東大発のAIスタートアップ燈、BIMデータを利活用するDX推進プロジェクトを東洋建設と開始
最終更新日:2022年08月22日
燈株式会社と東洋建設株式会社は、2022年8月19日、BIMデータの利活用についてのDX推進プロジェクトを開始すると発表した。
燈は東京大学/松尾研究室発のAIスタートアップであり、東洋建設は大手建設会社。今回開始されたプロジェクトでは、燈が保有するBIM分析エンジンなどを用いてBIM内に散りばめられた様々な情報を抽出し、東洋建設における設計・施工などでの活用が目指される。
<本ニュースの10秒要約>
- 東大発のAIスタートアップと大手建設会社が、BIMデータを設計・施工などで活用
- 建物の3Dデジタルモデルを用いるBIMで、建設情報の利活用やオペレーションの効率化を実現
- BIMデータをAI分析し、課題の可視化や埋もれていた価値の発見、また新たな価値の創造も推進
建設業界のDX推進では「一丁目一番地」となるBIM活用
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)は、コンピューター上に作成した3Dの建物のデジタルモデルを活用して建設業務を効率化するソリューション。コスト/仕上げ/管理情報といった属性データを追加した建築物のデータベースを構築でき、設計・施工から維持管理に至る建築ライフサイクルの全てで活用が可能となっている。
建設業務におけるBIMのメリットは大きく、建設業界のDX推進においてはBIM活用こそが「一丁目一番地」として語られることも多い。しかし、実際の活用においてBIMは様々な課題も持つ。BIMモデルは、3Dの形状情報/部材情報/性能といった情報を自由に詰め込むことができる一方で、個別の建設プロジェクトに情報を閉じてしまうケースも生じやすい。また実際のオペレーションにおいては、3DよりもBIダッシュボードなどの形の方が情報を扱いやすい場面も存在する。
建設業界のDX推進にも取り組んできた燈、BIM活用を既に進めてきた東洋建設
建設業界においてもDX推進プロジェクトや建設業向け請求書処理DXシステムの開発に取り組んできた燈は、BIM活用をめぐるこうした課題の解消を企図。BIM分析エンジンなどの研究開発・社会実装を通じて、建設企業における全社的な建設情報の利活用やオペレーションの効率化を実現すべく、東洋建設とのプロジェクト開始に至った。
DX推進プロジェクトが行われる東洋建設では、既にDX推進に向けた「BIM-DPX(BIM–Digital Process Transformation)」という取り組みが行われていた。この「BIM-DPX」は、BIM活用を通じてデジタルプロセスを浸透させ、建設業をあらゆる面でより良い方向に変化させようというスローガンであり、同社は「BIM-DPXで設計施工プロセスをフルモデルチェンジする!」という目標も掲げている。今回のDX推進プロジェクトも、同社のこうした取り組みの一貫として行われるものだ。
BIMデータをAI分析し、課題の解決や新たな価値の創造を図る
開始されるDX推進プロジェクトでは、設計施工プロセスにおいてAIアルゴリズムによる分析が活用され、通常では可視化が不可能な領域での課題解決へのチャレンジが行われる。BIMデータやCDEに記述された情報をAI分析することにより、課題の可視化や埋もれていた価値の発見、また新たな価値の創造も図るとしている。
今回のプロジェクトを通じて燈は、生産性向上や「匠の技」の継承が喫緊の課題となっている建設業界において、現場レベルまで踏み込む形でテクノロジー活用を進め、課題の解決を目指すとしている。
参照元:PRTIMES
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