SalesforceとAnthropic提携!最新のClaudeモデルでEinsteinの機能を強化
最終更新日:2024年09月04日
Salesforceは2024年8月、Anthropicとの提携を発表し、Einstein 1 StudioにClaudeモデルを導入した。
これにより、SalesforceのユーザーはAmazon Bedrock経由で最新のClaude 3.5 Sonnet、Claude 3 Opus、Claude 3 Haikuモデルを利用可能となった。
この提携は、営業、カスタマーサービス、マーケティング、コマース、ITなど、企業の全業務にわたる効率性、洞察力、個別化の向上を目指すもので、Salesforceの顧客はAI駆動のビジネスアプリケーションや体験の構築にClaudeモデルを選択できるようになった。
<本ニュースの10秒要約>
- SalesforceがAnthropicと提携し、Einstein 1 StudioにClaudeモデルを導入、AI機能を大幅強化
- Amazon Bedrock経由で最新のClaude 3シリーズモデルを利用可能、企業のAI活用を促進
- 営業、カスタマーサービス、マーケティングなど幅広い業務でAI活用の可能性が拡大
Salesforceにおける新たなAI機能の概要
Salesforceは、Anthropicとの提携により、Einstein 1 StudioにClaudeモデルを導入した。これにより、Salesforceの顧客は自社のCRMアプリケーションに最新のAI機能を柔軟に統合できるようになった。具体的には、Amazon Bedrock経由でClaude 3.5 Sonnet、Claude 3 Opus、Claude 3 Haikuの3つのモデルが利用可能となっている。
これらのモデルは、企業グレードのセキュリティと精度を備えており、他のLLM(大規模言語モデル)と比較して人間に近い口調や表現、より少ないハルシネーション(幻覚)を特徴としている。Salesforceの顧客は、Einstein 1 Studioを通じてこれらのモデルを活用し、自社のニーズに合わせたAI体験を構築できる。
Salesforceの製品担当上級副社長であるKaushal Kurapati氏は、この提携により顧客が自社のLLMを統合する柔軟性を獲得し、intelligence、速度、コスト効率の異なるClaudeモデルを導入できるようになったと述べている。これにより、ユーザーは自社の独自の要件に合わせてCRMアプリケーションをカスタマイズすることが可能となった。
業界別のユースケース
SalesforceとAnthropicの提携により、様々な業界でAI活用の可能性が広がっている。主なユースケースは以下の通りだ。
1. 営業とマーケティング:
– カスタマイズされた提案書の生成
– 通話記録の分析
– パーソナライズされたコンテンツの作成
– キャンペーンパフォーマンスの評価
2. カスタマーサービス:
– ケースの要約
– パーソナライズされた回答の生成
3. ヘルスケアと金融サービス:
– 記録の要約
– 教育資料の生成
– レポートの分析
– 投資推奨の作成
4. 法務とテクノロジー:
– 契約書の分析
– ユーザーフィードバックの分析
– 製品説明の生成
5. メディアとエンターテインメント:
– コンテンツアイデアの生成
– パーソナライズされた推奨の作成
これらのユースケースは、各業界でのAI活用の可能性を示しており、企業の業務効率化や顧客体験の向上につながることが期待される。
統合の詳細と導入方法
Salesforceの顧客は、Einstein 1 StudioのBring Your Own Large Language Model(BYO LLM)機能を通じて、最新のClaudeモデルにアクセスできる。この統合により、以下のことが可能となる。
- 既存のAWS Bedrock環境を通じてClaudeモデルに接続
- Salesforce内のカスタムプロンプトテンプレートでClaude 3.5 Sonnet、Claude 3 Opus、Claude 3 Haikuを選択
- 高度なAI機能を活用しながら、セキュリティとコンプライアンス基準を維持
すべてのClaudeとのやり取りは、SalesforceのセキュアなAIシステムを通じて行われ、Einstein Trust Layerを通じた動的グラウンディングや毒性検出などのセーフガードにより、責任あるAI利用が確保されている。
導入手順は以下の通りだ。
- Salesforce Data CloudでEinstein 1 Studioにアクセス
- Foundation Modelsタブを選択し、”Add Foundation Model”をクリック
- Amazon Bedrock経由での接続を選択
- 必要な認証情報(APIキー、リージョン情報など)を入力
- Model Playgroundでモデルを設定・テスト
- Prompt Builderを使用してカスタムプロンプトテンプレートを作成
これらの手順により、SalesforceユーザーはClaudeモデルを自社の環境に容易に統合し、活用することができる。
AI Market の見解
SalesforceとAnthropicの提携は、企業向けAI市場に大きな影響を与える可能性がある。技術的には、ClaudeモデルのSalesforce環境への統合により、高度なAI機能が幅広い業務プロセスに適用可能となった。特に、Amazon Bedrock経由でのモデル提供は、セキュリティと拡張性を両立させる優れたアプローチだ。
ビジネス面では、この提携によりSalesforceユーザーは最新のAI技術を容易に導入でき、競争力の向上につながる。特に、多様な業界でのユースケースが提示されていることから、幅広い企業がAI活用の恩恵を受けられる可能性が高い。
市場への影響としては、CRMとAIの融合がさらに加速すると予想される。Salesforceの強力な顧客基盤とAnthropicの最先端AI技術の組み合わせは、他のCRMプロバイダーやAI企業にも影響を与え、類似のパートナーシップや機能強化の動きを促す可能性がある。
今後は、実際の導入事例や性能評価結果が注目される。また、AIの責任ある利用やデータプライバシーの観点からの取り組みも重要になるだろう。この提携が、企業のデジタルトランスフォーメーションやAI活用の新たな基準となる可能性があり、その進展を注視する必要がある。
参照元:Anthropic
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