ジャパンメディカルデバイス、心不全早期発見を実現するAIモデルをUT-Heart研究所と共同で開発研究
最終更新日:2023年05月21日
ジャパンメディカルデバイス株式会社は、2023年5月19日、心臓病を早期発見できるAI技術を開発すべく、株式会社UT-Heart研究所と共同研究契約を締結したと発表した。
この共同研究は、健康診断で得た心電図データに近い仮想心臓を抽出できるAI技術を開発し、様々な心臓病の早期検出を目指すというものだ。スーパーコンピュータによる心臓シミュレーションとAIを組み合わせ、心不全早期発見のPrecision Medicine(高精度医療)実現が図られる。
<本ニュースの10秒要約>
- 膨大な仮想の心疾患データベースから、被検査者に近い心電図を描く仮想心臓をAIで抽出
- 本物の心臓と仮想心臓の動きを比較することで、心不全リスクの精密診断や早期発見を実現
- 受診者に負担をかけることなく心臓病を早期発見、2025年4月にはサービスの本格展開へ
心臓シミュレータ活用サービスを手がけるジャパンメディカルデバイス
ジャパンメディカルデバイスは、分子レベルで心臓の動きが再現可能な心臓シミュレータ「UT-Heart」を活用したサービスの開発・提供を手がける企業だ。
「UT-Heart」は、CTや超音波画像を含む臨床データをインプットデータとし、理化学研究所のスーパーコンピュータの演算能力も活用することで、個人の心臓の動きを細部まで忠実に再現することを実現した。東京大学が行った開発は、20年以上の年数を要している。
この「UT-Heart」を活用してジャパンメディカルデバイスは、コンピュータシミュレーションサービスを新たな医療機器として展開。開発のため、計算機科学の一流技術者に加えてAI技術者も擁している。
通常の健康診断で心臓病を検出できるAI技術を開発
ジャパンメディカルデバイスが今回契約を締結した共同研究では、通常の健康診断で様々な心臓病を検出が可能なAI技術の開発を行う。
このAI技術は、スーパーコンピュータ「富岳」が心臓シミュレーション技術に基づいて構築した膨大な仮想の心疾患データベースの中から、検査を受けた各人に近い心電図を描く仮想心臓を抽出するというものだ。本物の心臓と仮想心臓の動きを比較することで、心不全リスクの精密診断や早期発見を可能にする。
この技術を用いると、健康診断で得た簡便な心電図検査データのみで、心不全の原因因子の異常を早期にキャッチすることが可能だ。「富岳」が構築した心疾患データベースには、既に約3万パターンの仮想心臓が蓄積されており、より広範なバリエーションをカバーできるよう倍増も予定されている。
心臓病の早期検出ニーズは今後ますます高まる
ジャパンメディカルデバイスが今回共同研究を行うUT-Heart研究所は、心臓シミュレータ「UT-Heart」の研究成果をさらに深化・活用するため設立された、東京大学発のベンチャー企業だ。民間高等研究所として、医学・計算科学の基礎研究から臨床研究/創薬/各種医療機器開発におけるシミュレーション研究まで、幅広く事業を展開している。
超高齢化が進む日本では今後、心臓病の早期検出ニーズは今後ますます高まることが予測される。こうした状況において、受診者に負担をかけることなく心臓病を早期発見できるAI技術は、高いポテンシャルを持つとジャパンメディカルデバイスは自負。2024年4月には試験運用を開始し、検証後の2025年4月にはサービスの本格展開を予定している。
参照元:PRTIMES
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