Google、画像生成モデルGemini 2.5 Flash Image(nano-banana)を発表
最終更新日:2025年08月27日

Googleは2025年8月26日、新しい画像生成・編集モデル「Gemini 2.5 Flash Image」(別名nano-banana)を発表した。
このモデルは複数画像の融合、キャラクター一貫性の維持、自然言語による画像編集機能を提供し、開発者向けにGemini APIとGoogle AI Studio経由で利用可能となった。
- Googleが高品質な画像生成モデル「Gemini 2.5 Flash Image」(nano-banana)を2025年8月に発表、プロンプトベースでの精密な画像編集が可能
- キャラクター一貫性維持機能により、同一人物や物体を異なる環境で統一感を保ちながら生成できる技術を実装
- 料金は100万出力トークンあたり30ドル(1画像あたり約0.039ドル)でOpenRouter.aiやfal.aiとも提携し開発者向けに提供開始
Googleが発表したGemini 2.5 Flash Image(別名nano-banana)は、従来のGemini 2.0 Flashで提供されていた画像生成機能を大幅に強化したモデルだ。開発者やユーザーからの「より高品質な画像生成と創造的制御機能が必要」という要望に応える形で開発された。
このモデルは、Geminiの世界知識を活用した画像生成と編集を可能にしている。現在、Gemini APIとGoogle AI Studio経由で開発者向けに提供されており、企業向けにはVertex AI経由でも利用できる。
最も注目すべき機能の一つがキャラクター一貫性の維持だ。従来の画像生成モデルでは、同じキャラクターや物体を異なるプロンプトで生成する際に外見が変わってしまう問題があったが、nano-bananaはこの課題を解決している。
同一キャラクターを異なる環境に配置したり、単一商品を複数の角度から新しい設定で表示したり、一貫したブランドアセットを生成することが可能だ。
この機能により、不動産リスティングカード、従業員バッジ、商品カタログ用のモックアップなど、統一性が求められる用途での活用が期待される。
プロンプトベースの画像編集機能も大きな特徴である。自然言語を使用して、画像の背景をぼかす、Tシャツのシミを除去する、写真から人物を完全に削除する、被写体のポーズを変更する、白黒写真に色を追加するなど、精密な局所編集が可能だ。
Google AI Studioでは、これらの機能を実際に試せる写真編集テンプレートアプリも提供されており、UIベースとプロンプトベースの両方の制御方法が用意されている。
また、複数画像の融合機能により、異なる画像から要素を抽出して一つの写真のようなリアルな画像を作成することも可能となった。
料金体系は100万出力トークンあたり30ドルで、各画像は1290出力トークンに相当するため、1画像あたり約0.039ドルとなる。その他の入出力モダリティについては、既存のGemini 2.5 Flashの料金体系に従う。
Googleはnano-bananaをOpenRouter.aiと提携し、300万人以上の開発者に向けてサービスを提供するほか、生成メディア分野の主要開発プラットフォームであるfal.aiとも連携している。
なお、このモデルで生成・編集された全ての画像には、AI生成コンテンツであることを識別できるSynthIDデジタル透かしが自動的に埋め込まれる。
AI Marketの見解
nano-bananaの発表は、画像生成AI市場における重要な技術的進歩を示している。特にキャラクター一貫性の維持は、これまで多くの画像生成モデルが抱えていた根本的な課題であり、この解決により商用利用の可能性が大幅に拡大すると想定される。
プロンプトベースの精密編集機能は、従来の画像編集ソフトウェアの操作性を大きく変える可能性があり、技術的専門知識を持たないユーザーでも高度な画像処理が行えるようになる。
ビジネス面では、1画像あたり約0.039ドルという価格設定は、大規模なコンテンツ生成においてコスト効率性を提供する。
特に、不動産、eコマース、マーケティング分野での活用が期待され、従来の写真撮影やグラフィックデザイン業務の一部を代替する可能性が高い。OpenRouter.aiやfal.aiとの提携により、開発者エコシステムへの浸透も加速すると想定される。
ただし、SynthID透かしの義務化は、AI生成コンテンツの透明性を確保する一方で、一部の商用利用において制約となる可能性もある。
参照元:Google
Gemini 2.5 Flash Image(nano-banana)に関するよくある質問まとめ
- nano-bananaの利用料金はどのように計算されるのか?
100万出力トークンあたり30ドルで課金され、1つの画像生成につき1290出力トークンが消費される。
つまり1画像あたり約0.039ドル(約6円)の費用となる。
入出力の他のモダリティについては、既存のGemini 2.5 Flashと同じ料金体系が適用される。
- キャラクター一貫性機能はどのような用途で活用できるのか?
同一キャラクターを異なる背景や環境に配置した画像シリーズの作成、商品を様々な角度から撮影したような画像の生成、ブランド統一されたマーケティング素材の作成などが可能。
不動産リスティング、従業員ID、商品カタログなど統一性が重要な業務での活用が期待される。

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