鉄スクラップ自動解析AIのEVERSTEEL、トピー工業の豊橋製造所で検収AIシステムの実証実験を開始
最終更新日:2023年04月14日
株式会社EVERSTEELは、2023年4月12日、鉄スクラップ自動解析AIシステムの実証実験をトピー工業株式会社の豊橋製造所にて開始した。
EVERSTEELは、画像認識AIで鉄スクラップを自動解析するシステムを開発している企業だ。今回の実験は、鉄スクラップの等級判定や不適合品検出を担う検収AIシステムについて実証が行われ、目視査定による結果のばらつきや人財不足といった課題の解決が図られる。
<本ニュースの10秒要約>
- 画像認識AIを用いた鉄スクラップ自動解析システムを開発する、東大発スタートアップ・EVERSTEEL
- 鉄スクラップ検収作業の効率化やばらつきの低減を、画像解析アルゴリズム技術を用いる形で推進
- CO2排出にも向けて実用性の高いシステム開発を進め、長期スパンで製鋼プロセス全体の改善に貢献
熟練の検収員が目視で判別する必要があった鉄スクラップ
EVERSTEELは、東京大学発のスタートアップとして、鉄スクラップ自動解析AIシステムの開発に取り組んでいる。
鉄スクラップは、建造物に使用される鉄パイプ/ドラム缶に始まり、ガスボンベ/冷蔵庫といったな電化製品に至るまで、多種多様な部材が混在している場合が大半だ。そのため品質や異物を判別することが難しい。鉄スクラップのリサイクルは特に難度が高く、熟練の検収員が目視で品質や異物を判別する必要がある。
しかし、鉄スクラップをリサイクルして製鋼する電炉法は近年、CO2の排出量を抑制できる点で大きな期待と注目を集めている。こうした期待に応えるべくEVERSTEELは、鉄スクラップの検収作業の効率化やばらつきの低減を、画像解析アルゴリズム技術を用いる形で推進。鉄スクラップの解析結果を用いた製鋼プロセスの支援も目指している。
鉄スクラップの等級やダスト量の解析、不適合品の検出をAIが担う
今回の実証実験が行われるトピー工業は、「鉄をつくり、鉄をこなす」という理念を掲げて製鋼事業を手がける企業だ。持続可能な循環型社会の実現を理念としており、製鋼の効率化を目指す中でEVERSTEELの鉄スクラップ自動解析AIシステムに注目。画像解析技術の開発について協議し、幾度の検討を経て今回の実験開始に至っている。
この実験においてEVERSTEELの鉄スクラップ自動解析AIシステムは、鉄スクラップの等級やダスト量の解析、不適合品の検出を行っている。検出は、検収プロセスにおいて撮影された鉄スクラップの画像を分析する形で行われ、2023年4月時点では熟練工の検収員と同等レベルの判定精度を誇る。
製鋼プロセス全体の改善につながる取り組みを続ける
EVERSTEELとトピー工業は今回の実証実験において、検収員の目視による鉄スクラップ品質の査定結果のばらつきや、人財不足といった課題の解決を図る。また今後は鉄スクラップの解析結果の活用も進め、検収プロセス後に実施する鉄スクラップの電気炉への装入や、溶解などを含めた製鋼プロセス全体の最適化に向けても、開発を進める予定だ。
脱炭素社会の実現に際しては、日本国内の11.5%を占める鉄鋼業界におけるCO2排出量抑制への取り組みが欠かせないと言われている。こうした状況において両社は、相互の培ってきた技術を結集して実用性の高い自動解析AIシステムの開発を進め、長期スパンで製鋼プロセス全体の改善につながる取り組みを続けるとしている。
参照元:PRTIMES
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