NECが知財DX事業を開始、独自AI活用のSaaS型ツールで特許業務を最大94%効率化
最終更新日:2026年01月22日

NECは2026年1月19日、独自AI技術を活用したSaaS型ツールとコンサルティングサービスによる知財DX事業を2026年4月から開始すると発表した。
日米欧1,250万件以上の特許データを基に、先行技術調査や明細書作成などの定型業務を自動化し、社内実証では業務時間を最大94%短縮した。
- NEC独自AIとRAG技術を組み込んだSaaS型ツールで、先行技術調査や明細書作成などの特許業務を自動化
- 日米欧約1,250万件の特許データを活用し、類似特許の自動抽出や高精度な文章生成を実現
- 社内実証で定型業務の時間を最大94%短縮、2030年度末までに売上30億円を目指す
NECは2026年4月から、知的財産業務のDXを推進する新事業を開始する。本事業では、NEC独自のAI技術を活用したSaaS型の業務効率化ツールとコンサルティングサービスを提供し、2030年度末までに売上30億円を目指す。
同社は43,000件の保有特許数を誇り、研究開発・新事業開発・知的財産部門が一体となって蓄積した知見と、クライアントゼロの考えに基づく社内DX推進の成果を融合させることで、本事業の実現に至った。今後は国内外の特許事務所とパートナー連携を進め、幅広い顧客に最適なツールとサービスを提供する計画だ。
本事業の中核となるSaaS型ツールには、NECが蓄積した知見と独自AIに加え、RAG技術を採用している。日米欧の約1,250万件以上の数値化された特許データを保有し、技術資料と簡単な指示を入力するだけで、類似特許や類似度を自動抽出する。
膨大な文献の中から関連情報を瞬時に検索・抽出し、高精度な文章を生成することが可能だ。具体的には、先行技術調査や特許性判定、発明提案書や明細書の作成など、従来手作業で行っていた定型業務の自動化を実現する。これにより、属人的だった業務プロセスが標準化され、誰でも安定的に高品質な業務成果を得られるようになる。
さらに、M&Aアドバイザリーの手法とNEC独自のアルゴリズムを組み込んだAI、RAG技術を活用することで、幅広い技術分野における市場規模や自社・他社の保有特許を多角的に可視化できる。この仕組みにより、将来の技術や知的財産に関する戦略立案、新事業創出といった上流工程での意思決定を支援する。
特許資産を客観的に評価・分析することで、知的財産業務全般の高度化と企業競争力の強化に貢献する仕組みだ。知的財産実務に精通したコンサルタントによる伴走支援も提供し、業務効率化ツールの確実な定着と、実効性の高い技術・知的財産の戦略立案を支援する。
社内実証では、従来の定型業務にかかる時間を最大で約94%短縮することに成功した。現在、精密機器メーカー、総合電機メーカー、消費財メーカー、素材メーカーとの実証実験を進めており、これらの取り組みを通じて業務効率化ツールとコンサルティングサービスの改善と拡充を図る。NECは2026年2月16日から27日まで、本社にて本事業に関する顧客向けセミナーの開催を予定している。
AI Marketの見解
NECの知財DX事業は、生成AIの業務適用における重要な示唆を含んでいる。汎用的な生成AIでは対応困難な専門領域において、RAG技術と独自アルゴリズムを組み合わせることで、高度な専門知識を要する業務の自動化を実現した点が技術的に注目される。
1,250万件という大規模な特許データベースと、技術・法律の両面での専門性を組み込んだAIモデルの構築は、ドメイン特化型AIの有効性を示す事例と想定される。
ビジネス面では、知的財産部門という明確なターゲット市場に対し、SaaS型ツールとコンサルティングを組み合わせたハイブリッドモデルを採用している点が特徴的だ。
最大94%の業務時間短縮という具体的な成果は、投資対効果の明確化につながり、導入企業の意思決定を後押しすると想定される。また、クライアントゼロの考えに基づく社内実践により、ツールの実用性と改善サイクルの確立が期待できる。
市場への影響として、知的財産業務のDX需要は今後拡大が見込まれ、本事業は他の専門領域におけるAI活用のモデルケースとなる可能性がある。特許事務所とのパートナー連携を進めることで、エコシステム形成による市場拡大も想定される。専門知識を持つ人材不足という課題に対し、AIによる業務標準化とスキル民主化を実現する本事業は、知的財産業界全体の生産性向上に寄与すると考えられる。
参照元:日本電気株式会社
知財DX事業に関するよくある質問まとめ
- NECの知財DX事業で提供されるSaaS型ツールの主な機能は何か?
日米欧約1,250万件の特許データを活用し、先行技術調査、特許性判定、発明提案書や明細書の作成などの定型業務を自動化する。技術資料と簡単な指示を入力するだけで、類似特許や類似度を自動抽出し、関連情報を瞬時に検索・抽出、高精度な文章を生成する機能を備えている。RAG技術とNEC独自のAIを組み込むことで、従来手作業で行っていた業務の効率化と標準化を実現する。
- NECの知財DX事業はいつから提供開始され、目標売上はどの程度か?
2026年4月からSaaS型の業務効率化ツールとコンサルティングサービスの提供を開始する。2030年度末までに売上30億円を目指している。現在、精密機器メーカー、総合電機メーカー、消費財メーカー、素材メーカーとの実証実験を進めており、社内実証では定型業務の時間を最大94%短縮することに成功している。

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