OpenAI AppsSDKとは?ChatGPTアプリ開発キットの仕組みや注意点、実画面での使い方徹底解説!
最終更新日:2025年10月22日

- Apps SDKは、ChatGPT上で動作するアプリを開発するための公式開発キット
- Model Context Protocol(MCP)を拡張して構築されたオープンスタンダード
- Node.jsやPythonを使って自作のMCPサーバを立ち上げ、ngrokなどを利用してChatGPTとローカル環境を接続し、インタラクティブなUIをチャット内に統合できる
- 安全性・プライバシー・ユーザー体験の一貫性を重視する設計が求められ、ChatGPTディレクトリへの公開や将来的な収益化も可能
OpenAIは2025年10月6日、ChatGPT内で直接操作できる新しいタイプのアプリと、それを開発者が構築できる「Apps SDK」をリリースしました。
Apps SDKは、開発者がChatGPT上で動作するアプリを設計・構築・テストするための開発キットであり、800万人を超えるChatGPTユーザーにリーチできる仕組みを提供します。
本記事では、Apps SDKの概要、仕組み、できること、注意点、使い方までを徹底的に解説します。
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Apps SDKとは?
You can start building and testing apps in ChatGPT with the Apps SDK preview, which we’re releasing today as an open standard built on MCP.
Later this year, we’ll begin accepting app submissions for publication.https://t.co/pj4gUgso22 https://t.co/WSZy0tkRq7
— OpenAI Developers (@OpenAIDevs) October 6, 2025
Apps SDKは、ChatGPT上で動作するアプリを開発するためのソフトウェア開発キット(SDK)です。MCP(Model Context Protocol)というオープンスタンダードの上に構築されており、開発者はアプリのロジックやインターフェースを自由に設計できます。
Apps SDKを利用することで、ChatGPTのチャット内に自然に統合されるインタラクティブなアプリを構築でき、ユーザーは会話の中でアプリを呼び出して利用することが可能になります。
つまり、Apps SDKはChatGPTを単なる会話AIから「アプリ実行プラットフォーム」へと拡張する技術と言えます。既に初期パートナーとしてBooking.com、Canva、Coursera、Figma、Expedia、Spotify、ZillowなどがChatGPT内で利用可能になっています。
今後の拡張と収益化
OpenAIは、今後Apps SDKで開発されたアプリをChatGPT Business、Enterprise、Eduプランにも展開する予定です。開発者は審査を通過すればアプリをChatGPTディレクトリに掲載でき、さらに高品質なアプリは優先的に紹介される可能性があります。
また、Agentic Commerce Protocolを通じてアプリ内での即時決済が可能になり、開発者が自作アプリを収益化する仕組みも提供される見込みです。
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Apps SDKの仕組み
Apps SDKは、Model Context Protocol(MCP)を基盤としています。MCPはChatGPTが外部ツールやデータと接続するためのプロトコルであり、Apps SDKはそれを拡張して、開発者がアプリのロジックとUI(ユーザーインターフェース)の両方を定義できるようにしています。
また、Apps SDKはオープンソースで提供されており、この標準を採用するあらゆる環境で動作可能です。開発者は自分のバックエンドと直接接続し、既存のユーザーがログインしたり、プレミアム機能にアクセスできるよう設定できます。
Apps SDKの設計ガイドラインとサンプルコードが公開されており、これを参考に会話とインタラクションを融合させた体験設計が可能です。
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Apps SDKを使う上での注意点
Apps SDKを利用してアプリを開発する際は、ChatGPTの体験を損なわず、安全で信頼できるアプリ設計を行う必要があります。OpenAIは開発者に対し、以下の原則とルールを遵守するよう求めています。
1. 会話体験との一体化
アプリはChatGPTの会話の流れを妨げず、自然に統合されることが求められます。
カード、カルーセル、フルスクリーン表示など、ChatGPTのUIと調和するデザインを採用し、ユーザーが直感的に操作できる体験を提供する必要があります。
2. 有用で一貫性のある設計
明確な目的を持ち、ChatGPTの機能を拡張して具体的な価値を提供することが必要とされます。
たとえば、予約、注文、スケジュール確認、配送追跡などの短時間で完結する会話型タスクが推奨されます。一方、複雑なマルチステップ操作や広告表示などは避けるべき例として紹介されています。
3. シンプルで軽量な体験
各インタラクションは単一の明確な目的に集中し、情報やUIは最小限に抑えることが重要です。
ツールは素早く応答し、会話を補完するものでなければならず、複雑な操作や不要な情報表示は推奨されません。
4. 安全性とプライバシー
すべてのアプリはOpenAIの利用ポリシーに準拠し、全年齢に適した内容である必要があります。ユーザーのデータは必要最小限のみ収集し、共有される情報について明確に説明しなければなりません。
アプリ初回接続時には、ChatGPTがユーザーにデータ共有内容を通知します。
5. 開発者の責任と透明性
アプリは必ず認証済みの開発者によって提供され、説明文や挙動は正確でなければなりません。予期せぬ動作や隠れた機能は禁止されており、安定性や信頼性を確保することが求められます。
また、開発者は問い合わせ先を明示し、問題発生時にサポート対応できる体制を整える必要があります。
6. 公開・審査・改善のプロセス
アプリをChatGPTに公開するには審査が必要であり、品質・安全・一貫性の基準を満たすことが条件です。
高品質なアプリはディレクトリ上で優先的に紹介される場合があります。これらのガイドラインは今後も開発者コミュニティの意見を踏まえて更新される予定です。
これらの原則やルールについてさらに詳しく知りたい方は、以下の公式ドキュメントをご参照ください。
App design guidelines
App developer guidelines
Apps SDKの使い方
以下では、Apps SDKで開発したアプリをテストする手順を紹介します。
前提条件
以下の手順はChatGPTのProプランまたはPlusプランに加入している必要があります。
Node.js 18以上、pnpm、Python 3.10以上(Pythonサーバを動かす場合)が必要です。これらは公式のサンプルリポジトリの前提条件として明記されています。
pnpmの代わりに、npmやyarnを使うことも可能であるとされていますが、実際に試したところエラーが確認されました。使用する方法もあるかもしれませんが、pnpmを使用するのが無難だと思われます。
手順1:サンプルリポジトリを取得する
以下のリポジトリをクローンし、ワークスペースへ移動します。
git clone https://github.com/openai/openai-apps-sdk-examples.git
cd openai-apps-sdk-examples
手順2:依存関係のインストールとビルド
ワークスペース依存関係をインストールし、UIウィジェットをビルドします。ビルドすると各ウィジェットのHTML/JS/CSSがassets配下に生成され、MCPサーバから配信できる状態になります。
pnpm install
pnpm run build
手順3:MCPサーバを起動する
サンプルには、Apps SDKのウィジェットを返すMCPサーバが同梱されています。どれも、テキスト出力に加えてUI描画用メタデータ(_meta.openai/outputTemplate)を返し、ChatGPT内でウィジェットがレンダリングされます。
今回はPizzazというピザ屋を探せるツールを例として扱います。以下のコードを実行し、サーバーを起動します。
cd pizzaz_server_node
pnpm start
手順4:ChatGPTでテストする(Developer Mode・Connectors)
ローカルのMCPサーバを外部公開するために、ngrokを使ってHTTPSエンドポイントを作成します。ngrokのインストールが済んでいない場合は、こちらのリンクからインストールし、トークンの認証まで済ませましょう。
ngrok http 8000
「https://xxxxxx-xxxxxx-xxxxxx.ngrok-free.dev」のようなURLが出力されたら、うまくできています。このURLは後ほど使うので、コピペできる状態にしておきましょう。
次に、ChatGPTのDeveloper Modeを有効化します。以下の画像のように、設定を開いたのちに「アプリとコネクター」を選択し、最下部にある高度な設定からDeveloper Modeを有効にしましょう。
以下の画像のように、テキストボックスがオレンジ色に変わっていれば、Developer Modeが有効になっています。
次に、「アプリとコネクター」のから右上に表示される「作成する」から自作アプリを追加します。任意のアプリ名を設定し、先ほどのURLの末尾に「/mcp」を追加したもの(例:https://xxxxxx-xxxxxx-xxxxxx.ngrok-free.dev/mcp)をMPCサーバーのURLに設定します。
認証は「なし」に設定した上で作成すると、ChatGPTに自作アプリを追加することができます。
追加後は、テキストボックスの「+」の「さらに表示」からアプリをコンテキストに追加できます。
手順5:会話からツールを呼び出す具体例
アプリを会話に追加したら、関連するリクエストを送るだけでツールが選択され、MCPサーバからの構造化出力とともにウィジェットがチャット内に表示されます。
リクエストに応じて、ピザのおすすめ情報に紐づくカードやマップなどがチャット内にレンダリングされます。
2025年10月21日時点で、実際に試してみた結果、アプリがうまく動作しませんでした。
次のステップ
pizzaz_server_node/src や pizzaz_server_python/main.py のハンドラを編集して、自社のバックエンドからデータを取得するように拡張できます。
新しいウィジェットを作る場合は、src配下にエントリを追加すればビルドスクリプトが自動的に取り込みます。必要に応じて、Vite開発サーバを使った反復開発も可能です。
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AgentKitについてよくある質問まとめ
- Apps SDKは無料で使えますか?
SDK自体は無料で利用可能です。一方でChatGPTでテストをする場合は、ChatGPTのProプランまたはPlusプランに加入している必要があります。
また、将来的にアプリ公開や収益化機能(Agentic Commerce Protocol)が提供予定です。
- どんなアプリが向いていますか?
ChatGPTの機能を拡張するアプリが求められており、チャット内で完結する短時間・単一目的のタスク(予約、検索、生成など)が推奨されます。
そのため、長文コンテンツの表示や広告目的の利用、複雑な多段階ワークフローは避けるべき例として挙げられています。
まとめ
Apps SDKは、MCPを拡張したオープンスタンダードを基盤に、ChatGPT上で動作するアプリを構築することを可能にする開発キットです。 プレビュー版ではすでに開発が可能であり、今後はアプリ審査、公開、そして収益化の仕組みも整備される予定です。
安全性・透明性・プライバシーを重視したこの仕組みにより、ChatGPTが開発者とユーザーの双方にとって望ましいプラットフォームとなる基盤を提供すると考えられます。
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