フライウィール、TSUTAYAの書店事業に提供しているAI需要管理サービス「Conata Demand Planner」の機能を拡張
最終更新日:2023年02月10日
株式会社フライウィールは、2022年9月12日、同社がTSUTAYAの書店事業に提供しているAI需要管理サービス「Conata Demand Planner」について、需要予測機能を拡張すると発表した。
「Conata Demand Planner」は、AIとデータを活用して個店の最適な品揃えと在庫適正化を支援するサービスだ。TSUTAYAにおいて同サービスは自動発注システムと連携する形で導入されており、今回の機能拡張では需要予測の範囲が各店舗の全在庫にまで拡大される。
<本ニュースの10秒要約>
- AIとデータを活用して個店の最適な品揃えと在庫適正化を支援する「Conata Demand Planner」
- 適正な発注数や最適な品揃え在庫を算出、属人化された発注・在庫管理業務も効率化
- 店舗の全在庫についてもAI需要予測を拡張、スーパーマーケットなどの小売業へ展開も企図
AIとデータを活用して在庫適正化を支援する「Conata Demand Planner」
小売店は立地などによって店舗ごとに客層が異なり、チェーン店であっても適正な品揃えや在庫数に違いが生じる。全体最適を担う本部では、こうした店舗ごとの発注に対する小まめな対応が難しい。現状と指定は、担当者が経験・ノウハウに基づき発注を行う場合が多く、業務の属人化や余剰在庫の発生といった課題を生んでいた。
フライウィールの「Conata Demand Planner」は、こうした課題をAIとデータを活用して解消を図るサービスとなる。同サービスでは、同社の独自技術(オントロジー技術など)を通じてデータから人・商品・店舗の関係性を導き出し、個店ごとの需要予測と品揃え最適化に応用。時系列解析の精度を超えた予測精度と、最適な品揃え提案を同時に実現した。
「Conata Demand Planner」を連携させたAI自動発注システムでは、それぞれの店舗において商品別に将来の需要を予測して必要な発注をすることが可能となる。これまで人手で行っていた多くの業務についても自動化できるため、属人化された発注・在庫管理業務の効率化も図ることができる。
返品率改善のため導入された「Conata Demand Planner」
TSUTAYAの書店事業において「Conata Demand Planner」は、チェーン全体で約35%に達していたという返品率を改善すべく導入された。同サービスを連携させた自動発注システムでは、TSUTAYA約800店舗が保有するPOSデータと会員データ、また書誌タイトルのデータなどを組み合わせて店舗ごとのシミュレーションを実施。適正な発注数や最適な品揃え在庫を算出し、店舗における発注システムへリアルタイムに連携する。
「Conata Demand Planner」の活用によりTSUTAYAでは、発注内容と販売実績を評価する実売率が20%ほど改善された。予測精度を示すMAE(予測値と正解値の差)も約30%以上改善され、返品率の引き下げが大きく期待できる結果を生み出している。品揃えの最適化についても、人間が選定していた商品よりも実売率を大きく改善した。
売り場規模に応じた在庫の品揃えの最適化を実現
「Conata Demand Planner」において今回新たに拡張される機能は、店舗における全ての在庫についてもAIによる需要予測を行うというものだ。店舗それぞれの売り場規模に応じた在庫の品揃えの最適化を実現し、在庫管理や返品作業における人的リソースを削減することで、収益性の改善を図るとしている。
フライウィールの「Conata Demand Planner」について、今後は書店のみならずスーパーマーケットや調剤・ドラッグストアといった小売業へ展開も企図。運用コストや人的リソース面の最適化、また廃棄率削減や人手不足の改善にも寄与することで、小売業界全体の改革を推進するとしている。
参照元:PRTIMES
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