OpenAIがコスト効率の高い小型AIモデル「GPT-4o mini」を発表
最終更新日:2024年09月09日
OpenAIは、2024年7月18日(現地時間)、これまでで最もコスト効率の高い小型AIモデル「GPT-4o mini」を発表した。このモデルは、MMULで82%のスコアを達成し、LMSYSリーダーボードでのチャット選好度においてGPT-4を上回る性能を示す。
入力トークンあたり15セント、出力トークンあたり60セントという破格の価格設定で、従来のフロンティアモデルと比べて一桁安く、GPT-3.5 Turboと比べても60%以上安価だ。
<本ニュースの10秒要約>
- 従来モデルを大幅に上回るコスト効率と性能を両立した小型AIモデルを発表
- テキストと視覚情報の処理に対応し、将来的には音声や動画にも対応予定
- 安全性に配慮した設計で、幅広いアプリケーションでの利用が期待される
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GPT-4o miniの性能と特徴
GPT-4o miniは、テキストインテリジェンスとマルチモーダル推論の両面で、GPT-3.5 Turboや他の小型モデルを超える性能を示す。MMULで82.0%、MGSMで87.0%、HumanEvalで87.2%というスコアを達成し、数学的推論やコーディングタスクでも優れた能力を発揮する。
また、128Kトークンのコンテキストウィンドウと16Kトークンまでの出力をサポートし、2023年10月までの知識を持つ。さらに、GPT-4oと共有する改良されたトークナイザーにより、非英語テキストの処理がより効率的になった。
安全性への取り組み
OpenAIは、GPT-4o miniの開発において安全性を重視している。事前学習段階でヘイトスピーチや成人向けコンテンツなどをフィルタリングし、学習後には人間のフィードバックを用いた強化学習(RLHF)などの技術を用いて、モデルの動作をポリシーに合わせて調整している。
さらに、70名以上の外部専門家による評価を経て、潜在的なリスクの特定と対処を行った。また、新たに開発された「instruction hierarchy」メソッドを適用し、ジェイルブレイクやプロンプトインジェクションなどへの耐性を向上させている。
利用可能性と価格設定
GPT-4o miniは、Assistants API、Chat Completions API、Batch APIでテキストおよび視覚モデルとして利用可能だ。開発者は入力トークン100万件あたり15セント、出力トークン100万件あたり60セントを支払う。これは標準的な書籍約2500ページ分に相当する。
ChatGPTでは、無料ユーザー、Plusユーザー、Teamユーザーが即日利用可能で、Enterpriseユーザーは翌週から利用できる。また、近日中にGPT-4o miniのファインチューニングも提供される予定だ。
参照元:OpenAI
LLMについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考ください。また、ChatGPT-4oについてはこちらで詳しく解説しています。
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