DALL・E 3は商用利用できる?認められないケースや注意点も徹底解説!
最終更新日:2024年09月28日
DALL・E 3の高精度な画像生成能力をビジネスに活用したいと考えていませんか?DALL・E 3の高度な画像生成能力は、マーケティング戦略を一新し、製品開発を加速させる可能性を秘めています。しかし、DALL・E 3の商用利用においては、著作権や考慮や利用規約の遵守が重要です。
本記事では、
関連記事:「DALL・E 3(ダリ・スリー)とは?料金・メリット・デメリット・活用例・注意点を徹底解説!」
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目次
DALL・E 3は商用利用できる
まず結論として、DALL・E 3は商用利用が可能です。DALL・E 3はOpenAIが提供するChatGPTのほかに、Image Creator from Microsoft Designer(旧 Bing Image Creator)、Microsoft Copilotの3つのサービス内で利用できます。2024年8月現時点で、以下のサービスを通じて生成された画像は商用利用が認められています。
サービス | 商用利用 |
---|---|
ChatGPT有料版(ChatGPT Plus) | 可能 |
Image Creator from Microsoft Designer | 不可 |
Microsoft Copilot | 可能 |
多くの企業が実際にDALL・E 3を活用し、ビジネスの効率化やマーケティング活動に役立てています。
ただし今後生成AIの技術発展や法規制の整備に伴い、利用規約やポリシーが変更される可能性もあります。そのため常に最新の情報を確認し、商用利用に適した手続きを行うことが重要です。
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DALL・E 3をChatGPT経由で使う際の商用利用
Chat GPT有料版のDALL・E 3で生成された画像は、OpenAIの利用規約に従っている限り、商用利用が可能です。DALL・E 3で生成された画像の所有権はユーザーに帰属し、再印刷・販売・商品化する権利がユーザーに与えられます。
以下が商用利用についての記載内容です。
Can I sell images I create with DALL·E?
Subject to the Content Policy and Terms, you own the images you create with DALL·E, including the right to reprint, sell, and merchandise – regardless of whether an image was generated through a free or paid credit.
引用:Can I sell images I create with DALL·E?|OpenAI
(編集部訳)コンテンツ ポリシーと利用規約に従い、DALL・E で作成した画像の所有権はあなた(ユーザー)にあり、再印刷や販売、商品化する権利が含まれます。
ただし、Chat GPT内のDALL・E 3の商用利用は、条件付きである点に注意しましょう。コンテンツポリシーや利用規約に反しない範囲でのみ商用利用が許可されます。
特に、他人の権利を侵害しないようにするため、生成された画像が既存の著作物と類似していないか確認することが推奨されます。また、AIによる生成物であることを明示することも求められています。使用前にガイドラインをしっかりと確認することが必要です。
関連記事:「ChatGPTとは?何ができる?ビジネス活用事例・企業担当者向け最新機能・使い方徹底解説!」
DALL・E 3をMicrosoft Copilotで使う際の商用利用
Microsoft系のツールでDALL・E 3が使えるMicrosoft Copilotにおいても、生成画像の商用利用が可能です。
以下が商用利用についての記載内容です。
お客様は、オンライン サービスを使用し、コンテンツを投稿、アップロード、入力、提供、または送信することにより、Microsoft、その関連会社、および第三者パートナーに対し、その事業 (すべての Microsoft サービスを含むがそれらに限定されない) の運営に関連して、プロンプト、作成物、カスタマイズ品、および関連コンテンツを使用する許可を与えるものとします。
これには、お客様が提供するプロンプト、作成物、およびその他のコンテンツを複写、配布、送信、公に展示、公に上映、複製、編集、翻訳・翻案、フォーマットを変更するライセンス権、およびこれらの権利をオンライン サービスのサプライヤーにサブライセンスする権利が含まれますが、これらに限定されません。
引用:Copilot AI エクスペリエンスの使用条件(2024年7月15日)|Copilot
なお、Microsoft系のツールにおいても、別途Microsoftサービス規約とImage Creator from Designerの使用条件を遵守する必要があります。
関連記事:「Microsoft Copilotとは?Officeとの連携で何ができる?機能・特徴・料金を徹底解説」
【注意】2024年1月以前は商用利用が禁止されていた
ほかのメディアでは、「Microsoft系のDALL・E 3は商用利用できない」といった内容が見られます。実際、Microsoft系のツールでDALL・E 3を使う場合には、2024年1月の規約更新まで非営利的での目的でしか認めていませんでした。
以下が過去の商用利用についての記載内容です。
作成物の使用。本契約、 Microsoft サービス契約、およびコンテンツ ポリシーを遵守することを条件として、お客様は、オンライン サービス以外で、合法的な個人的、非営利的な目的で作成物を使用することができます。
引用:Copilot AI エクスペリエンス利用規約の過去のバージョン(2023年8月)|Copilot
しかし、最新の規約更新により、この商用利用を禁止する項目が削除されました。代わりに前述した「公に展示や上映する権利がある」が追加され、商用利用が認められました。このように、AI技術に関する規約は頻繁に更新されるため、最新の情報を常にチェックすることが大切です。
DALL・E 3をImage Creator from Microsoft Designerで使う際の商用利用
Image Creator from Microsoft Designer(旧 Bing Image Creator)においては、DALL・E 3が生成した画像の商用利用ができません。
Image Creator from Microsoft Designerを通じて生成された画像は、個人的かつ非商業的な目的でのみ使用することが許可されています。これは、Microsoftのサービス規約およびコンテンツポリシーに従ったものであり、商用利用は明示的に禁止されています。
Microsoft Copilotと扱いが異なる点において、理由や経緯が不明で分かりにくいです。が、Image Creator from Microsoft Designerで生成された画像の商用利用はできないため、商用目的での使用を検討している場合は、ChatGPT Plus版など他のプラットフォームや方法を検討する必要があります。
DALL・E 3でも商用利用が認められないケースとは?
DALL・E 3は商用利用が可能である一方で、いくつかのケースでは商用利用が認められない場合もあります。一般的な画像生成ツールと同様に、DALL・E 3が使用できるツールでも利用規約が定められており、これに違反する使用は認められていません。
ここでは、Chat GPT・Image Creator from Designer・Microsoft Copilotにおける利用規約やコンテンツポリシーを踏まえて、商用利用が制限される具体的なケースを紹介します。
OpenAIのコンテンツポリシー違反
OpenAIのコンテンツポリシーに違反する内容を含む画像は商用利用できません。具体的には、以下のようなコンテンツが禁止されています。
- ヘイトスピーチや差別的な表現
- 暴力的な内容
- 性的な内容
- 自傷行為や違法行為を助長する内容
- 虚偽情報や誤解を招く内容
国内の関係法に違法する行為
日本企業がDALL・E 3を利用する際には、AIや著作権、知的財産権に関する日本の法律を遵守する必要があります。以下が商用利用を制限する記載内容です。
当社のサービスを利用するにあたり、お客様は、適用されるすべての法律、ならびに当社の共有および公開ポリシー、利用ポリシー、および当社がお客様に提供するその他の文書、ガイドライン、またはポリシーを遵守する必要があります。
引用:利用規約(2023/11/14更新)|OpenAI
日本の法律に違反する行為は、商用利用が認められないばかりか、アカウント停止のリスクも伴うため、最新の法改正まで常に把握しておくことが重要です。
著作権や知的財産権を侵害する方法で使う
DALL・E 3を使用して生成された画像が、他人や他社の著作権や知的財産権を侵害するような場合、その画像の商用利用は認められません。例えば、ほかのアーティストの作品を模倣するような生成画像や、既存の商標やブランドを無断で生成に使用することは違法行為となります。
特に、特定のキャラクターやブランド、著名人の画像を生成した場合は注意が必要です。
したがってDALL・E 3で画像を生成する際には、既存キャラクターやブランドを用いるのではなく、オリジナル画像を生成するのが基本といえます。
関連記事:「生成AIの著作権に関する最新情報まとめ!侵害になるケース・事例・注意点を徹底解説!」
住宅や保険分野で顧客の意思決定に重大な影響を与える目的で使う
DALL・E 3の生成画像を、住宅や保険分野で顧客の重大な意思決定に影響を与える目的で使用することは以下のように制限されています。
信用、教育、雇用、住宅、保険、法律、医療分野で、個人や法的及び重大な影響を及ぼす可能性のある目的で使用すること
引用:利用規約(2023/11/14更新)|OpenAI
これは、生成AIの技術がまだ開発途上にあり、状況によっては、事実を正確に反映していない出力が生成される場合があるからです。 これらの用途での商用利用は、法律や規制に違反するリスクが高いため、使用範囲を慎重に検討する必要があります。
生成した画像を他人への「なりすまし」行為で使う
DALL・E 3を利用して生成された画像を、他人や他社になりすます目的で使用する場合には、商用利用が禁止されています。また、生体認証システムを開発する際の学習・評価材料としての活用も禁止事項に該当します。
以下が商用利用を制限する記載内容です。
- 同意や法的権利なく他の個人または組織になりすますこと
- 顔認識を含む生体認証システムを識別または評価に使用すること
引用:利用ポリシー(2024/1/10)|OpenAI
ディープフェイクが一時期ネットニュースやSNSで話題に上がったように、他人の顔や特徴を不正に使用することは、法的にも厳しく制限される行為であるため注意しましょう。
コンテンツクレデンシャルに関する表記がない
AIによって生成されたコンテンツには、生成元や会社名などのクレデンシャルを正確に表示する必要があります。特に商用利用においては、以下の公開ポリシーで明記されているように、コンテンツがAI生成であることを明確に示すことが求められます。
- コンテンツに会社名を記載しない
- コンテンツが AI によって生成されたものにもかかわらず、ユーザーが見逃したり誤解したりするような表記をしている
引用:公開ポリシー(2022/11/14)|OpenAI
コンテンツクレデンシャルに関する表記を怠ると、ユーザーが誤解する可能性の高いコンテンツとして、商用利用が制限されます。
DALL・E 3で商用利用違反にならないためには
DALL・E 3を商用利用する際には、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが必要です。これらの注意点を守ることで、安全にビジネスで活用できます。
以下では、DALL・E 3を活用する場合に、商用利用違反にならないための注意点やポイントを紹介します。
生成した画像は必ずチェックする
DALL・E 3で生成された画像を商用利用する前には、必ず人の目で生成された内容を確認しましょう。具体的には、生成された画像が他者の著作権を侵害していないか、不適切な内容が含まれていないかを確認することが重要です。
DALL・E 3が生成する画像は既存画像がもとになっているため、場合によっては他者の著作物に類似したものが生成されることもあるからです。
また、DALL・E 3は意図的ではなく、差別要素が含まれる画像を生成するケースも見られます。そのため広告用など対外的に使用する際には特に、商用利用に適した画像かどうかの確認も大切です。
使用権のない画像を使わない
他社の画像や素材を組み合わせる際には、使用権やライセンスを確認することが不可欠です。使用権が自社にない画像を使用することは控えましょう。
DALL・E 3ではオリジナル画像を使用することで、著作権に関する問題を回避でき、安全に商用利用が可能になります。
文化庁が発信する生成AIに関する著作権の取り扱いに注意
日本企業がDALL・E 3を商用利用する場合、文化庁の生成AIに関する著作権のガイドラインや法規制を遵守する必要があります。法規制は頻繁に変動するため、最新の情報を常に収集し、適時に対応を更新することが重要です。
なお、2024年8月時点での文化庁の見解は以下のとおりです。
AIを利用して画像等を生成した場合でも、著作権侵害となるか否かは、人がAIを利用せず絵を描いた場合などの、通常の場合と同様に判断されます。
引用:AIと著作権|文化庁著作権課(2023年6月)
生成した画像の公表や販売行為については、現時点での権利制限規定において基本的には該当しないとされています。ただし既存の著作物との「類似性・依拠性」が認められる場合に公表や販売する際には、既存の著作者の利用許諾が必要と定められているため注意しましょう。
プラットフォームごとに利用規約を確認する
DALL・E 3を提供する各プラットフォームの利用規約を確認し、それぞれのガイドラインに従って利用することが必要です。プラットフォームごとに異なる利用範囲や制約を理解したうえで適切に活用し、DALL・E 3を通じてビジネス拡大を目指しましょう。
DALL・E 3の商用利用についてよくある質問まとめ
- DALL・E 3の著作権と所有権は?
生成画像の著作権と所有権は制作者にあります。ただし、著作権に関しては、既存の画像をインプットする場合にその既存画像の著作権は画像を作った人にあるため注意が必要です。
許可なく既存画像を用いた場合には、著作権侵害として問題になります。
- DALL・E 3は本当に商用利用できるのですか?
はい、DALL-E 3は商用利用が可能です。ただし、利用するプラットフォームによって条件が異なります。ChatGPT Plus版とMicrosoft Copilotでは商用利用が認められていますが、Image Creator from Microsoft Designerでは個人的・非商業的な利用に限定されています。利用前に各プラットフォームの最新の利用規約を確認することが重要です。
- DALL・E 3で生成した画像を商用利用する際の注意点は何ですか?
主な注意点は以下の通りです:
- 生成した画像が他者の著作権を侵害していないか確認する
- 不適切な内容や差別的要素が含まれていないかチェックする
- AI生成であることを明記する
- 文化庁のガイドラインや著作権法を遵守する
- 各プラットフォームの利用規約に従う
これらの点に注意しながら、DALL-E 3を効果的にビジネスに活用することができます。
まとめ
DALL・E 3の商用利用にあたっては、利用規約の遵守や法規制の確認、生成画像の適切な使用など、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
これらを守ることで、企業は安全にDALL・E 3を活用し、ビジネスにおける競争力を高められるでしょう。今回の機会にDALL・E 3を導入し、コンテンツ制作をはじめとするビジネス活動へ幅広く活用しましょう。
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