Cohere社が最小限のコンピューティングで最大性能を発揮する新AIモデル「Command A」を発表
最終更新日:2025年03月14日

Cohere社は2025年3月13日(現地時間)、企業向け高性能AIモデル「Command A」を発表した。
このモデルはGPT-4oやDeepSeek-V3と同等以上の性能を持ちながら、はるかに少ないコンピューティングリソースで動作し、エンタープライズタスクにおいて高速かつ安全な処理が可能となっている。
- GPT-4oやDeepSeek-V3と同等以上の性能を持ちながら、わずか2台のGPUで動作する効率性を実現
- トークン生成速度は競合モデルの最大2.4倍、256kの長文コンテキスト対応など企業向け機能を強化
- 世界人口の大部分をカバーする23言語に対応し、特にアラビア語方言処理において競合モデルを大幅に上回る性能
Command Aは、高い処理要求を持つ企業向けに最適化された最新の生成AIモデルだ。人間による評価では、ビジネス、STEM、コーディングタスクにおいて、より大きく遅いモデルと同等かそれ以上のパフォーマンスを発揮している。
特筆すべき点は、わずか2台のA100またはH100 GPUで動作可能な点だ。一般的な同等モデルが32台ものGPUを必要とするのに比べ、大幅なハードウェアコスト削減となる。
トークン生成速度においても、最大156トークン/秒という高速性を持ち、GPT-4oの1.75倍、DeepSeek-V3の2.4倍の速度を実現している。プライベートデプロイメントの場合、API利用に比べて最大50%のコスト削減が可能だとされる。
企業のニーズを念頭に設計されたCommand Aは、256kという長文コンテキスト対応(多くの主要モデルの2倍)により、長大な企業文書の処理が可能となっている。
また、Cohereの高度な検索拡張生成(RAG)機能は検証可能な引用を提供し、エージェントツールの利用、企業グレードのセキュリティ、そして多言語処理の強力なパフォーマンスを特徴としている。
特に多言語サポートについては、世界人口の大多数が話す23言語に対応し、ユーザーが要求した言語で一貫して回答する能力において競合モデルを上回っている。人間による評価では、ビジネスユースケースにおいて、多くの言語でDeepSeek-V3よりCommand Aが強く好まれる結果となった。
Command Aは、社内情報に基づく質問に正確な回答を安全に提供する。実際の利用例としては、オフィスの場所に基づく関連HR方針の調査、法規制のレビュー、長い財務報告書の分析などが挙げられる。
また、Cohereのセキュアなエージェントプラットフォーム「North」と統合することで、企業データと人材の潜在能力を最大限に引き出すことが可能となる。
Northは、CRMやERPソフトウェアなどの企業ツールを安全に活用し、社内データベースや外部ウェブ検索サービスに接続する。これにより、企業システムのセキュアなファイアウォールの背後で行動するエージェントの構築が可能となる。
AI Market の見解
最も注目すべき点は、高性能と低リソース要件の両立により、AIの導入障壁を大幅に下げた点と考えられる。
わずか2台のGPUでの運用が可能になることで、中小企業を含む幅広い組織がオンプレミスでの高性能AIの活用にアクセスできるようになると想定される。
今後、このような効率性と性能のバランスを追求するモデルが増加し、企業向けAI市場はよりコスト効率と実用性を重視する方向に進化すると考えられる。
参照元:cohere
Command Aに関するよくある質問まとめ
- Command Aはどのような環境で利用できますか?
Command Aは現在、Cohereプラットフォーム上で利用可能で、研究用途ではHugging Faceでも提供されている。また、主要クラウドプロバイダーでも近日中に提供開始予定だ。
プライベートまたはオンプレミスでのデプロイメントに興味がある場合は、Cohereのセールスチームに問い合わせることで詳細情報を得ることができる。
- Command Aの利用料金はいくらですか?
Cohere APIの料金体系によると、Command Aの入力トークンは100万トークンあたり2.50ドル、出力トークンは100万トークンあたり10.00ドルとなっている。
プライベートデプロイメントの場合は、API利用に比べて最大50%のコスト削減が可能とされている。

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