ABEMAが国内初の映像コンテクスト広告に挑戦。人気恋愛番組で開始、番組の文脈に合わせた次世代広告で視聴者体験を向上

2024年11月27日、動画配信サービス「ABEMA」は、GumGumと共同で国内OTT初となる「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」の実証実験を開始した。

この新広告手法は、番組内の特定シーンや場所に関連する広告を映像枠内に表示するもので、人気番組『花束とオオカミちゃんには騙されない』で実施される。総合旅行サイト「エクスペディア」が広告主として参加し、番組内の旅行関連シーンに広告を配信する。

＜本ニュースの10秒要約＞

• 国内OTT初となる番組文脈に合わせた広告配信技術の実証実験開始による広告体験の刷新
• 視聴を中断せず自然にブランドメッセージを伝達する新しい広告手法による視聴者体験の向上
• 広告効果の検証からプログラマティック配信まで、次世代広告技術の確立に向けた取り組みの本格化

コンテクスチュアル広告の技術と特徴

コンテクスチュアル広告は、従来ウェブページのキーワードや画像を解析し、コンテンツの文脈に合った広告を配信する手法として知られている。

今回ABEMAが導入する「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」は、この技術を映像コンテンツに応用したもので、番組内の関連シーンに広告を表示する。

広告主は商品やメッセージと関連性の高い場面でブランドストーリーを伝えることができ、視聴者は視聴を中断されることなく自然に広告メッセージを受け取ることができる。

実証実験の概要と目的

実験は2024年11月18日から12月1日までの期間、『花束とオオカミちゃんには騙されない』の見逃し配信と一挙放送で実施される。

広告主の「エクスペディア」は、番組内の旅行関連シーンで広告を展開する。実験では視聴者に対するブランドサーベイによる意識変容やCM視聴との相乗効果を検証し、広告効果を可視化する計画だ。

将来的な展開と技術確立への取り組み

ABEMAは今回の実験を通じて、関連性の高いシーンに対するプログラマティックな広告配信や、視聴者の属性・視聴環境に応じたオーバーレイ広告の出し分けといった技術確立を目指している。

これにより、広告商品としての本格展開に向けた検証を進め、新たな広告手法の可能性を追求していく。

AI Market の見解

ABEMAのコンテクスチュアルオーバーレイ広告は、動画広告市場に新たな可能性をもたらす取り組みだ。特に、視聴体験を妨げない広告提供は、広告ブロック機能の普及や広告忌避傾向が強まる中で重要な意味を持つ。

また、AIによるシーン解析と広告配信の自動化は、動画プラットフォームの収益モデルを変革する可能性を秘めている。今後は、プライバシー保護との両立や、広告効果の測定手法の確立が課題となるだろう。

参照元：PR TIMES