Claude 3.7 Sonnetとは?使い方・料金・性能を検証レビュー!
最終更新日:2025年03月03日

2025年2月25日(現地時間)に公開されたClaude 3.7 Sonnetは、Anthropic社が開発するLLMであるClaudeシリーズの最新モデルで、迅速な応答と深い推論の両方を可能にする「ハイブリッド推論モデル」です。
本記事では、Claude 3.7 Sonnetの性能や使い方を解説し、実際に使用してみた結果に基づきレビューします。
目次
Claude 3.7 Sonnetとは?
Claude 3.7 Sonnetは、迅速な応答と深い推論を組み合わせたハイブリッド推論というアプローチを採用したモデルです。迅速に応答する「標準モード」と段階的で詳細な推論を行う「拡張思考モード」の2つのモードを持ち、ユーザーのニーズに応じて使い分けることができます。
従来のClaude 3シリーズの改良版として、応答速度の向上、論理的推論能力の強化、コード理解の向上などが特徴とされており、コーディングとフロントエンドWeb開発において強みを持っているとされています。
Claude 3.7 Sonnetの料金
2025年2月時点で、Claude 3.7 Sonnetは無料プランを含むすべてのプランで利用可能ですが、拡張思考モードは有料プラン(Pro、Team、Enterprise)でのみ利用できます。
プラン名 | Free | Pro | Team | Enterprise |
---|---|---|---|---|
料金 | 無料 | 月額18ドル | 月額25ドル | カスタム価格(企業向け) |
なお、詳しい利用制限は不明ですが、有料プランの方が利用制限を大幅に引き上げられているので、無料プランで利用制限が来てしまった場合は有料プランを検討しましょう。
また、API料金は、入力トークン100万あたり3ドル、出力トークン100万あたり15ドルで、拡張思考モードの使用時も同一の料金体系が適用されます。
Claude 3.7 Sonnetの使い方
Claude 3.7 Sonnetは、ClaudeのウェブサイトやAPI経由(Amazon Bedrock、Google CloudのVertex AIなど)等、さまざまなプラットフォームで利用できます。
Claudeのウェブサイトで利用する場合は、まずサイトにアクセスしログインを行います。
次に、テキストボックス左下から、モデルの変更を行い、Claude 3.7 Sonnetに変更します。拡張思考モードは、有料プランに加入した上で、Extendedを選択することで利用することができます。
あとは、テキストボックスに質問や指示を入力すると回答を生成してくれます。
また、開発者向けに「Claude Code」というツールも提供されており、ターミナルから自然言語でコードの検索や編集、テストの実行などが可能です。詳しい利用方法は以下の公式サイトをご参照ください。
Anthropic公式:Claude Code概要
Claude 3.7 Sonnetの機能・性能
以下では、Claude 3.7 Sonnetの機能や性能について詳しく解説します。
拡張思考モード
拡張思考モードは、Claude 3.7 Sonnetに搭載された新しい推論機能で、複雑な問題を解く際に、段階的な思考プロセスを可視化するモードです。科学的な問題やコーディングをはじめとし、様々なタスクにおいて標準モードよりパフォーマンスが向上します。
通常のAIモデルは、質問に対して即座に回答を生成しますが、拡張思考モードでは以下のような手順を踏みます。
- 思考プロセスをテキストで記述
問題を整理し、必要なステップの洗い出す。さらに計算や論理展開を行う。 - 最終的な回答を提供
可視化された思考の流れを基に、明確な結論を提示する。
このように、「考えながら答えを出す」プロセスを明示することで、透明性がありユーザが納得しやすいだけでなく、推論の修正も容易になります。なお、思考過程は日本語プロンプトの場合でも英語で出力されることがあるようです。
しかし、以下のような問題点も指摘されています。
Claude 3.5 SonnetやOpenAI o1などとの比較
Claude 3.7 Sonnetは、AIベンチマークであるSWE-bench VerifiedおよびTAU-benchにおいて、従来のモデルやOpenAI o1やo3-miniなどを上回る性能を示しました。
特に、ソフトウェアエンジニアリングタスクの精度を測るSWE-bench Verifiedでは、標準モードで62.3%、カスタムスキャフォールディング(再試行やパッチ適用などの追加の検証プロセス)を適用した場合には70.3%という高い正答率を記録しており、これはClaude 3.5 Sonnetや他社のモデルを大きく上回る結果となっています。
また、エージェントの実世界タスク処理能力を評価するTAU-benchにおいても、Claude 3.7 Sonnetは、小売関連タスクで81.2%、航空関連タスクで58.4%のスコアを達成し、他のモデルと比較して高い精度であることが確認されました。
その他のベンチマークにおいても、優れた成績が報告されています。
Claude 3.7 Sonnetを実際に使用した結果
Claude 3.7 Sonnetのコーディングの能力は非常に高く、10分程度でもかなりのものを作ることができました。
一度ではうまくいかないことも多いですが、修正点を指示し修正を繰り返すと、だんだんと作りたいものに近づいていきます。また、うまくいかないことが続くと、勝手に方針転換し意図と違うものを生成しだすことが多かったので、根気よく作りたいものを言語化し修正を続けることが重要になります。
以下ではClaude 3.7 Sonnetを実際に使用し、ゲームやウェブサイトなどを作ってみた結果をまとめています。必要に応じてPythonやJavascriptのライブラリを使用しながら、様々なタスクをただ体裁が整っているという感じではなく、高いクオリティでこなしてくれます。
生成AIについてのウェブサイト
「生成AIについてまとめたウェブサイトを作ってください」という指示を与えたところ、生成AIの「概要」「種類」「仕組み」など多岐にわたる内容をまとめたサイトを作ってくれました。
加えて、種類ごとにページを新たに作り、それぞれを移動できるようにするように指示し、幾度か修正を繰り返すと以下の動画のようなかなりの内容が充実したサイトを作ってくれました。
さらに、作ったものは以下の動画のような手順で公開することもできます。
障害物をよけるレーシングゲーム
「レースゲームを作ってください」という指示を与えると、はじめはうまく操作ができないなどの問題がありましたが、問題点を文章で伝えることで以下の動画のようなゲームを作ることができました。
障害物をよけるという要素はプロンプトに含まれていなかったのですが、Claude 3.7 Sonnetが能動的に追加したゲーム性です。
手を検出するコード
「手の骨格をトラッキングするコードを書いてください」という指示を与え、画像認識ができるかを試してみました。
ここまでの内容は全て、Claude内で実行まで行いプレビューしていたものでしたが、カメラの使用などで問題があり、今回はGoogle Colabを使用し実行しました。
実行環境がGoogle Colabであることを伝え修正を繰り返すと、以下の画像のようにCaptureした画像に写る手を認識してくれるコードを生成してくれました。
元々は、カメラに映る手をリアルタイムでトラッキングするコードを作ろうとしていたのですが、Claude 3.7 Sonnetに方針転換をされてしまいました。やり取りを繰り替えすことで修正することも可能です。
AI Marketの3Dロゴ
Claude 3.7 Sonnetはマルチモーダルに対応しているので、AI Marketのロゴ画像を添付し、「添付画像を3D空間上の立体物として描画してください」という指示を与えてみました。
何度か修正を繰り返したところ以下の動画のように3Dのロゴを作ることができました。
まとめ
Claude 3.7 Sonnetは、特にコーディングやWeb開発の分野で強みを発揮し、開発者の作業効率を大幅に向上させることが期待されています。
実際に使用してみた結果、ノーコードかつ短時間でウェブサイトやゲームを始めとして様々なものを作ることができました。
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Claude 3.7 Sonnetについてよくある質問まとめ
- Claude 3.7 Sonnetは従来のモデルと比べて何が優れていますか?
Claude 3.7 Sonnetは、前バージョン(Claude 3.5 Sonnet)と比較して、推論能力、数学・物理・プログラミングの処理性能が大幅に向上しています。
また、迅速な返答を行う「標準モード」と多段階で深い推論を行う「拡張思考モード」の2種類のモードを搭載し、ユーザーの用途に応じた柔軟な応答が可能になっています。
- 拡張思考モードとは何ですか?
拡張思考モードは、Claude 3.7 Sonnetの新機能で、応答の前に推論を行い、より正確で論理的な回答を提供します。推論の過程は開示されるため、回答に透明性があります。
数学・物理・プログラミングなどの複雑な問題に特に効果的ですが、標準モードと比べて応答時間はやや長くなります。
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