KandaQuantumがLLMを組み合わせた量子生成AI「CalQamel」開発開始
最終更新日:2023年11月02日
株式会社KandaQuantumは、2023年7月22日、量子LLM「CalQamel(カルクキャメル)」の開発プロジェクトに着手したと発表した。
KandaQuantumは、生成AI特化型受発注プラットフォーム「CalqWorks」の開発などを手がける企業だ。「CalQamel」は、量子技術とLLM(大規模言語モデル)を組み合わせた「量子生成AI」として開発され、新しい時代のAI需要に対応した強力な競争力を持つ基盤モデルの実現が目指される。
<本ニュースの10秒要約>
- 生成AI特化型受発注プラットフォーム「CalqWorks」などを手がけるKandaQuantumの新プロジェクト
- 量子アニーリングと量子インスパイアド技術で、従来のLLMが抱えていた問題を解決する「CalQamel」
- 現代社会の多様かつ複雑な課題に対しても「一歩進んだ最適解」を提供、AIの有用性を新たな次元へ
AIと量子コンピューター技術による変革実現に取り組むKandaQuantum
KandaQuantumは、「共創の基盤を創る」というミッションを掲げて、AIと量子コンピューター技術による変革の実現に取り組む企業だ。膨大なデータを蓄えるデータ基盤や、人の考える力を増強するAI技術、超高速処理の量子コンピューター技術を通じて、データ・ドリブン経営の新時代を切り開いている。
同社は2023年7月、国内では最大級となる生成AI特化型の受発注プラットフォーム「CalqWorks」を始動。始動前の時点で1200社以上におよぶ事前登録を獲得し、始動後は個人アカウント/法人アカウント合わせて2500アカウントを発行する巨大なプラットフォームに成長させた。また、同社による生成AI領域の業績は、国内の大規模なスタートアップ向けイベントなどで高い評価を獲得。この評価により、ChatGPT/AI/量子技術を活用した大手企業との共創も進めている。
従来のLLMが抱えていた問題を解決する量子LLM「CalQamel」
AI開発に取り組む中でKandaQuantumは、現在の日本国内のAI開発環境について、海外に後れをとっていることを憂慮。特に基盤モデルの開発環境に大きな課題があると考え、その解決に向けて今回、量子LLM「CalQamel」を開発するに至った。
「CalQamel」は、量子アニーリングと量子インスパイアド技術を導入することで、従来のLLMが抱えていた問題を解決する量子LLMだ。計算量の抑制によって高性能なハードウェアを不要とし、またLLM(大規模言語モデル)と量子技術を用いた学習データの効率的な利用によりデータ取得/事前学習にまつわる課題も解消。組み合わせ爆発といった計算量の問題を有効解決することでマルチモーダル活用を実現し、大規模計算時でもAIとの対話型コミュニケーションを可能にした。さらに、ロジックの入り組んだ最適化問題への応答も、従来のLLMより高精度かつ広範囲で回答することができる。
「CalQamel」についてKandaQuantumは、AIの有用性を新たな次元へと広げると共に、現代社会の多様かつ複雑な課題に対しても「一歩進んだ最適解」を提供するLLMの実現を目指すとしている。
「CalQamel」により、日本国内外のAI開発環境を変革
「CalQamel」による大規模なシミュレーションは、「数千~数万規模の人員配置」「物流の最適化」といった広範かつ複雑な問題に対してソリューションを瞬時に提供し得るものであると、KandaQuantumは自負。また、公共の福祉を目指す行政シミュレーションなどにおいても有用性を発揮する可能性があると考えている。
同社が既に展開している「CalqWorks」が提供するAI機能群のうち、受発注AIやノーコードワークフローAIなどは量子LLMが得意とする最適化領域であり、こうしたサービス提供を通じて得たリアルな知見も活かす形で「CalQamel」開発は進められる予定だ。KandaQuantumは今後、「CalQamel」により日本国内外のAI開発環境に大きな変革をもたらすとしている。
参照元:PRTIMES
LLM(大規模言語モデル)とは何か、どんな仕組みか、こちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。生成AI(ジェネレーティブAI)について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考ください。
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