフォーマンスの低い広告を自動的に特定して一時停止し、最適化の提案を行う機能だ。
今後は「Loyalty Program Management」機能も追加される予定で、ロイヤルティプロモーションの作成や更新、顧客のロイヤルティステータスに応じたパーソナライズされたメールの作成などを自動化することでマーケティング担当者の生産性を向上させる。料金は各機能とも1つの会話につき240円からで、標準的なボリュームディスカウントが適用される。
セールスフォースは昨年、中小企業や成長段階にある企業向けの「Marketing Cloud Growth Edition」や、高度な機能やカスタマイズを必要とする企業向けの「Marketing Cloud Advanced Edition」といった新しいエディションを発表しており、「Agentforce for Marketing」はこれらと連携して機能する。
日本における導入と顧客の成功を支援するために、ケイズコーポレーション、Surpass、テラスカイ、toBe マーケティング、ビズブーストなどのパートナー企業との協力体制も構築している。
「Agentforce for Marketing」は、セールス、サービス、コマースの各ワークフローと連携し、マーケティング・ジャーニー全体であらゆる顧客との接点をパーソナライズできるようにすることで、マーケティング担当者の業務効率化と顧客体験の向上を同時に実現することを目指している。
AI Market の見解
セールスフォースの「Agentforce for Marketing」は、AIエージェント技術をマーケティング領域に特化して応用した点が特筆すべき特徴だ。
技術的には、生成AIと予測AIを組み合わせた統合アプローチにより、単なるコンテンツ生成にとどまらず、データに基づく分析と最適化までをカバーしている。特に顧客データの一元管理とAIエージェントの連携により、これまで個別に行われていた施策の連続性と一貫性を確保できる点は、顧客体験向上に直結する。
ビジネス面では、マーケティング担当者の時間と労力を削減しながら、より高度なパーソナライゼーションを実現できるため、人材リソース不足という業界共通の課題解決に貢献すると想定される。
市場への影響としては、これまでマーケティングオートメーション(MA)と呼ばれていた領域が、AIエージェントを中心とした新たなカテゴリへと進化する契機となる可能性がある。特に日本市場においては、パートナーエコシステムを活用した導入支援体制が整備されており、導入障壁の低減と普及促進に寄与すると考えられる。
参照元:PR TIMES
Agentforce for Marketingに関するよくある質問まとめ
- Agentforce for Marketingはどのような課題を解決するものですか?
Agentforce for Marketingは、マーケティング担当者が直面する主に3つの課題を解決します。1つ目は業務負担の軽減で、AIがキャンペーン作成やコンテンツ生成を自動化します。2つ目はデータ活用の最大化で、散在する顧客データを一元管理し効果的な分析と活用を支援します。3つ目はパーソナライゼーションの強化で、顧客一人ひとりに最適なコンテンツやオファーを大規模に展開できます。これにより、リソース不足の中でも高度な顧客体験の提供と業務効率化の両立が可能になります。
- 日本で提供されるAgentforce for Marketingの機能と価格はどのようになっていますか?
日本では現在、「Campaign Creation」(キャンペーン作成支援)、「Personalization Decisioning」(パーソナライゼーション最適化)、「Paid Media Optimization」(広告最適化)の3つの機能が提供されており、今後「Loyalty Program Management」(ロイヤルティプログラム管理)も追加予定です。価格はいずれの機能も1会話あたり240円からで、ボリュームディスカウントが適用されます。利用には、対応するSalesforce製品(Marketing Cloud Growth/Advanced Edition、Salesforce Personalization、Marketing Intelligence、Loyalty Management)の導入が必要です。

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