ChatGPT Canvasとは?6つのメリット・始め方・注意点を徹底解説!
最終更新日:2025年03月13日

2024年10月3日、ChatGPTを提供するOpenAIは、新たなユーザーインターフェース(UI)を持つ「Canvas」を発表しました。
従来のチャット形式では難しかった、生成されたテキストやコードの直接編集が可能になり、コンテンツ作成や開発業務の効率が大幅に向上します。
本記事では、ChatGPT Canvasの導入によるメリットや始め方、注意点を徹底的に解説します。Canvasに興味がある方やChatGPTのUIに使いにくさを感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。
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ChatGPT Canvasとは?
ChatGPT Canvasとは、OpenAIが提供する新しい機能で、ChatGPTとのチャットに編集機能が追加された新しいUIです。
従来と同じChatGPTのシンプルなチャットウィンドウに加え、編集可能なテキストエディタが統合されています。テキストエディタが追加されたことで、ユーザーはGPTと対話しながら、生成されたテキストやコードを直接編集することが可能です。
Canvasは、テキスト生成とコード生成両方に対応し、「記事作成」や「コードレビュー」など入力されたプロンプトに合わせて、それぞれ専用のテキストエディタが自動的に開きます。または、プロンプトに「use canvas」を含めることで手動で開くことも可能です。
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2024年12月11日以降、どのユーザーでも無料で利用できるようになりました。より多くのユーザーがCanvasを利用できるようになり、今注目を集めている機能です。
Canvasの利用料金
Canvasは、当初は初期ベータ版としてChatGPT Plus/EnterpriseやTeam、そしてProユーザーのみを対象に提供されていました。しかし、2024年12月11日からは無料ユーザーも利用可能となりました。
無料プランでも有料プラン同様に、基本的なチャット機能やテキストエディタの編集機能をフルに活用できます。Canvasの利用を主目的としている場合は無料プランで十分です。
Canvasの始め方
CanvasはChatGPTに契約している方であれば、ワンクリックで始められます。Canvasを使用できるモデルのチャット入力欄にある、三点リーダーから選択できるようになりました。
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Canvasの6つのメリット
従来のチャットのみのChatGPTに比べ、Canvasには編集する上で多くのメリットがあります。以下では、Canvasのメリットを紹介します。
高度な文書編集ショートカットを使える
Canvasでは、ユーザーが直感的に文書を仕上げるための高度なショートカット機能が多数用意されています。
以下が、文章編集用の主なショートカット機能です。
- 編集提案:編集すべき箇所と具体的な編集提案を指摘
- 長さ調整:9段階で出力の長さを増やしたり、減らしたりできる
- 読解レベル調整:大学院/大学/高校/変更なし/中学/小学生/幼稚園児の9段階で文章の難易度と複雑さを調整
- 最終仕上げ:より見やすくなるように文法・明瞭性・一貫性をチェックし、全体を一気に整える
- 絵文字追加:絵文字を挿入できる
- 簡単な装飾機能:太文字/斜字/文字の大きさ変更(4段階)
上記のショートカット機能を利用すれば、プロンプトを入力する手間が減り、効率的に編集できます。
多彩なコード編集ショートカット機能を使える
Canvasでは、コード編集用のショートカット機能を活用することで、より迅速にコードを改善できます。
以下は、主なコード編集ショートカット機能です。
- コードのレビュー:コードが改善するように提案
- ログの追加:コードのデバッグと理解に役立つprintの挿入
- コメント追加:コードにコメントを追加して理解しやすくする
- バグの修正:問題のあるコードを検出して書き換え、エラーを解決
- 言語間の変換:コードをJavaScript/TypeScript/Python/Java/C++/PHPに変換
上記のショートカット機能を活用すれば、容易にデバッグを行え、開発プロセスの大幅な効率化が期待できます。
微調整できるので一貫性を保てる
Canvasでは変更したい箇所を選択し、指示を出せば、その部分のみ編集できます。例えば、文章の長さ調整や一文のみの推敲、特定のクラスだけをデバッグするなど、編集が必要な部分だけを微調整可能です。
従来のチャット形式のUIは、プロンプトを入力するたびに出力内容が全体的に変わります。生成された内容の一部分を編集して利用したい場合でも、全体が変わってしまうため非効率でした。
また、Googleドキュメントの編集機能のように、ユーザー自身が直接手動で文章やコードの変更や追加をすることもできます。
Canvasでは、一部分の出力に対してChatGPTに変更するよう指示を与えたり、直接手を加えたりでき、従来のチャット形式のUIよりも細かく調整できます。
ライティングやコーディングのスピードアップ
Canvasを活用すれば、チャット形式のみのChatGPTと比べて、長文の文章や大規模なプログラムを迅速に完成できます。以下が、完成までのスピードが上がる理由です。
- 生成された内容を直接編集できる
- ひとつ前の編集履歴を見れる
- 操作を元に戻したり、取り消した操作をもう一度行える
従来はChatGPTから生成された内容をコピーして、別のツールで編集する必要がありましたが、Canvasでは直接生成された文章やコードを編集可能のため、生成内容をコピーして、他のエディタにペーストする作業がなくなります。
また、GoogleドキュメントやWordと同様に、ひとつ前の状態に戻すことや編集履歴を確認できるため、編集した内容を迅速に修正することが可能です。
このように、Canvasは従来のチャット形式にはない「シームレスな編集環境」と「高度な履歴管理機能」を備えており、より効率良く文章やコードを作成できます。
タスクに合わせて生成AIモデルを選べる
Canvas用の生成AIモデルはマルチモーダルのGPT-4o、汎用型のGPT-4.5に加えて、推論目的に強化されたOpenAI o1シリーズも使えます。それぞれの生成AIモデルは開発された目的が大きく異なり、特徴や適した利用シーンが全く異なります。
以下が、それぞれの特徴とおすすめの活用シーンです。
モデル | GPT-4o | o1 |
---|---|---|
特徴 |
|
|
おすすめの活用シーン |
|
|
例えば、マルチモーダルに対応するGPT-4oはWeb記事などのコンテンツ制作、一方、プログラミング能力が高いo1は、システム開発がおすすめです。
このように、タスクの種類や難易度やに応じて最適なAIを柔軟に選択でき、より効率良くタスクを解決できる他、コストパフォーマンスの向上も期待できます。
Pythonの実装環境として使える
Canvasには、Pythonコードを直接実行できる実装環境が整備されています。ブラウザ内でPythonコードを実行し、結果を即座に確認できます。
具体的に、追加されたPython関連の機能は以下のとおりです。
- コードを自動的に認識:シンタックスハイライトを提供
- Pythonコードの実行:WebAssemblyによる高速起動のPython実行環境を内蔵。標準的なPythonライブラリの多くがインストール不要で利用可能
- グラフ描画とデータ解析:Matplotlibやpandasなどでグラフを描画したりデータを解析
- デバッグ: エラーが発生した場合、自動的に修正案を提供
- 標準的なライブラリ対応:標準的なPythonライブラリはインストール不要
- ネットワークリクエストの対応:外部APIへのリクエストが実行可能(デフォルトでは無効化)
上記の機能により、PythonユーザーはChatGPT上で直接Pythonコードの自動生成から編集、実行、テスト、デバッグまでひと通りできるようになりました。つまり、Pythonの開発環境を別に立ち上げることなく、シームレスにPythonをコーディングすることが可能となったのです。
関連記事:「PythonがAI開発で選ばれる理由や具体的なメリット・デメリットを徹底解説」
CanvasはPythonの新しい統合開発環境として、プログラミング学習やプロジェクト開発、データ解析まで、幅広いシーンで役立つでしょう。
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Canvasを仕事に使う際の注意点
Canvasを利用する際には、いくつか注意点があります。主な注意点は、以下のとおりです。
- スマホでは利用できない
- プロンプトに反応して自動で起動する
- 一部の生成AIモデルでは利用できない
スマホでは利用できない
まずCanvasは現在、デスクトップ環境向けに提供されているため、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末では利用できません。
そのため、PC上でCanvasを通じて編集した内容であっても、スマートフォン上では通常のチャット形式と同様の形式で表示され、編集機能を活用できません。
関連記事:「AndroidやiPhoneを含むスマホ版ChatGPTの特長、インストール方法、注意点」
意図していないタイミングで起動することもある
CanvasはトリガーワードがChatGPT上で入力された際に、自動で起動する仕組みとなっています。トリガーワードは非公式なため明確ではありませんが、「コード生成」や「記事作成」といったCanvasの機能に関連するプロンプトで立ち上がる傾向にあります。
一見便利な機能に思えますが、Canvasが立ち上がると通常のアウトプットよりも待ち時間が発生する場合も少なくありません。そのため、迅速なアウトプットが欲しい場合は不便に感じるでしょう。
なお、トリガーワードでCanvasが開かないようにする設定はないため、Canvasの利用を控えたいシーンでは厄介な機能と言えます。
一部の生成AIモデルでは利用できない
Canvasを利用できるのはGPT-4oとOpenAI o1、そしてGPT-4.5です。例えば、同じ4oシリーズでも「4o mini」、o1の上位互換である「o3」シリーズでは使用できません。
普段の業務で4oとo1以外を使用している場合は、Canvasを活用できないため利便性が低下します。
さらに、Deep Researchと併用して同時に使用することもできません。
ChatGPT Canvasについてよくある質問まとめ
- ChatGPT Canvasとは何ですか?
ChatGPT Canvasは、従来のチャット形式のUIに加え、専用の編集画面を搭載した新しいツールです。
具体的には、生成された文章やコードを直接編集・微調整でき、コピー&ペーストなどの手間を省き、作業効率を大幅に向上できます。
- ChatGPT Canvasは、どのような業務に活用できますか?
ChatGPT Canvasは、Web記事やレポートなどの長文コンテンツ作成、プログラムコードの生成・編集・デバッグ、データ分析など、幅広い業務に活用できます。
まとめ
ChatGPT Canvasは、従来のチャット形式のUIを一新し、編集機能を備えた新しい生成AIツールです。
ユーザーは、ChatGPTとの対話を通じて生成された文章やコードを、専用の編集画面上で直接修正や追加が可能です。また、プロンプトを入力せずとも項目を選択するだけでバグや日本語の修正をChatGPTが自動で行う機能など、文章とコード編集用の便利なショートカットがいくつも用意されています。
Canvasを活用することで、ChatGPT上で生成した内容を別ツールへ移行する手間が省かれ、文章生成やコード生成の効率化が大幅に向上します。しかし、より専門的な知識や大規模な開発プロジェクトにおいては、AI開発の専門家のサポートが必要となるケースも考えられます。
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