OpenAI、ChatGPTにグループチャット機能を試験導入、複数人とAIが同一会話で協働可能に
最終更新日:2025年11月17日

OpenAIは2025年11月13日、ChatGPTで複数人とAIが同じ会話空間で協働できるグループチャット機能の試験導入を開始したと発表した。
日本、ニュージーランド、韓国、台湾の4地域で、無料プランを含む全プランのログインユーザーを対象にモバイルおよびWeb版で展開され、旅行計画や共同作業、意思決定などでの活用が想定されている。
- ChatGPTに最大20人まで招待可能なグループチャット機能を試験導入、日本など4地域で展開
- GPT-5.1 Autoが各ユーザーのプランに応じて最適なモデルを自動選択し応答を生成
- 個人のメモリ機能は共有されず、18歳未満の参加時は全員に対して自動的にコンテンツ制限を適用
OpenAIが導入したグループチャット機能は、友人、家族、同僚などをChatGPTとの会話に招待し、共同で計画立案や意思決定、アイデア出しを行える仕組みだ。
ユーザーは画面右上のアイコンから新規または既存のチャットにメンバーを追加でき、リンク共有により1人から20人まで招待できる。
既存のチャットにメンバーを追加する場合、元の会話はそのまま保持され、コピーが新しいグループチャットとして作成される。初回利用時には名前、ユーザー名、写真を含むプロフィール設定が求められ、サイドバーに専用セクションが設けられる。
応答システムにはGPT-5.1 Autoが採用されており、プロンプトの内容と各ユーザーが契約するプラン(Free、Go、Plus、Pro)に基づいて最適なモデルが自動選択される仕組みだ。

検索、画像・ファイルアップロード、画像生成、音声入力といった機能が利用可能で、レート制限はChatGPTが応答する際にのみ適用され、ユーザー間のメッセージには適用されない。
また、ChatGPTは会話の文脈を読み取り、応答すべきタイミングと静観すべきタイミングを判断する機能を備えており、「ChatGPT」とメンション指定することで確実に応答を得られる。絵文字でのリアクション機能や、メンバーのプロフィール写真を参照した画像生成にも対応している。
グループチャットは、週末旅行の計画において目的地の比較、旅程作成、持ち物リスト作成などを全員で進める用途に適している。庭のデザインや新居のアート選びなどの実践的プロジェクトでは、パートナーやルームメイトとデザインアイデアや好みのスタイルを共同で検討できる。
また、全員の好みに合うレストラン探しや、友人間の議論に対する中立的な判断役としての利用も想定される。職場や学校での利用では、アウトライン作成や共同リサーチが可能で、記事、メモ、質問を共有しながらChatGPTに情報の要約や整理を依頼できる。
グループ設定では、参加者アイコンからグループ名の設定、メンバーの追加・削除、通知のミュートが可能で、各グループチャット専用のカスタム指示を設定し、文脈共有や応答のトーン・性格を調整できる。
グループチャットは個人の会話とは完全に分離されており、個人のChatGPTメモリ機能はグループチャットでは使用されず、グループチャットから新たなメモリも作成されない。
OpenAIは今後、グループチャットでのメモリ使用に関してより詳細な制御オプションの提供を検討している。参加にはユーザーの承認が必要で、誰がチャットに参加しているかは全員が確認でき、いつでも退出できる。
グループメンバーは他の参加者を削除できるが、作成者は自ら退出する以外の方法で削除されることはない。18歳未満のユーザーがグループチャットを利用する場合、ChatGPTは自動的にチャット内の全員に対してセンシティブなコンテンツへの露出を軽減し、保護者は保護者向けコントロール機能でグループチャット機能を完全に無効化できる。
AI Market の見解
ChatGPTのグループチャット機能は、AIアシスタントの利用形態を個人利用から協働利用へと拡張する重要な取り組みだ。技術的には、GPT-5.1 Autoによる動的なモデル選択機能が注目される。
各ユーザーの契約プランに応じて最適なモデルを自動選択する仕組みは、コスト効率と応答品質のバランスを保ちながら、異なるプラン契約者間での協働を可能にする設計と想定される。
ビジネス的観点では、本機能は企業や教育機関での採用拡大につながる可能性がある。従来は個人ワークフローに限定されていたChatGPTの用途が、チーム作業やプロジェクト管理領域に広がることで、組織単位での契約需要が高まると想定される。
特に、カスタム指示をグループごとに設定できる機能は、部署やプロジェクトごとに異なる文脈や専門用語への対応を可能にし、業務効率化に貢献すると考えられる。
プライバシー面では、個人メモリの分離とグループチャットからのメモリ非生成という設計が、ユーザーの懸念に対応している。しかし、グループ内での情報共有範囲の管理や、企業利用時のデータガバナンス要件への対応が今後の課題となる可能性がある。
また、18歳未満ユーザーへの自動的なコンテンツ制限は、安全性重視の姿勢を示すものの、教育現場での柔軟な活用を制限する側面も持つ。
市場への影響としては、GoogleのGeminiやMicrosoftのCopilotなど競合サービスとの差別化要素となり得る。共同作業機能の実装は、単なるQ&A型アシスタントから、チームワークを支援するプラットフォームへの進化を示しており、AI市場における新たな競争軸を生み出すと想定される。
参照元:OpenAI
ChatGPTのグループチャット機能に関するよくある質問まとめ
- グループチャットで個人のChatGPTメモリは共有されますか?
共有されない。グループチャットは個人の会話とは完全に分離されており、個人のChatGPTメモリ機能はグループチャット内では使用されず、グループチャットから新たなメモリも作成されない仕組みだ。OpenAIは今後、ユーザーがグループチャットでのメモリ使用方法を選択できる、より詳細な制御オプションの提供を検討している。
- グループチャットの利用料金はどのようになっていますか?
グループチャット機能自体に追加料金は発生しない。
ChatGPT Free、Go、Plus、Proの各プラン契約者が利用可能で、応答時のレート制限は各ユーザーの契約プランに基づいて適用される。ChatGPTが応答する際のレート制限は、応答を受けるユーザーのプランの制限がカウントされ、ユーザー間のメッセージ交換にはレート制限は適用されない。

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