パナソニックコネクト、AIアシスタントサービス「ConnectAI」で年間44.8万時間の業務削減を実現
最終更新日:2025年07月08日

パナソニックコネクトは2025年7月7日、自社開発のAIアシスタントサービス「ConnectAI」の2024年活用実績を発表した。
同サービスにより年間44.8万時間の業務時間削減を達成し、昨年比2.4倍の効果を実現した。
社員のAI活用スキル向上と生成AI技術の進化により、「聞く」から「頼む」へのシフトが削減効果拡大の要因となった。
- パナソニックコネクトが自社開発AIアシスタントサービスで年間44.8万時間の業務削減を達成し、昨年比2.4倍の効果を実現
- 社員のAI活用方法が「聞く」から「頼む」へシフトし、1回あたりの削減時間が28分(昨年比1.4倍)に向上
- 2025年度は業務AI(エージェント)の活用に注力し、特化AIとワークフロー型AIエージェントで更なる生産性向上を推進
パナソニックコネクトは2023年2月より、OpenAI、Google LLC、Anthropicの大規模言語モデルを活用した自社向けAIアシスタントサービス「ConnectAI」の業務利用を開始した。
同社は生成AIの業務利用において「業務生産性向上」「社員のAIスキル向上」「シャドーAI利用リスクの軽減」の3つの目標を掲げ、国内全社員約11,600人にAI活用を推進してきた。
導入から2年が経過し、AI技術の進化とともに社員のスキルが向上し、昨年よりも更なる生産性向上を実現している。2024年の活用実績では、AI活用による業務時間削減効果が44.8万時間に達し、多くの社員の生産性向上に大きく貢献した。
利用回数は240万回(昨年比約1.7倍)、1回あたりの削減時間は28分(昨年比1.4倍)、月間ユニークユーザー率は49.1%(昨年比14.3ポイント増)となった。
画像利用の場合は1回あたり36分の削減時間を実現している。この成果は社員のAI活用スキルが向上し、活用方法が「聞く」から「頼む」へシフトしたことに加え、生成AI技術の進化により画像やドキュメントの活用が進んだことが要因となっている。
主な活用事例として、プログラミング分野ではコード全体の生成やリファクタリング、成果物作成では作業手順書の作成や各種基準の作成、作業依頼では資料レビューやアンケートコメント分析が挙げられる。
これらの活用により、従来の質問型の利用から、具体的な作業を依頼する形へと活用形態が変化している。
2025年度は業務効率を加速させるため、特化AIの対象を拡大するとともに、業務プロセスにAIエージェントの活用を開始し、更なる生産性向上を目指す。
特化AIについては、自社固有の質問にも回答可能とし、品質管理、ITサポート、人事研修など多岐にわたる分野で活用されており、7件の事例が公開されている。
さらに16件が検証段階に進んでおり、社員が自分の資料をアップロードし、要約やレビュー、Q&A作成などをAIに依頼できる仕組みの提供も開始している。
業務AIについては、経理(決裁作成支援)や法務(下請法チェック)、マーケティング(メール添削など)の3領域でAIエージェントを試験的に活用を開始している。
AI Marketの見解
パナソニックコネクトの取り組みは、企業における生成AI活用の成熟度を示す重要な事例である。年間44.8万時間の削減効果は、単純な質問応答型の活用から、具体的な作業依頼型への進化を物語っている。
特に注目すべきは、1回あたりの削減時間が28分に向上した点で、これは社員がAIの能力を深く理解し、より効率的な活用方法を習得したことを示している。
技術的な観点では、複数の大規模言語モデルを組み合わせた「ConnectAI」の構築により、各モデルの特長を活用した最適化が図られていると想定される。
画像利用時の削減時間が36分に達することは、マルチモーダルAIの活用が効果的に機能していることを示している。また、特化AIの展開により、自社固有の業務知識を組み込んだAIシステムの構築が進んでおり、これは汎用AIから専門AIへの発展段階を表している。
ビジネス的な特徴として、AIエージェントを「ナビゲーター型」「ワークフロー型」「汎用型」の3種類に分類した戦略的アプローチが挙げられる。
この分類により、業務要件と技術的実装可能性を整理し、段階的な導入を可能にしている。特に経理、法務、マーケティングという企業の中核業務での試験運用は、AI活用の本格化を示している。
参照元:
パナソニック ホールディングス株式会社
AIエージェント活用に関するよくある質問まとめ
- AIエージェントと従来の生成AIはどのような違いがありますか?
従来の生成AIは質問に対して回答する「聞く」形式でしたが、AIエージェントは具体的な作業を「頼む」ことができます。例えば、資料レビューや決裁作成支援など、業務プロセスに組み込まれた自動化された作業を実行できる点が大きな違いです。
- 特化AIとはどのようなものですか?
特化AIは、品質管理や人事研修など特定の業務分野に特化したAIシステムです。自社固有の質問にも回答可能で、汎用AIでは対応困難な専門的な業務知識を活用できます。パナソニックコネクトでは7件の事例が公開され、16件が検証段階にあります。

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