Gemini 2.5とは?【実機解説】Google AI Studioでの使い方、性能、できること、料金、2.0との違い解説
最終更新日:2025年03月31日

2025年3月、Google DeepMindが発表したAIモデル「Gemini 2.5」は、単なるLLMではなく、問題に対して自ら考え、複雑な推論や高度なコーディングタスクをこなす「思考モデル(Thinking Model)」として設計されています。
この記事では、そんなGemini 2.5の仕組み・性能・できること・特徴・料金・使い方・旧モデルとの違いまでを徹底的に解説します。AIに興味がある方はもちろん、業務や開発への導入を検討している方にとっても必見の内容です。
目次
Gemini 2.5とは
Gemini 2.5は、Google DeepMindが2025年3月26日に発表した思考型AIモデル(Thinking Model)です。2025年3月の初期リリースでは、Gemini 2.5 Proが提供開始されました。
これまでのAIは、あらかじめ学習した知識から予測的に回答するのが主流でした。しかし、Gemini 2.5は一歩進んで、「自ら思考してから答える」というプロセスを取り入れた次世代モデルです。
Think you know Gemini? 🤔 Think again.
Meet Gemini 2.5: our most intelligent model 💡 The first release is Pro Experimental, which is state-of-the-art across many benchmarks – meaning it can handle complex problems and give more accurate responses.
Try it now →… pic.twitter.com/bFcx0IlY24
— Google DeepMind (@GoogleDeepMind) March 25, 2025
「Thinking Model」というアプローチにより、Gemini 2.5は従来のモデルよりも複雑な問題に対して柔軟かつ正確に対応することが可能となっています。
マルチモーダル入力に対応しコーディングにも強い
また、Gemini 2.5は単に言語処理に強いだけではありません。テキストに加えて画像・音声・動画といったマルチモーダル入力にも対応しており、さらに最大100万トークンの長文処理も可能なスケール感を持っています。
また、コーディングにも極めて強いという特徴があります。
こうした性能により、ビジネス、教育、研究、開発などさまざまなシーンでの活用が期待されています。
初期リリースとなる「Gemini 2.5 Pro Experimental」は、Google AI StudioやGeminiアプリを通じて利用可能となっており、開発者やAI活用を目指すビジネスパーソンにとって、今もっとも注目すべきAIモデルの一つです。
Gemini 2.0との違い
旧モデルであるGemini 2.0とは、以下のような違いがあります。
比較項目 | Gemini 2.0 | Gemini 2.5 |
---|---|---|
思考モデル | Flash Thinking | Full Thinking(本格思考モデル) |
コーディング性能 | 中程度 | 大幅に向上(SWE-Benchなどで高スコア) |
推論能力 | 高 | さらに高(Humanity’s Last Examなどで他モデルを上回る) |
コンテキストウィンドウ | 約32k〜128kトークン | 最大1Mトークン(200万トークン対応も予定) |
リリース形態 | 安定版 | 実験版(Pro Experimental) |
Geminiの無料ユーザーにも開放
初期リリースから1週間も経たない2025年3月30日、「Gemini 2.5 Pro Experimental」モデルが、Geminiの無料ユーザーにも提供開始され、Geminiを通してだれでも利用できるようになりました。
Gemini 2.5 Pro is taking off 🚀🚀🚀
The team is sprinting, TPUs are running hot, and we want to get our most intelligent model into more people’s hands asap.
Which is why we decided to roll out Gemini 2.5 Pro (experimental) to all Gemini users, beginning today.
Try it at no… https://t.co/eqCJwwVhXJ
— Google Gemini App (@GeminiApp) March 29, 2025
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Gemini 2.5を実際に使う方法(実機画面説明つき)
現在、Gemini 2.5はGoogle AI Studio(開発者向け)、Geminiアプリ(PC・モバイル対応)で利用可能です。
Google AI Studioでの使い方
まず、Google AI Studioにアクセスします。
右側メニューのModelからGemini 2.5 Pro Experimentalを選択して、使用することができます。
新しいチャットを作成する際は、左上の「Create Prompt」を押します。
プロンプトを入力すると、以下のように「思考」をした上で、回答を生成します。思考時間は数秒から数十秒程度まで様々です。
Gemini(PC)での使い方
Geminiで2.5モデルを利用する場合は、Gemini公式サイトにアクセス・ログインの上、左上のモデル選択画面で、2.5 Pro(Experimental)を選択することで、利用可能です。
尚、2025年3月に登場したGemini Canvas機能は、2.5 Proモデルでは利用できません。
Vertex AI
Vertex AIには、今後対応予定です。
Gemini 2.5の料金
Gemini 2.5は無料で使えるGoogle AI Studio(開発者向け)と、Geminiユーザー向けGeminiアプリ(PC・モバイル対応)で利用可能です。
Vertex AIの料金は今後発表予定です。
Gemini 2.5の思考プロセスの仕組み
Gemini 2.5は、Google DeepMindが開発した思考型モデルのLLMです。回答を導き出す前に「思考プロセス」を経ることで、より正確で人間に近い判断が可能になっています。
この思考プロセスには、以下のような要素が組み込まれています。
- Chain-of-Thought(思考の連鎖):複雑な問題を一歩ずつ段階的に解決するプロンプト設計手法を活用。
- 強化学習(Reinforcement Learning):AI自身が試行錯誤しながら最適な出力を学習する技術を応用。
- ポストトレーニングの改良:学習後の追加訓練により、出力の質を大幅に向上。
Gemini 2.0では「Flash Thinking(簡易的な思考モデル)」として初めて思考型AIの要素を導入していましたが、Gemini 2.5ではさらに洗練され、本格的な「思考するAI」として進化しています。
Gemini 2.5の特徴
Gemini 2.5は以下のような特徴があります。
- マルチモーダル対応:テキストだけでなく画像・音声・動画も扱える
- 長いコンテキストウィンドウ:現時点で100万トークン(200万トークン対応も予定)
- ファクトチェック能力やツール使用:外部ツールとの連携、コード実行なども可能
- 実験段階(Experimental)としてリリース:今後の改良にも期待
Gemini 2.5の性能
Gemini 2.5は、Google DeepMindが開発した最新の思考型AIモデルであり、各種ベンチマークにおいてOpenAIのGPT-4.5やAnthropicのClaude 3.7などの主要な競合モデルを上回る性能を発揮しています。
視覚情報を扱うマルチモーダル処理や、100万トークンを超える長文コンテキスト処理、多言語での知識回答においても、他モデルより一貫して高い精度を維持しており、あらゆる分野でバランスよく最強クラスの性能を実現しているモデルと言えます。
人類最後の試験で高スコア
特に「Humanity’s Last Exam(人類最後の試験)」では、GPT-4.5の6.4%、Claude 3.7の8.9%に対し、Gemini 2.5は18.8%のスコアを記録。
人類最後の試験は、数学・人文科学・自然科学など幅広い分野の問題を網羅したベンチマークです。大学教授や著名な数学者などから出題された問題で構成されています。
数学系でも高スコア
また、数学コンテスト「AIME」では90%を超える精度を見せ、GPT-4.5(36.7%)やClaude 3.7(61.3%)を大きく引き離しています。
コーディングでもGPT-4.5超え
コーディング分野でも、実践的なコード修正力を評価する「SWE-Bench Verified」においてGemini 2.5は63.8%と高得点を獲得し、GPT-4.5(38.0%)を大きく上回る結果を残しています。
Gemini 2.5でできること
Gemini 2.5でできることは以下のとおりです。
分野 | 具体的にできること | 特徴・関連ベンチマーク |
---|---|---|
コーディング | ・Webアプリやゲームの自動生成 ・コードの修正・最適化・変換 ・エージェント的なタスク処理 | SWE-Bench Verified: 63.8% Aider Polyglot: 74.0% |
推論・計算 | ・数学・科学・論理問題の解決 ・複雑な問題に対する思考的アプローチ | AIME 2025: 86.7% GPQA: 84.0% Humanity’s Last Exam: 18.8% |
長文処理 | ・最大100万トークンの文脈理解 ・文書・書籍・会議記録などの分析・要約 | MRCR(1M): 83.1% |
マルチモーダル対応 | ・画像・音声・動画を理解 ・視覚情報に基づく推論や説明 | MMMU: 81.7% Vibe-Eval: 69.4% |
多言語処理 | ・多言語の読み書き・翻訳・会話理解 | Global MMLU (Lite): 89.8% |
エージェント活用 | ・タスク自動化や外部ツール連携 ・社内システムと連携した実務支援 | ツール使用、コード実行、構造化出力などに対応 |
Gemini 2.5の活用事例
Gemini 2.5がどのように活用できるのか、Xでは多くの投稿がされています。
ゲームの生成
Gemini2.5 ProでVibe Codingした鹿撃ちゲーム
ちゃんと動いててすごいhttps://t.co/pNaK1EHQwS pic.twitter.com/FGNTvXo8Bj— shi3z (@shi3z) March 26, 2025
相続税の計算
gemini2.5やばすぎる。ついに相続税の計算に成功。今試してみて激震が走った。
❌GPT4
❌GPT4o
❌o1pro
❌o3mini
❌Claude3.5
❌Claude3.7
❌gemini1.5
❌gemini2.0
✅gemini2.5こういう前提の質問を新しくなる都度してたんだけど、今まで一度も正解したことがなかった。
法定相続人:配偶者+子2… pic.twitter.com/mOyAx8gZuR
— 川畑文秀@公認会計士・税理士 (@kawabata_42) March 25, 2025
Webページ作成(レスポンシブ)
Gemini2.5 Proが凄い!
「あなたは優秀なウェブデザイナーです。tailwindを使ってお洒落で斬新なbarのウェブサイトを作って。」
で、30秒一発で出してきたサイトがコレ。
レスポンシブもアニメーションもいい感じ。 pic.twitter.com/cgpFVddvvV— Dar4C (@takafumi0921Y) March 26, 2025
Gemini 2.5についてよくある質問まとめ
- Gemini 2.5は誰でも使えますか?
はい、Google AI Studioを利用すれば、誰でもブラウザ上でGemini 2.5 Pro Experimentalを試すことができます。
また、Geminiユーザーも、スマートフォンやPCで利用可能です。法人向けには今後、Vertex AIでも提供予定です。
- Gemini 2.5はどんな場面で特に役立ちますか?
Gemini 2.5は、複雑な問題を段階的に解決する推論力と、コードを自動で生成・修正するプログラミング能力に優れているため、次のような場面で特に活躍します。
ソフトウェア開発の自動化(コード生成・バグ修正)
ビジネス資料や契約書の要約・分析
数学や科学分野の学習・研究支援
画像や動画の内容理解・説明
多言語翻訳や国際対応の業務支援
まとめ
Gemini 2.5は、Google DeepMindが開発した思考型AIモデルであり、これまでの生成AIとは一線を画す性能と柔軟性を備えています。数学・科学・論理のような複雑な推論タスクから、高度なコーディング、さらには画像や音声といったマルチモーダル処理まで対応できる、まさに「考えて動く」次世代AIと言えます。
GPT-4.5やClaude 3.7などの競合モデルと比較しても、各種ベンチマークでトップクラスの精度を記録しており、ビジネス・開発・研究などあらゆる分野での活用が期待されています。
Google AI StudioやGeminiアプリで誰でも使い始められるため、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。
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