ノキアのAIソリューション、約20万局以上におよぶ全国のKDDI基地局で24時間品質監視・改善を実現
最終更新日:2022年12月09日
ノキア(ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社)は、2022年12月8日、同社のAIソリューションがKDDI株式会社の携帯電話基地局に導入されたと発表した。
ノキアは、フィンランドに本社を置き、モバイル/固定/クラウドのネットワーク分野でテクノロジーの創造に取り組む企業だ。同社が今回KDDIに提供したのは、約20万局以上の基地局を24時間自動監視するPDDRソリューションであり、サイレント故障状態の早期復旧などが可能となっている。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- 約20万局以上の基地局を24時間自動監視、検知が難しいサイレント故障の早期復旧も可能
- 故障の要因を自動判定できるモデルをAIに学習させ、専門家と同等以上の判断精度を実現
- 異常要因を自動で排除、復旧事象のデータも活用。今後は5G SAネットワークにも導入予定
通信インフラ施設や無線技術の開発などを手がけるノキア
ノキアは、ビジネスシーンにおけるネットワーク領域のパートナーとして、通信インフラ施設や無線技術の開発などを手がけている企業だ。数々の受賞歴を持つノキアベル研究所にて新たな価値創造に取り組んでおり、モバイル通信事業者向けの通信設備開発には特に強みを持っている。
日本においても1989年の日本法人設立時より事業を展開しており、近年はAIを活用したソリューションも開発・提供。ネットワークがどこで混雑し始めているのかを検知するAI無線容量設計ソフトウェアが、NTTドコモの5Gネットワーク設計において導入された実績も持つ。
自動監視を通じて、基地局の通信品質改善と運用コストの削減を実現
今回ノキアがKDDIに提供したのは、KDDIが運用する全国の携帯電話基地局を監視するPDDRソリューションだ。このPDDRソリューションは、約20万局以上におよぶ4G/5Gの基地局をAIが24時間自動監視し、品質が劣化した基地局の検出および要因特定も可能というもの。自動監視を通じて、基地局の通信品質改善と運用コストの削減を実現する。
同ソリューションの開発にあたりノキアは、独自のAI技術を活用。数種類の根本要因を自動判定するモデルをKDDIと協力して作成し、それをAIに学習させることで、従来の専門家による判断と同等以上の精度を実現している。
検知が極めて困難なサイレント故障も検知、要因の自動排除も可能
ノキアのPDDRソリューションでは、基地局のサイレント故障も検知することができる。
サイレント故障は、通常のアラーム発報が行われない程度の品質異常のことであり、従来の閾値判定では検知が極めて困難な場合が多い。サービス品質への悪影響はすぐ生じないものの、放置はエンドユーザの体感品質に大きな影響をおよぼす可能性があり、通信事業の課題となっていた。
同ソリューションでは、サイレント故障も含めた形で要因の自動判定モデルを作成することで、検知を可能にした。対象の基地局がサイレント故障に分類された場合は、KDDIの独自開発システムと連携する形で、要因の自動排除が行われる。また、要因排除後に復旧した事象のデータは、自動判定モデルに学習させる形で分類/復旧の精度向上に活用する。
5G SAネットワークへの導入展開も、既に計画
同ソリューションについてKDDIは、2019年より4Gネットワークへの導入を始め、2021年には5G NSAネットワークへの導入も開始。今回、AIによる高度な自動監視・要因分類システムの全国展開を完了するに至った。5G SAネットワークへの導入展開も、既に計画されている。
同ソリューション提供を通じてKDDIより信頼を得たことについてノキアは、光栄であるとコメント。今後も、より生産的で持続可能なインクルーシブな世界の実現に向けてテクノロジーの創造に取り組むとしている。
参照元:PRTIMES
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