Claude2とは?ChatGPTとの違いは?使い方・特徴・料金体系・活用アイデア徹底解説
最終更新日:2024年11月14日
ChatGPT以外の生成AIやLLMをご存じでしょうか?現在、ChatGPT以外にもGoogle社やMeta社など様々な企業が生成AIを開発しており、その特徴ごとに使いこなすユースケースが一般的になってきました。基本的なチャットタイプ(対話型)のAIでもそれぞれの機能が異なることで、できること、できないことが大きく変わってきます。
生成AIの種類、代表的な製品をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
この記事では、その中でもChatGPTの機能に匹敵すると最近話題のClaude2について紹介していきます。
生成AIに興味がある方や、ChatGPTを使って仕事効率が良くなったと感じている方は、是非最後まで読んで、Claude2を試してみてください。
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目次
Claude2とは
「Claude」とは、ChatGPTを開発したOpenAIの元社員が設立したAIスタートアップ企業Anthropic社が開発したLLM(大規模言語モデル)の対話型AIです。Claudeは高性能なAIチャットボット(対話型AI)であり、既に有名なChatGPTのライバルとして位置づけられています。
自然言語処理を利用して、多言語文章の生成、分析、数学的計算、コーディングなどを行えます。ユーザーからは「ClaudeはChatGPTよりも会話的だと感じる」「回答の提示が詳細かつシンプルである」との評価を受けています。
Claudeは、2024年11月現在、最新バージョンである「Claude3」がリリースされており、Claude2の利用はできなくなっています。
Claude2の主な特徴
Claude2は以下のような特徴があります。
- 入出力できるプロンプトが長い
- ドキュメントのアップロードができる
- 出力された回答の安全性が高い(ハルシネーションが少ない)
- プロンプトや会話を学習に使用しない
- コーディングや数学のスキルが高い自己完結型の設計
- API接続に対応
- ウェブには接続できない
Claude2は最大20万トークン(200kトークン)を1つのプロンプトに入力できるようになっています。また、回答の安全性が高く、ユーザーとの会話を学習しないなど、情報漏洩や回答の面で安全性が高いのが特徴です。
さらに、Pythonのコーディングテストで71.2%、小学校レベルの数学問題集で88%のスコアを記録しており、コーディング・数学スキルが高いのも特徴です。Claude2は自己完結型になるように設計されており、基本的にはインターネットから検索するようにはなっていないという点は注意が必要です。
Claude2とChatGPTとの違い
生成AIとして最も有名と言えるChatGPTとClaude2はどのように違うのでしょうか?
ユーザーの定性的な評価では「Claudeの方がChatGPTよりも会話的だと感じる」「回答の提示が具体性に富み、かつ一貫している」との評価を受けています。
ただし、日本語の回答で一部英語や韓国語の単語が挿入される不具合も観察されています。これはChatGPTではほぼ観察されない不具合です。
ChatGPTの仕組み、強み、弱みをこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
リアルタイムWeb接続ができない
Claudeは基本的にリアルタイムWeb接続機能を持っていません。ChatGPT 4.0 Turboは、Bingを介してWebに接続する機能を備えており、ユーザーは最新のインターネットアクセスを利用できます。
この機能により、ChatGPTは2021年9月以前の公開データに限定されず、現代のあらゆるトピックに関する最新情報を提供できるようになりました。
APIが安く使用できる
Claude Proでは、API連携に対応するようになりました。既存のプロセスや製品、APIとClaudeを統合できるようになります。データベースの検索や、ウェブ検索APIを使用した質問への回答、プライベートAPIを介したソフトウェアでの簡単な操作などが可能となります。
Claude ProのAPIは、ChatGPTに比べて使用料が安いのが特徴です。Claude ProのAPIにかかる費用は、入力が100万トークンあたり8ドル、出力が100万トークンあたり24ドルです。
一方、GPT-4は入力が100万トークンあたり30ドル、出力が100万トークンあたり60ドルとClaude Proと比較すると高くなっています。最新版のGPT-4 TurboではAPIに関するコストが下がりましたが、入力が100万トークン当たり10ドル、出力が100万トークン当たり30ドルと、やはりClaude Proの方が安くなっています。
APIは便利である分、使用するトークンの量も多く、利用料が思ったよりも高かったということも多くあります。Claude Proであれば、今までよりもコストを下げてAPIを使用できるようになります。
入力できるトークン数が多い
Claude2の大きな特徴は、やはり入力できるトークン数が多いことです。Claude Proなら20万トークンが入力可能です。無料版のClaude2でも10万トークンは入力できます。
一方、ChatGPTは、GPT-4で約3万トークン、最新のGPT-4 Turboで大幅に増加されましたが、それでも約12万トークンとClaude Proの方が多くなっています。
本のページ数でいうと、GPT-4 Turboが約300ページ分に対して、Claude Proは約500ページ分です。Claude Proであれば、専門書や論文などの文章量が多いものでも問題なく読み込むことが可能です。
また、複雑に積み重なった複数ターンの会話でも、以前の対話の大量の情報を思い出し利用することが可能になり、スムーズで矛盾の少ないやりとりを実現しています。
ハルシネーションが少ない
Claude2.1は、自身の以前バージョン、また他のに比べて、事実と異なる回答、いわゆる「ハルシネーション」の発生率を大幅に低減させています。特に疑わしい回答を取り下げる能力が強化されており、複雑で事実関係を要求する質問に対して、不正確な情報を提供することなく、不確実性を認める傾向が高まっています。
これにより、法的文書や技術仕様書など、高い精度と信頼性が求められる長文ドキュメントの理解と要約能力が向上しています。生成AIの企業利用を阻む大きな要因である生成AIの「知ったかぶり」を抑えているのは大きなメリットです。
画像生成はできない
ChatGPTはDALL·E 3とのシームレスな接続を介して画像生成も可能であり、ユーザーはテキストの説明だけで新しい画像、ロゴ、コミックストリップ、フォトリアリスティックなシーンを作成できます。一方で、Claudeはいまのところ画像生成をサポートしていません。
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Claudeの料金体系
Claudeの料金体系は、基本無料の「Claude」と有料版の「Claude Pro」の2つがあります。
有料版のClaude Proの特徴は以下の通りです。
- 利用料は月額18ドル
- 最新モデルを使用可能
- 利用が多い時間帯での優先的なアクセス
- 新機能の早期アクセス
有料版の「Claude Pro」の最大の特徴は、最新モデルであるClaude2.1を利用することができることです。Claude2.1では以下のように変わります。
- 無料版の約5倍の使用量
- 送信できる情報量が20万トークンに倍増
- 回答の信頼性が向上
- API経由で利用できる
Claude2.1は、使用量が無料版の約5倍となり、会話が比較的短い場合で、8 時間ごとに少なくとも 100 件のメッセージを送信することができるとされています。
また、20万トークンの情報を送信することができ、約150,000語、500ページ以上の資料の処理が可能となり、長編小説や分厚い研究論文などの要約・翻訳などが行えます。無料版に比べて文書の理解と要約において大幅な改善がされ、回答の信頼性も向上しています。
さらに、API連携も可能となり、業務の幅が広がります。生成AI開発の完全マネージド型サービスAmazon Bedrockで利用できるモデルにも採用されています。
Claudeの使い方
Claudeを使うためには以下のような方法があります。
- Claude公式サイトから利用する
- Slack等のサービスでClaudeを利用する
Claude公式サイトから利用する
Claudeを公式サイトから利用する方法は以下のような手順です。
1.Claude公式サイトにアクセス
Claude公式サイトにアクセスします。
2.登録
メールアドレスもしくはGoogleアカウントで登録をします。
3.個人情報の登録
名前を入力し、利用規約に同意します。
4.電話番号認証
電話番号を入力して認証します。認証されれば登録が完了し、Claudeが利用可能となります。
5. チャットルームで利用する
登録後は、ホーム画面の「Start a new chat」をクリックすると、新しいチャットルームが開きます。
Slack等のサービスでClaudeを利用する
Claudeは公式サイト以外のSlack等のサービス上で利用することもできます。ただし、Enterprise Gridワークスペース内で作業しているユーザーのみ利用できる仕様です。
ClaudeをSlackに追加することで会話全体を要約したり、提供したURLの内容を要約したりしてくれます。ここではSlackで利用する方法を例に上げて説明します。
1.Slackの公式サイトにアクセス
Slackの公式サイトにアクセスします。
2.登録
メールアドレスを入力し、メールに届いた認証コードを入力して、パスワードやユーザー名などを入力しアカウントを登録します。
3.SlackのワークスペースにClaudeを追加する
アカウント作成後、SlackのワークスペースにClaudeを追加します。
Claudeの公式サイトにアクセスし「Add to Slack」をクリックします。Claudeを追加したいワークスペースを選択し、「Allow」ボタンをクリックして、Claudeに権限を設定します。
4. Slack上でClaudeを呼び出して会話する
Claudeがワークスペースに追加されることで、Slack上でClaudeを利用することができるようになります。Slackの左側のメニューから「Apps」を選択し、「Claude」をクリックすることで、Slack上でClaudeと会話が可能となります。
何ができる?Claudeの強みを生かした活用方法
Claudeの強みを生かした活用方法として考えられるのは以下の通りです。
- 長文を要約した資料作成
- 財務情報や事業報告書から戦略を策定
- 専門書・技術文書の読み解き
- プログラムコードの作成
長文を要約した資料作成
Claude2は無料版でも100,000トークン、有料版のClaude Proでは200,000トークンの送信を行うことができます。Claude2.0ではやりとりする情報量が多い場合でも、要約して議事録や資料作成といったことが簡単に行えます。
社内での会議メモや取引先からもらった資料などの情報量が多いということもあるかと思います。Claude Proでは、文章の理解、要約の精度も高く信頼性のある資料づくりができるでしょう。
財務情報や事業報告書から戦略を策定
Claude2は無料でドキュメントファイルをアップロードすることができ、財務諸表や事業報告書などをアップして読み解くことができます。要点をまとめて内容を読み解くだけでなく、その情報をもとに、生成AIの得意とする提案を行うことが可能です。
大量のビジネスデータや市場調査を分析し、具体的な戦略やアクションプランを立案できます。ビジネスの意思決定プロセスを高速化し、より精度の高い戦略立案が可能になります。
Claude2は、プロンプトや会話を学習に使用しないため、送信した情報から情報が漏洩するという可能性も低く、安心して利用できます。
専門書・技術文書の読み解き
専門的な文書や、技術に関する論文・仕様書などを読んで理解するには膨大な時間と手間がかかります。こういった文書は、英文で記述してある場合も多く、翻訳をするとなるとさらに時間が係る場合もあります。
Claudeは、長文や複数の文書を同時にアップロードしてもすぐに要約・翻訳が可能です。情報収集や知識習得の時間を大幅に短縮し、効率的な知識管理が可能になります。
また、資料の中から知りたい情報だけを質問して回答をしてもらうという使い方もできるので、作業効率が大幅に向上するでしょう。
プログラムコードの作成
Claude2はPythonのコーディングテストで71.2%を記録するなど、コーディングスキルの高さに裏付けがあります。エンジニアは、一からプログラムコードを入力することやエラーチェックといった作業を大幅に短縮できるようになります。
また、非エンジニアでも、どういったコードを書いてほしいかという指定ができれば、プログラムコードの下書きができ、実際に動作を確認しながら、チャットで微調整や修正を行っていくといった使用方法も考えられます。
チャット中のコードやプロンプトの漏洩の可能性も低いため安心して利用できます。
音声対話と多言語サポート: ChatGPTは音声チャットが可能で、200以上の言語をサポートしています。これに対し、Claude2は限られた言語範囲をサポートしており、ChatGPTの方が国際的なユーザーや音声対話が必要なアプリケーションにとって非常に柔軟です。
Claude2についてよくある質問まとめ
- Claude2とは?
Anthropic社が開発したLLM(大規模言語モデル)の対話型AIです。Claudeは高性能なAIチャットボット(対話型AI)であり、既に有名なChatGPTのライバルとして位置づけられています。自然言語処理を利用して、多言語文章の生成、分析、数学的計算、コーディングなどを行えます。現在、最新バージョンである「Claude2」がリリースされています。
- Claude2とChatGPTとの違いは?
ユーザーの定性的な評価では「Claudeの方がChatGPTよりも会話的だと感じる」「回答の提示が具体性に富み、かつ一貫している」との評価を受けています。
ただし、日本語の回答で一部英語や韓国語の単語が挿入される不具合も観察されています。これはChatGPTではほぼ観察されない不具合です。
他にも以下のような違いがあります。
- トレーニングデータが新しい
- APIが安く使用できる
- 入力できるトークン数が多い
- ハルシネーションが少ない
まとめ
Claude2は、入力できるトークン数が圧倒的に多いことや、比較的に安全性が高い、コーディングや知能が高いといった特徴があります。さらに、Claude Proになれば、トークン数や安全性が上がり、APIのコストを下げることも可能です。
生成AIの代表であるChatGPTは、最新版のGPT-4 Turboの性能が高いですが、Claude2も比較的安いコストで高機能であることは間違いありません。ユーザーによってはClaude2の方が良いという声も出ているようです。
生成AIはChatGPTしか触れたことがないという方もClaude2を試してみてはいかがでしょうか?
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