OpenAI AgentKitとは?料金、スクショ付き使い方説明、Difyとの違いを徹底解説!実際にAIエージェントを作ってみた動画付き
最終更新日:2025年10月11日

- AgentKitはエージェントの構築・展開・評価を統合的に行えるOpenAIのツールキット
- 4つの構成要素(Agent Builder・Connector Registry・ChatKit・Evals)からなり、ワークフロー設計から性能最適化までを統合的に支援
- 標準API料金内で利用でき、企業や開発者が数時間で実用レベルのエージェントを構築可能
2025年10月6日、OpenAIが発表したAgentKitは、エージェントの構築・展開・最適化を一貫して行える開発者向けの統合ツールセットです。
AgentKitを使えば、ビジュアル設計からデプロイ、評価までを実行できます。企業や開発者がより迅速かつ安全にエージェントを運用できる環境を提供することを目的としています。
本記事では、AgentKitの料金、構成要素、使い方が分ける画面説明、実際に英語、日本語で入力してAIエージェントを作ってみた結果動画までを徹底的に解説します。
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目次
AgentKitとは?
Introducing AgentKit—build, deploy, and optimize agentic workflows.
💬 ChatKit: Embeddable, customizable chat UI
👷 Agent Builder: WYSIWYG workflow creator
🛤️ Guardrails: Safety screening for inputs/outputs
⚖️ Evals: Datasets, trace grading, auto-prompt optimization pic.twitter.com/pGgNHKOvj3— OpenAI Developers (@OpenAIDevs) October 6, 2025
AgentKitは、OpenAIが開発した「エージェントの構築・展開・最適化」を行うためのモジュール式ツールキットです。
Responses APIとAgents SDKを基盤に設計されており、複数エージェントの連携、プロンプト最適化、データコネクタの管理、チャットUIの埋め込みなどを統合的に実現します。
なぜOpenAIはAgentKitを公開したのか?
これまでも、OpenAIは「Assistants API」などを提供し、開発者がAIエージェントを構築する道筋を示してきました。しかし、それはあくまでAPIという部品の提供であり、実際に企業レベルで使えるAIエージェントを組み上げるには、ワークフロー管理、ツール連携、UI開発、安全性確保といった多くの要素を開発者自身がコーディングして組み合わせる必要がありました。
この「開発の断片化」こそが、AIエージェント普及の大きな足かせでした。
OpenAIは、この課題を解決するために、AIエージェントの構築(Build)、展開(Deploy)、最適化(Optimize)に必要なすべてを統合したツールキットとして「AgentKit」をリリースしました。
企業や開発者は深いリサーチや顧客サポートなどの業務用エージェントを短時間で構築し、運用段階までスムーズに移行できます。
これは、OpenAIがAI開発の包括的なプラットフォーム提供者へと進化する意志の表れと言えるでしょう。
AgentKitの料金
AgentKitの各機能(ChatKit、Agent Builder、Evals、Connector Registry)は、OpenAIの標準APIモデル料金に含まれます。追加料金は不要で、API利用量に応じた従量課金制が適用されます。
APIの利用料金については公式サイトをご確認ください。
なお、Agent Builderはベータ版として提供されており、Connector Registryは一部のAPI・ChatGPT Enterprise・Edu顧客にGlobal Admin Console経由で順次展開中です。
以下の表は、提供状況の概要をまとめたものです。
構成要素 | 提供状況 |
---|---|
Agent Builder | ベータ提供中 |
ChatKit | 一般提供開始 |
Connector Registry | 一部顧客に順次展開 |
Evals機能 | 一般提供中 |
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AgentKitの4つの構成要素
AgentKitは主に以下4つの構成要素から構成されます。
- Agent Builder
- Connector Registry
- ChatKit
- Evals
これらを組み合わせることで、エージェントの開発、データ管理、UI作成、評価までを安全かつ迅速に行うことができます。
Agent Builder(エージェントビルダー)

Agent Builderは、ドラッグ&ドロップ操作でマルチエージェント・ワークフローを設計できるノーコード/ローコードツールです。テンプレートを利用してゼロから構築することもでき、各ノードを接続してロジックやツール、条件分岐を設定できます。
エンジニアと事業担当者が同じ画面を見ながら、AIの振る舞いを直感的に設計・修正できるため、プロトタイピングが劇的に高速化します。従来であれば数週間かかっていたプロトタイプ開発が、数時間〜数日で可能になるケースも出てくるでしょう。
プレビュー機能により実際の動作を確認しながら構築でき、バージョン管理にも対応しています。また、ガードレール機能を用いて個人情報保護や不正使用検出を自動化することも可能となっており、安全性の高いエージェントを簡単に設計することができます。
これにより、外部ベンダーに依存せずとも、事業部門が主体となってAIエージェントの企画・開発を推進する「内製化」のハードルが大きく下がります。
Connector Registry(コネクタレジストリ)
Connector Registryは、企業が複数ワークスペースや組織にまたがるデータソースを一元管理するための仕組みです。どのAIがどのデータやツールにアクセスできるかを一元管理できるので、セキュリティを担保しつつ、開発効率を向上させます。
Dropbox、Google Drive、SharePoint、Microsoft Teamsなどの主要なプリビルトコネクタや、外部MCP(Model Context Protocol)にも対応しています。これにより、企業は安全なデータ連携を維持しながら、各エージェントが必要な情報にアクセスできるよう統制可能です。
ChatKit(チャット統合ツールキット)

ChatKitは、製品やWebアプリケーションにエージェントとのチャットUIを組み込むためのUIツールキットです。
自社製品やサービスに、洗練された対話型AIインターフェースを迅速に実装でき、開発工数を大幅に削減します。
リアルタイム応答、スレッド管理、モデル思考の可視化、カスタマイズ可能なテーマなどを備え、自然なチャット体験を実現します。ChatKitはReact向けライブラリとしても提供され、柔軟な実装が可能です。
Evals(評価・最適化機能)

Evalsは、エージェントのパフォーマンスを評価・最適化するための統合評価プラットフォームです。データセットを用いたテスト構築、トレースグレーディングによるエンドツーエンド評価、自動プロンプト最適化、他社モデルとの比較評価などが可能です。
開発したエージェントがビジネス要件を満たしているかを客観的に評価し、継続的な改善サイクルを回すことが可能になります。
Evalsは、継続的な改善サイクルを支える重要な要素として、AgentKit全体の品質を高める役割を担っています。
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AgentKitとDifyの違い
AIエージェントやワークフローの構築を支援する類似のツールとして、Difyがあります。
以下は両者の違いについてまとめた表になります。
比較項目 | AgentKit | Dify |
---|---|---|
開発元 | OpenAI | LangGenius |
料金 | OpenAI標準API料金に含まれ、追加費用なし(従量課金制) | 無料プランあり、有料プランは月額制 |
利用可能なモデル | OpenAIのGPTモデル(GPT-4o、GPT-5 など)を中心に構築 | OpenAI・Anthropic・Googleなど複数のLLMを選択可能 |
UI設計 | ChatKitを使ってアプリやサイトに埋め込み可能。SDK連携で柔軟にカスタマイズ | テンプレートから公開・共有・埋め込み可能だが、カスタマイズ性はやや低い |
AgentKitは、「OpenAIの最新モデルを最大限に活用し、自社サービスに深く・柔軟にAIエージェントを組み込みたい」と考える企業にとって最適な選択肢です。特に、UI/UXの細部にまでこだわりたい開発者にとって強力なツールと言えます。
Difyは、「特定のLLMに縛られず、コストや性能に応じて柔軟にモデルを切り替えたい」「非エンジニアも含めたチームで、迅速にAIアプリケーションのプロトタイプを作成・運用したい」場合に非常に有効です。オープンソースであるため、低コストで始められる点も大きな魅力です。
AgentKitの使い方
AgentKitの基本的な使用手順は次の通りです。
以下では、Agent Builderで簡単なワークフローを作成する一連の手順を解説していきます。
- Agent Builderにアクセスします。ログインが完了すると以下のような画面になるため、「Create」をクリックし新たなワークフローを作成します。
- ワークフローが作成されると、スタートポイントとエージェントが配置された以下のような画面になります。
- エージェントの編集をする際は、ワークフロー内のエージェントをクリックすると以下の画像のように画面右側に設定画面が展開されます。
まずはエージェント名やプロンプトを変更しましょう。
AgentKitを使って10分でAIエージェントを作ってみました
今回は、AI Marketの記事に基づきAIに関する質問に回答してくれるエージェント作成してみました。
ツールの追加からWeb Searchを選択し、下の画像のようにAI MarketのURLを入力し、「Add」ボタンを押すことで、検索機能を追加しました。
作成したエージェントの実行結果
上記の画像で示すように「Preview」ボタンを押すことで、作成したエージェントをテストすることができます。なお、「Preview」ボタンが押せない場合は、Organaizationの認証が済んでいない可能性があるので、ご確認ください。
以下の画像は実際に実行した結果になります。
「MCPとは?」という質問をしたところ、MCPについての簡単な説明と記事からの引用をしてくれています。
非常に簡単なエージェントではありますが、10分程度でほとんど費用もかからずにエージェントを作りテストすることができました。直感的に操作できるGUIとなっているのも良い点です。
ChatKitやEvalsも活用することで、ウェブサイトやアプリに実際に導入する際もコストや手間を削減できます。
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AgentKitについてよくある質問まとめ
- AgentKitを使うのに追加料金は必要ですか?
追加料金は必要ありません。
AgentKitの各機能はOpenAIの標準APIモデル料金に含まれています。API利用量に応じた従量課金制が適用されます。
- AgentKitとDifyの主な違いは何ですか?
両者の主な違いは以下の通りです。
- 利用モデル: AgentKitがOpenAIのGPTモデルに特化しているのに対し、DifyはOpenAI、Google、Anthropicなど複数のLLMから選択できます。
- 料金体系: AgentKitはAPI利用に応じた従量課金制ですが、Difyは無料プランと月額制の有料プランがあります。
- カスタマイズ性: AgentKitはSDK連携によりUIなどを柔軟にカスタマイズできる一方、Difyは手軽さを重視しているため、カスタマイズ性はやや限定的です。
まとめ
AgentKitは、エージェント開発を視覚的かつ統合的に行えるOpenAIのツールセットです。Agent Builderでエージェントを開発し、ChatKitでUIを設計し、Evalsで評価・最適化するという一連の流れにより、開発者や企業は短期間で信頼性の高いエージェントを構築できます。
Connector Registryによる安全なデータ連携も可能で、統合的にエージェント開発を支援する基盤として注目されています。

AI Market 運営、BizTech株式会社 代表取締役|2021年にサービス提供を開始したAI Marketのコンサルタントとしても、お客様に寄り添いながら、お客様の課題ヒアリングや企業のご紹介を実施しています。これまでにLLM・RAGを始め、画像認識、データ分析等、1,000件を超える様々なAI導入相談に対応。AI Marketの記事では、AIに関する情報をわかりやすくお伝えしています。
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