Rerankとは?RAGの検索精度を向上する仕組み・代表モデル・使い方を徹底解説
最終更新日:2026年09月16日
記事監修者:森下 佳宏|BizTech株式会社 代表取締役

LLM(大規模言語モデル)のハルシネーション低減や独自データの参照を行う手法として、RAG(検索拡張生成)がビジネスで広く活用されています。そして、RAGの検索精度を高める代表的な技術の一つが「Rerank(リランク)」です。
Rerankモデルは、初期ランキング結果を再評価することでユーザーにとってより適切な結果を提供できる技術で、カナダのAI企業であるCohere(コーヒア)などが開発を精力的に進めています。
本記事では、Rerankの基本的な概念から、具体的な活用例、RAGにおける役割、そして導入方法までを詳しく解説します。Rerankを理解することで、あなたのサービスや業務における情報検索の精度を向上させ、ユーザー体験を大きく改善できるでしょう。
関連記事:「RAG(検索拡張生成)とは?LLMでの活用方法・メリット・導入・構築方法の注意点」
LLM・RAG開発が得意なAI開発会社について知りたい方はこちらで特集していますので、併せてご覧ください。
目次
Rerankとは?

Rerankとは、その名の通り、検索結果や情報検索システムにおいて初期検索で取得した候補を再評価し、より適切な結果を得るために再度順位を付けるランキング技術で、ユーザーにとってより関連性の高い情報を提供するための汎用的な手法として幅広い分野で活用されています。
その大きな目的は、検索や情報取得の精度を向上させることです。Rerankを活用することで、よりユーザーの意図に近い検索結果を優先して提供することが可能になります。
Rerank自体は検索や推薦にも広く使われる技術ですが、近年はRAGでLLMに渡す情報の関連性を高める手法として広く活用されています。
RerankモデルをLLMのRAGに採用すれば、ユーザーはより価値のある情報を効率的にLLMから取得できるようになり、検索体験が向上します。
関連記事:「RAG精度の壁とは?チューニングする戦略・具体的検討方法を徹底解説!」
RAGにおけるRerankの活用例
RAGでは、初期検索で取得した文書に、質問と関係の薄い情報が含まれることがあります。
Rerankは、質問と候補文書の関連性を再評価し、回答に役立つ情報を優先してLLMへ渡すために利用します。
- 社内問い合わせ対応:複数の社内規程から、質問された制度や手続きに関連する記述を優先する
- 製品サポート:同じ製品名を含むマニュアルから、質問された機能や不具合への対処に関連する説明を優先する
- 技術情報の検索:類似した専門用語を含む資料から、質問の条件や目的に合う記述を優先する
- 営業資料の作成支援:過去の提案書や製品資料から、顧客の要望に関連する情報を優先する
ただし、Rerankが再評価できるのは、初期検索で取得した候補に限られます。必要な文書を候補に含められるよう、検索方法や参照データの整備も重要です。
LLM×RAGに強い会社の選定・紹介を行います
今年度RAG相談急増中!紹介実績1,000件超え!

・ご相談からご紹介まで完全無料
・貴社に最適な会社に手間なく出会える
・AIのプロが貴社の代わりに数社選定
・お客様満足度96.8%超
完全無料・最短1日でご紹介 LLM×RAGに強い会社選定を依頼する
Rerank活用のメリット

Rerankを活用するメリットは、検索やレコメンドシステムの精度向上や、ユーザー体験の改善、ビジネス目標の達成に寄与する点にあります。以下に具体的なメリットをまとめます。
ハイブリッド検索による検索精度の向上
従来の検索システムでは、情報量が増えるほどユーザーが正確なデータを見つけるのが難しくなるという課題がありました。キーワードに基づいた単純な一致検索では、ユーザーの意図や文脈を十分に反映できないことが多かったためです。
こうした課題を解決するために、キーワード検索とAIによる意味検索(ベクトル検索など)を組み合わせるハイブリッド検索が活用されます。そして、このハイブリッド検索の精度を最終的に高める上で、Rerank(再ランキング)技術が重要な役割を果たします。
一方、Rerankは、初期ランクでは考慮されなかったユーザーの意図や文脈を取り入れ、関連性の高い結果を上位に表示可能です。例えば「旅行」を検索した場合、観光地案内や宿泊施設、旅行ガイド記事など、検索意図に応じた最適な結果を提示することが可能です。そのため、ユーザーは求める情報へ直感的かつ迅速にアクセスできるようになります。
また、再順位付けは通常、検索プロセスの最終段階で行われるため、異なる検索システムから得られた結果を効率的にマージ・ソートする際にも役立ちます。このようにRerankを活用することで、ハイブリッド検索は初期の多様な検索結果の精度を効果的に高め、統合された高品質な検索結果を提供することで、ユーザー体験を大幅に向上させます。
パーソナライズ体験の向上
Rerankを活用すれば、ユーザーの検索履歴やクリック傾向、購買履歴をもとに、個々の嗜好やニーズに合った情報や商品を優先的に表示可能です。例えば、ECサイトで過去にスポーツ用品を購入したユーザーには、関連商品のレコメンド順位を上げることで、興味を引くことができます。
このようなパーソナライズされた体験により、ユーザーが必要な情報や商品を素早く見つけられるだけでなく、満足度やリピート率の向上にもつながります。
Rerankは、ユーザーとの関係を深め、より良い購買体験を提供する有効な手段となり得るのです。
多様性の確保
Rerankはリアルタイムでデータを反映し、ユーザーの行動変化やトレンドに迅速に適応できます。
例えば、映画配信サービスでは、同じ俳優の作品ばかりが表示されないよう、多様なジャンルや新しい作品を提示することが可能です。Rerankを採用したサービスを通じて、ユーザーは新たな情報を得ることができ、視聴体験がより充実します。
結果として、ユーザーのエンゲージメントを高めることができ、サービスへの満足度や利用頻度の向上につながります。
動的な環境への即応
Rerankはリアルタイムでデータを反映し、ユーザーの行動変化やトレンドに迅速に適応できます。
例えば、季節商品の需要が高まるタイミングでは、該当商品の表示順位を上げることで、ユーザーの関心に応じた効果的なレコメンドが可能になります。また、季節やイベントに応じたランキング調整を行えば、適切なタイミングで関連商品や情報を提供することも可能です。
Rerankの活用によって動的な環境への対応力が向上することで、ユーザー体験が向上し、サービスや商品の利用促進につながります。
RAGにおけるRerankの仕組み

従来の単純な検索手法では、キーワードマッチングや単純な関連性スコアリングによって検索結果を提供していました。しかし、これらの方法では文脈や意味を十分に理解することが難しく、ユーザーが求める最適な情報にたどり着けないケースが多くありました。
一方、Rerankは、ユーザーの質問と各候補文書の関連性を再評価し、回答に役立つ情報が上位に表示されるよう順位を調整します。
以下が、Rerankが動く仕組みです。初期の高速検索と、その後の詳細な再評価を組み合わせることで、効率と精度のバランスを取ります。
| 項目 | プロセス |
|---|---|
| 1. 初期検索 | ベクトル検索やキーワード検索、ハイブリッド検索などを利用して、ユーザーのクエリに関連する候補文書を幅広く取得します。 |
| 2. 候補文書をRerankモデルへ入力 | 初期検索で取得した候補文書とユーザーのクエリをRerankモデルへ入力します。初期検索では多くの候補を高速に取得し、Rerankではその候補に対象を絞ってより詳細な関連性評価を行います。 |
| 3. 関連性スコアを再計算 | Rerankモデルがクエリと各候補文書の関連性を評価し、新たな関連性スコアを算出します。Cross-Encoder系のモデルでは、クエリと文書を同時に入力して両者の関係を詳細に評価します。 |
| 4. 再順位付け | 再計算された関連性スコアに基づいて候補文書を並べ替え、上位の文書をLLMへ渡すコンテキストとして利用します。 |
RAGに使われる代表的なRerankモデル
RAGで利用される代表的なRerankモデルには以下があります。
- Cohere Rerank:クエリと文書の関連性を評価し、検索結果を再順位付けするRerankモデルです。現在はRerank 4.0 ProとRerank 4.0 Fastなどが提供されています。
- Cross-Encoder系Reranker:クエリと候補文書を同時にモデルへ入力し、両者の関連性を直接評価してスコアリングします。
- BERT系Reranker:BERTやその派生モデルを利用して、クエリと文書の意味的な関連性を評価します。
これらのRerankモデルは、初期検索で取得した候補文書をクエリとの関連性に基づいて再評価し、より関連性の高い情報を上位に並べ替えるために利用されます。
Rerankモデルの主な機能
Rerankは検索結果の関連性を高めるための技術であり、主に以下のような機能を備えています。
- クエリと文書の関連性評価:ユーザーの検索クエリと候補文書の意味的・文脈的な関連性を評価する
- 精密なスコアリング:初期検索で取得した候補文書ごとに、クエリとの関連性スコアを再計算する
- 検索結果の再順位付け:算出した関連性スコアに基づいて検索結果を並べ替える
- 既存検索システムとの連携:ベクトル検索、キーワード検索、ハイブリッド検索などの後段に組み込める
- 多言語対応:モデルによっては日本語を含む複数言語の文書をRerankできる
- 半構造化データへの対応:モデルによってはJSONなどの半構造化データも関連性評価の対象にできる
Rerankの特筆すべき機能は、単なるキーワードの一致ではなく、文脈や意図を把握することで、クエリの背景にあるユーザーの真のニーズを捉えられることです。
また、より正確なランキング付けができることもRerankの重要な機能です。初期の検索結果リストに対して、文書の質やクエリとの一致度を評価し、ユーザーにとって価値の高い情報が上位に表示されるようにします。
これにより、無関係な情報を除外し、効率的に目的の情報にたどり着けるようになります。
さらに、Rerankは既存の検索システムと容易に組み合わせられる点も大きな特徴です。そのため、新たなシステムを一から構築する必要がなく、現在使用している検索インフラに統合するだけで高精度なランキング機能を利用できます。
これらの機能により、Rerankは単なる検索ツールとしての枠組みを超え、ユーザーにとってより有用で関連性の高い情報を効率的に届けられるツールとして確立しています。
LLM×RAGに強い会社の選定・紹介を行います
今年度RAG相談急増中!紹介実績1,000件超え!

・ご相談からご紹介まで完全無料
・貴社に最適な会社に手間なく出会える
・AIのプロが貴社の代わりに数社選定
・お客様満足度96.8%超
完全無料・最短1日でご紹介 LLM×RAGに強い会社選定を依頼する
Cohere Rerankモデルを使うには?

Rerankは、例えばCohereのモデルを活用することで、比較的シンプルな手順で導入できます。Rerankの具体的な利用手順は、以下のとおりです。
- Cohereの公式サイトへアクセス
- GoogleもしくはGitHubアカウントを登録
- APIキーを取得
- 料金プランを選択(従量制または契約プラン)
- APIを利用してRerankを実装
Cohere RerankはAPIを利用して既存の検索システムへ組み込むことができます。
Rerankでは初期検索で取得した候補文書を追加で評価するため、処理時間は増加します。そこで、初期検索で候補数を絞ったり、応答速度を重視する場合はRerank 4.0 Fastを利用したりすることで、検索精度とレイテンシーのバランスを調整できます。
また、Cohere Rerank 4.0は多言語に対応しているため、日本語を含む検索タスクにも利用できます。
CohereではRerankモデルを継続的に開発しており、2025年12月11日にはRerank 4.0が発表されました。高い検索品質を重視した「Rerank 4.0 Pro」と、低レイテンシー・高スループットを重視した「Rerank 4.0 Fast」が提供されており、用途に応じて使い分けることができます。
Rerank 4.0 ProとRerank 4.0 Fastは、Amazon SageMaker JumpStartでも利用できます。一方、Amazon Bedrockでは、2026年8月時点でCohere Rerank 3.5がRerankモデルとして提供されています。
関連記事:Cohereとは?Command、Embed、Rerank等の種類・導入事例を徹底紹介!
Rerankの展望

Rerankモデルは今後さらに進化し、以下に対して新たな展開が期待されています。
- リアルタイム性の向上
- マルチモーダル対応
- 倫理的配慮の強化
- 他の改善手法
リアルタイムデータを活用したランキング
Rerankモデル自体がユーザー行動をリアルタイムで学習するわけではありませんが、検索対象となるデータやユーザー情報を最新の状態に保つことで、現在の状況を反映した検索結果を再順位付けできます。
例えばECサイトでは、在庫状況、価格、セール情報などを検索システム側でリアルタイムに更新し、その情報を初期検索やRerankの処理に組み込むことで、現在の状況に適した商品を上位に表示できます。
今後は、ユーザー行動や業務データなどのリアルタイム情報を検索・ランキングパイプラインへ組み込み、より動的に検索結果を最適化する活用が広がると考えられます。
マルチモーダル検索への対応
マルチモーダルAIの発展に伴い、検索システムでもテキストだけでなく画像など複数種類のデータを扱うケースが増えています。
マルチモーダルなEmbeddingや検索モデルとRerankを組み合わせることで、テキスト検索だけでは捉えにくい情報を含めて検索結果を評価することが可能になります。
今後は、画像やその他のデータを含む検索・RAGシステムでも、Rerankを活用した検索精度向上がさらに重要になると考えられます。
倫理的配慮の強化
さらに、Rerankの普及に伴い、倫理的配慮の強化も重要です。アルゴリズムの透明性や公平性への要求が高まるにつれ、特定の企業やカテゴリを不当に優遇しないバイアスの排除が可能となります。全てのユーザーにとって公平で信頼できる検索結果が提供されるようになります。
これらの進化を通じて、Rerankはさらに幅広い分野で活用され、ユーザー体験を向上させる重要な技術として定着していくでしょう。
Rerankと併せて用いられるRAGの技術・改善手法
RAGには、Rerankと併せて以下のような技術や手法が用いられています。
- チャンキング:文書を適切な大きさの断片(チャンク)に分割する技術
- ベクトル検索:テキストをベクトル化し、類似度に基づいて検索を行う手法
- Embedding(埋め込み表現):テキストを数値ベクトルに変換する技術
- GraphRAG:ナレッジグラフを活用したRAG手法
- LlamaIndex:RAGシステムの構築を支援するフレームワーク
LLM×RAGに強い会社の選定・紹介を行います
今年度RAG相談急増中!紹介実績1,000件超え!

・ご相談からご紹介まで完全無料
・貴社に最適な会社に手間なく出会える
・AIのプロが貴社の代わりに数社選定
・お客様満足度96.8%超
完全無料・最短1日でご紹介 LLM×RAGに強い会社選定を依頼する
Rerankモデルについてよくある質問まとめ
- Rerankとは何ですか?
Rerankとは、初期検索で取得した候補文書を再評価し、ユーザーのクエリとの関連性が高い順に並べ替える技術です。RAGでは、ベクトル検索やキーワード検索などで取得した候補をRerankすることで、LLMへ渡す情報の質を高めるために利用されます。
- RerankをRAGに導入すると何が改善しますか?
Rerankを導入すると、初期検索だけでは上位に来なかった関連性の高い文書を再評価できるため、RAGの検索精度向上が期待できます。結果として、LLMに渡すコンテキストの質が高まり、より適切な回答を生成しやすくなります。
- 代表的なRerankモデルには何がありますか?
代表例としてCohere Rerankがあり、現在はRerank 4.0 ProとRerank 4.0 Fastなどが提供されています。また、Cross-Encoder系やBERT系のRerankerも利用されています。用途に応じて、検索品質、応答速度、多言語対応、導入方法などを比較して選ぶことが重要です。
まとめ
Rerankという検索結果の再評価技術について、その基本的な仕組みから、活用メリット、RAGにおける役割、そして具体的な導入方法までを解説しました。Rerankは、検索精度向上、パーソナライズ体験の向上、多様性の確保、動的な環境への即応など、多岐にわたるメリットをもたらします。
既存の検索パイプラインに追加しやすい場合があり、適切に設計することで検索結果の関連性向上が期待できます。
しかし、より高度なRerankの活用や、特定のビジネスニーズに最適化するためには、専門的な知識や経験が必要となる場合もあります。
もし、Rerankの導入や活用に関してさらに詳細な知見が必要な場合は、AI専門家にご相談いただくことをお勧めします。

AI Market 運営、BizTech株式会社 代表取締役|2021年にサービス提供を開始したAI Marketのコンサルタントとしても、お客様に寄り添いながら、現場のお客様の課題ヒアリングや企業のご紹介を5年以上実施しています。これまでにLLM・RAGを始め、画像認識、データ分析等、1,000件を超える様々なAI導入相談に対応し、参加累計8,000人を超えるAIイベントを主催。AIシステム開発PM歴8年以上。AI Marketの記事では、AIに関する情報をわかりやすくお伝えしています。(JDLA GENERAL 資格保有)
▶ 監修者の実績・経歴を詳しく見る
AI Market 公式𝕏:@AIMarket_jp
Youtubeチャンネル:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
運営会社:BizTech株式会社
掲載記事に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-contents@biz-t.jp
