NTT、「連鎖型AI」で産業変革を目指す新会社NTT AI-CIXを設立

日本電信電話株式会社（NTT）は2024年8月7日、「連鎖型AI」を活用して産業変革の実現を目指す新会社「株式会社NTT AI-CIX」を2024年8月に設立すると発表した。

個社別のAI・DXから、複数企業間や業界横断でのAI・DXへとシフトする社会変化に対応し、様々なAIが業務・業界横断で連携する「連鎖型AI」によって、個別業務からサプライチェーンの全体最適化までを実現する。新会社では、コンサルティングからプロダクト開発、AIプラットフォームサービスまでを一気通貫で提供する。

＜本ニュースの10秒要約＞

• NTTが「連鎖型AI」を活用した産業変革を目指す新会社NTT AI-CIXを2024年8月に設立。業務・業界横断でのAI連携を実現
• デジタルツインコンピューティング技術を活用し、個別業務からサプライチェーン全体最適化まで幅広いソリューションを提供
• 小売・流通業界でのサプライチェーン全体最適化を目指し、トライアルホールディングスと連携協定を締結。他産業分野での展開も予定

NTT AI-CIX設立の背景と目的

NTTが新会社NTT AI-CIXを設立する背景には、社会の変化に伴うAI活用形態の変化がある。コロナ禍を経て生活様式が多様化し、各産業分野でのサービス提供が分野横断的になり複雑化している。これに伴い、AIを活用したDXの形も、個社別から複数企業間や業界横断へとシフトしている。

NTTはこれまでデジタルツインの予測・最適化AIとその連鎖技術（デジタルツインコンピューティング）に取り組んできた。新会社では、この最先端技術を活用し、様々なAIが業務・業界横断で互いに連携する「連鎖型AI」によって、個別業務からサプライチェーンの全体最適化までを実現する。

提供方法としては、コンサルティングからプロダクト/ソリューション開発、AIプラットフォームサービスまでを一気通貫で行うことを特徴としている。

NTT AI-CIXが提供するソリューションと具体的な取り組み

NTT AI-CIXが提供するソリューションの具体例として、小売・流通業界におけるサプライチェーン全体最適化がある。

株式会社トライアルホールディングスとサプライチェーンマネジメントの共同検討に関する連携協定を2024年1月22日に締結し、トライアルの小売業界の知見・店舗・データとNTTのデータサイエンス分野の知見と技術を活かして、店舗運営効率化・物流効率化・顧客価値向上等の実現を進めている。
さらに、関連するメーカ・卸・小売のデータ融合を加速し、商品カテゴリごとに異なるサプライチェーンや購買傾向も加味することで、流通業界における全体SCM最適化実現に取り組んでいる。この取り組みは、「連鎖型AI」の具体的な活用例であり、業務・業界データの利活用によるサプライチェーン全体最適化を目指している。

NTT AI-CIXの会社概要と事業内容

NTT AI-CIXは、2024年8月26日（予定）に設立される。資本金は19.5億円で、NTTが全額出資する。主な事業内容は、1）AI・DX推進事業と2）プラットフォームサービス事業の2つに分かれる。AI・DX推進事業では、デジタルコンピューティング技術等を活用したコンサルティング、AIモデル開発等のソリューションサービスを提供する。

プラットフォームサービス事業では、連鎖型AI（業務・業界横断の予測最適化AIモデル）のプラットフォームサービスを提供する。これらの事業を通じて、NTT AI-CIXは「AIX」のコンセプトの下、AIを活用した「業界横断（Cross Industry）」での最適化をコアコンピタンスとして、新たな産業変革を目指している。

今後の展望と取り組み

NTT AI-CIXは、これまでさまざまな産業分野（小売、都市開発、交通、電力、農業、ヘルスケアなど）で取り組んできた知見を生かし、顧客およびパートナー企業と共に社会実装を加速させる方針だ。

今後も、産業ニーズ、企業ニーズを捉えてあらゆる産業分野において連鎖型AIの活用による新たな価値創出、ビジネス創出に取り組む予定だ。

参照元：日本電信電話株式会社

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