NovelAIとは？無料で商用利用できる？料金、日本語での使い方、注意点や活用事例を解説

近年、生成AIが急速に進化するなかで、画像を生成するAIも大きな注目を集めています。しかし、さまざまなアプリケーションが開発される反面、それぞれの特徴や使い方がわからないという方も多いのではないでしょうか。

画像生成AIの活用方法をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。

この記事では、とくにアニメ系の画像生成を得意とする「NovelAI Diffusion（NovelAI）」というサービスについて、できること・使用料金・使い方・注意点・ビジネス活用事例を解説します。商用利用に関する内容についてとくに詳しく解説しますので、ビジネスでNovelAIを活用したいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

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NovelAIとは？

NovelAIとは、アメリカのAnlatan社が開発・提供している、短いテキストから小説や画像をAIで生成できるサービスです。2022年10月から画像生成機能が実装され、とくに高精度なアニメ風のイラストを生成できることで注目されています。

2023年11月には新しいAIモデルである「NovelAI Diffusion Anime V3」がリリースされたことで、さらに品質の高いイラストを生成できるようになりました。NovelAI Diffusion Anime V3では、一般的な拡散モデル（ディフュージョンモデル）を改良したデノイジング拡散確率モデル（Denoising Diffusion Probabilistic Models、DDPM）が核となる技術として活用されています。

DDPMを使用することで、NovelAIは高解像度の画像生成を可能にし、細部に至るまで精密なイラストや物語を作成することができます。

生成されたイラストについてAnlatan社は著作権を放棄すると明記しており商用利用も可能です。ただし、実写系のイラストは苦手であったり、トライアルがなく課金が前提であったりといった点には注意しましょう。

NovelAIでできること

NovelAIでできることは「小説の生成」と「イラストの生成」です。具体的にどのようなものが生成できるのか詳しく解説します。

小説の生成では、単語や文章を入力することで、そのあとに自然に続くような文章が生成可能です。小説の生成は、無料のお試しステータスでも短い小説生成を50回まで行なえます。日本語での生成も可能です。

イラストの生成では、どのような画像を生成したいかを単語や文章で表した「プロンプト」をもとにアニメ風のイラストを生成できます。「呪文」や「元素法典」と呼ばれる効果的なプロンプト集も多くつくられており、誰でも簡単にイラストを生成できるのが特徴です。

また、アップロードした画像をもとにしてイラストを生成することもできます。例えばラフ画だけを描いてNovelAIに読み込ませることで、より高品質なイラストの生成が可能です。

NovelAIとDALL･E 3、Stable Diffusionとの比較

ストーリーテリングとライティングプロセス、そして、そのビジュアル化をシームレスなく行き来して生成できるのは、NovelAIだけが持つ大きなアドバンテージでしょう。物語作成に特化したSigurdモデルを活用し、オープンソースの自然言語処理分野のリーダーであるEleutherAIによってトレーニングされています。

画像生成においては、特にアニメスタイルの画像生成に焦点を当てています。異なるモデルを選択することができ、それぞれ異なる結果を生成します。比較的シンプルなプロンプトでも、ユーザーが生成イラストの内容をコントロールしやすくしているのが特徴です​​。

DALL･Eは、初心者に使いやすいインターフェースで、より抽象的で芸術的な画像生成に傾向があります。

Stable Diffusionは、より詳細でリアリスティックな画像生成に長けています。り多くのカスタマイズオプションを提供し、ユーザーにより多くのコントロール権限を与えています。ただし、インターフェースが初心者にとってはやや複雑に感じられるかもしれません。

ユーザーの目的や好みに合わせて、これらのツールの中から適切なものを選択することが重要です。

NovelAIの料金は？無料で利用できる？

NovelAIのイラスト生成は無料で利用できません。小説の生成では50回のトライアルが利用できますが、イラスト生成は1枚からでも課金が必要です。

生成イラストについて、Anlatan社は著作権を放棄すると明記しているので商用利用も可能です。

料金体系は大きく「月額課金（サブスクリプション）」と「都度課金」の2種類に分けられます。サービス利用のために消費する「Anlas」というトークンを購入して、イラスト生成に使うことが可能です。

ここからは、それぞれの料金プランについて詳しく見ていきましょう。

月額課金（サブスクリプション）の料金

NovelAIの月額課金プランは上記のとおりです。TabletプランとScrollプランとの違いは小説生成の記憶トークン数のみであるため、イラスト生成をメインに利用する場合はTabletプランかOpusプランのどちらかを選択するとよいでしょう。

ただし、イラスト生成に必要となるのはAnlasだけであるため、小説の生成や音声合成機能は全く利用しない場合は、Paperプラン（無料）で都度課金のほうがお得になります。

最も高価なOpusプランでは、普通サイズ・小サイズでの画像生成をAnlasの消費なしで行なえる点が大きな特徴です。小さいサイズでさまざまなプロンプトを試して、うまくいったものだけAnlasを消費して大きなサイズで生成するといった使い方もできます。また、Novel AIにおいて最も優れた文章生成モデルであるLlama 3 Erato 70bを利用もできます。

都度課金の料金

都度課金のプランは上記のとおりです。都度課金では、イラスト生成のために消費するAnlasだけを購入可能です。

V3モデルでイラストを生成するには1枚あたり20Anlasを消費するため、4.79ドルのプランでは1ドルあたり約20枚、13.99ドルのプランでは1ドルあたり約35枚の画像を生成できます。月額課金プランよりも安価にAnlasを購入できるため、イラスト生成だけを利用する際には都度課金がおすすめです。

ただし、月額25ドルのOpusプランでは、普通サイズ・小サイズのイラストをAnlasの消費なしで生成できる機能があります。多くのイラストを生成してNovelAIを試したいと考えている場合はOpusプランもおすすめです。

NovelAIでイラストを生成する4ステップ

NovelAIでのイラスト生成は、以下の4ステップで行えます。

1. アカウント登録をする
2. 日本語表示にする
3. サブスクリプションまたはAnlasを購入する
4. イラストを生成する

ここでは、これらの手順について詳しく見ていきましょう。

アカウント登録をする

NovelAIを利用するには、まずアカウント登録をする必要があります。NovelAIの公式ページへアクセスして、右上の「ログイン」をクリックしてください。

ログインページへ移動したら、画面上部にある「Sign Up」からアカウント登録をしましょう。「メールアドレス」「パスワード」を入力して「Start Writing!」をクリックすると、入力したメールアドレスへ認証メールが送られます。

認証メールに記載されたURLへアクセスしたら、アカウント登録は完了です。

日本語表示にする

NovelAIはデフォルトで英語表記になっているため、アカウント登録が完了したら日本語表示に変更しましょう。まずは画面上部の「Log In」から、登録したメールアドレス・パスワードを入力して「Sign in」をクリックしてログインします。

ログイン後はチュートリアルが表示されますが、下部の「No thanks, let me in!」をクリックしてスキップ可能です。

表示言語を変更するには、トップページの右上にあるガチョウのマークをクリックします。

メニューが表示されるので、メニュー下部にある国旗マークをクリックして「JP」を選択しましょう。これで日本語表示に変更されました。

サブスクリプションまたはAnlasを購入する

Anlasを購入するには、イラスト生成のページへ移動しましょう。NovelAIでイラストを生成するには「Anlas」というトークンが必要です。Anlasは、月額課金または都度課金をすることで入手できます。

Anlasを購入するには、まずイラスト生成のページへ移動しましょう。トップページ下部にある「画像を生成」をクリックすると、イラスト生成ページへ移動します。ページの右上には現在持っているAnlasの数が表示されており、その右側にある「＋」マークをクリックするとAnlasの都度購入が可能です。

月額課金を行なう場合は、ガチョウのマークをクリックして「サブスクリプションを管理」を選択しましょう。「有効なサブスクリプションを持っていないようです！」と表示されるので「進む」を選択し、希望するプランを選択して課金します。

イラストを生成する

Anlasを購入できたら、実際にイラストを生成してみましょう。イラスト生成画面では以下などが設定可能です。

• AIモデルの選択
• プロンプト
• 画像サイズ・枚数

AIモデルは、これまでNovelAIで使用されていた旧モデルも選択できます。古いモデルほど消費されるAnlasが少なくなりますが、高品質なイラストを生成するには新しいモデルを使用したほうがよいでしょう。

プロンプトには、どんなイラストを生成したいかを単語や文章で入力します。品質の高いイラストを生成するためには、どのようなプロンプトにするかが非常に重要です。また、同じプロンプトでも毎回異なる画像が生成されます。

画像生成ごとに異なるプロンプトの使い方をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。

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最後に、画像の大きさや枚数を設定して「生成」ボタンをクリックしてください。画面右側に生成されたイラストが表示されるため、気に入った画像になったら保存しましょう。

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NovelAIを商用利用する際の注意点

NovelAIを商用利用する際には、とくに注意すべき点があります。

• 著作権の問題
• NovelAIの類似モデルが出回っている
• 苦手な分野もある

ここでは、これらの注意点について詳しく見ていきましょう。

著作権の問題

NovelAIなどの生成AIによって作られた画像は、著作権問題の火種になる場合がある点に注意が必要です。NovelAIを運営するAnlatan社は「NovelAIで作成されたコンテンツについて、弊社が著作権を主張することはありません」としているものの、意図せず著作物をAIが生成してしまう可能性もあります。

多くの生成AIはインターネット上の画像を読み込んで学習し、それに基づいてイラストを出力するものです。そのため、既存のクリエイターと似たイラストが生成され、著作権を侵害する危険性があります。実際にAIイラスト作成サービスの「mimic」は、クリエイターの批判を受けてサービスを停止する事態となりました。

NovelAIではすでに学習されたAIを用いて画像生成を行なうためmimicのような問題が起こる可能性は低いですが、今後のアップデートなどでどのような変化が起こるかはわかりません。生成したイラストを商用利用する際は、著作権に触れないかどうかをよく確認しましょう。

NovelAIの類似モデルが出回っている

NovelAIの類似モデルが出回っていることにも注意が必要です。NovelAIのAIモデルはもともと「Stable Diffusion」という画像生成AIを元にしてAnlatan社が開発しました。しかし、2023年6月にそのモデルが流出し、それを利用した生成AIが出回っているのです。

流出したモデルを使ったAIサービスはNovelAIと同等レベルの高品質なイラストを生成できる可能性がありますが、セキュリティ面・プライバシー面で悪影響を及ぼす危険もあります。このような悪意ある業者からの攻撃を防ぐためにも、公式サイト以外でNovelAIと似たモデルを見かけても使用しないようにしましょう。

実写系の画像は苦手

NovelAIはアニメ風のイラストを得意とする反面、実写系の画像生成では精度が悪くなってしまいます。そのため、実写系の画像を生成したい場合はほかのAIを利用するとよいでしょう。

実写系の画像生成を得意とするAIとしては、Stable Diffusionで利用できるリアル系のモデルや、PixAIなどが挙げられます。AIによって得意とするジャンルが異なるため、さまざまなAIサービスを利用して好みのものを探してみてください。

NovelAIのビジネス活用事例3選

NovelAIは実際にビジネスでどのように活用できるのでしょうか。ここでは、以下3つの事例について詳しく解説します。

• ゲーム・アニメ開発の補助
• コンテンツ制作
• NFTとして販売

ゲーム・アニメ開発の補助

世界中で広く親しまれているゲームやアニメの開発にNovelAIを活用できます。例えば、ゲームではストーリー・システムの構想やプログラミングのほかに、背景・キャラクター・アイテムなどの素材が必要です。

NovelAIを使用することで、このようなグラフィック関連のアイディアを出したり、素材を作成したりできます。

アニメ制作の際にも、主要なキャラクター以外の背景素材を0から用意するのは大きな負担です。NovelAIではプロンプトだけで簡単に素材を生成できます。

また、NovelAIではラフ画を読み込ませてイラストを高品質化できるため、多くのイラストを必要とするアニメーションでは大幅なコスト削減が可能です。

コンテンツ制作

NovelAIは、動画やWebサイトなどのコンテンツを作成する際にも役立ちます。これらのコンテンツは、ユーザーにわかりやすく、かつ目を引くデザインが欠かせません。

クリエイターに発注しても、必ずしも思ったとおりのものができない場合もあるでしょう。NovelAIではプロンプトを変えるだけでさまざまなイラストを瞬時に生成できます。

そのため、イメージどおりのイラストが生成されるまで生成を繰り返すことで、多くの画像を低コストで入手可能です。ターゲットユーザーやコンテンツの内容によってさまざまな素材を入手できるため、より訴求力のあるコンテンツを作成できます。

画像生成の広告コンテンツ活用事例をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。

NFTとして販売

NFTの市場は近年とくに盛り上がりを見せており、AIで生成したイラストを販売している人もいます。NFTとは「非代替性トークン」の略で、ブロックチェーン技術を使って偽造できない鑑定書を付与したデジタルデータのことです。唯一無二性があり、絵画のように本物と偽物を見分けて売買できます。

NFTは世界中で取引でき、ブロックチェーンで取引をするため透明性が高いのが特徴です。画像データを1つの作品として投資対象にすることもあり、場合によってはその価値が大幅に上昇した例もあります。NovelAIで生成したイラストをNFTにすることで資産としての価値が生まれ、販売ビジネスを行なうことも可能です。

NovelAIについてよくある質問まとめ

まとめ

この記事では、NovelAIについて紹介しました。NovelAIは無料で利用できない・実写系に弱いなどのデメリットがあるものの、誰でも手軽にアニメ系イラストを生成できるサービスです。

商用利用する際には著作権問題や類似モデルなどに注意が必要ですが、さまざまなビジネス分野で活用できるツールとなっています。AIで生成したイラストの商用利用を考えている方は、ぜひこの記事を参考にNovelAIを利用してみてはいかがでしょうか。

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