OpenAI Responses APIとは?特徴・仕組み・使い方・組み込みツール・導入メリット・注意点を徹底解説!
最終更新日:2025年06月19日

- OpenAI Responses APIは、従来のAPIの機能を統合・強化したAIエージェント構築の次世代基盤
- マルチターン対話、マルチモーダル対応、Web検索やファイル検索、コンピュータ操作といった組み込みツールを統合し、自律的なタスク実行を可能に
- 活用することで、開発負荷を抑えつつ高精度なRAG(検索拡張生成)を実現できるほか、サードパーティツールへの依存を減らし、自社アプリケーションに直接組み込むことで、柔軟かつ信頼性の高いAIシステム運用が可能に
2025年3月、OpenAIが「Responses API」をリリースしました。Responses APIは、AIエージェントの開発者向けに開発された、OpenAIのモデルと組み込みツールを自社アプリケーションに統合できるAPIです。
この記事では、Responses APIの基本的な特徴から仕組み、組み込みツール、導入メリット、注意点までをわかりやすく解説します。
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目次
Responses APIとは?
Responses APIとは、OpenAIが提供する新しいAPIで、AIエージェントの構築を強力に支援することを目的としています。従来のAPI(特にChat Completions API)の上位互換として位置づけられており、より複雑なタスクや自律的なAIシステムの開発を容易にすることが期待されています。
従来の課題であった、プロンプト調整の手間やツール統合の難しさ、可視化機能の不足などを解決し、本番環境で高度なモデル機能を活用したエージェントを効率的に構築できます。
Responses APIは既存APIを土台に発展させたもので、以下が統合されたものです。
- チャット補完専門の言語モデル専用のAPI「Chat Completions API」のシンプルな使いやすさ
- ツールを活用するAIエージェントAPI「Assistants API」のツール活用機能
なお、Responses APIはAssistants APIの後継としても位置づけられており、Assistants APIは2026年半ばに廃止予定です。今後はResponses APIへの移行が推奨されます。
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Responses APIの主な特徴
Responses APIは、エージェントのコアロジック・オーケストレーション・ユーザーとのインタラクションを効率化するために設計されたAPIです。以下では、Responses APIの目的を実現する主な機能について紹介します。
マルチターン対話の統合
従来のAPIでは、複数回の対話を1回のAPIコールで処理するために開発者側で会話履歴を管理する必要がありました。Responses APIでは、単一のAPI呼び出しで複数ターンの対話を自然に実行できるようになりました。
モデルが内部で思考プロセスを持ち、ユーザーの意図を理解しながら追加のツール呼び出しや再応答を行うことが可能です。シンプルな会話だけであれば従来のChat Completions APIでも問題ありませんが、ツール呼び出しやマルチターンの自律対話が必要な場合はResponses APIの利用が推奨されます。
そして、API側で会話履歴が管理されるため、開発者側での管理が不要になり、開発生産性が向上します。
マルチモーダルなAIエージェントの構築
Responses APIは、テキスト・画像・音声といったマルチモーダルな入力に対応し、より多様な機能を持つエージェント構築を実現します。
具体的には、以下のような実装が可能です。
- テキストとプロンプト生成による会話型AIの構築:自然な対話が可能なチャットボットやFAQ対応システム
- 画像の内容を分析:画像を入力として受け取り、視覚的な情報をもとに説明や分析結果を返すAIエージェント
- 構造化JSONデータの生成:指定されたスキーマに従い、構造化されたデータを正確に出力するAIエージェント
- カスタムコードの実行:外部コードを呼び出して処理を行い、その結果を応答に組み込むAIエージェント
- Web検索や独自データの利用:最新情報や企業独自のナレッジベースから情報を取得し、応答に反映するAIエージェント
Responses APIは、業務効率化からカスタマーサポート、自動化アプリケーションまで、さまざまな用途に応用可能です。
複数の組み込みツールを呼び出し可能
Responses APIでは、Web検索、ファイル検索、コンピュータ操作といった組み込みツールをAPI内で直接利用できます。これにより、モデルが外部情報を動的に取得し、より正確かつ実用的な回答を生成できるようになります。
1回の関数呼び出しで複数の組み込みツールを同時に使用可能です。具体的には、以下のような処理を1回の呼び出しのみで自動化できます。
- 企業内の大量のドキュメントやデータファイルから関連情報を高速で検索し、必要な内容を抽出
- Web検索で外部情報を取得
- コードを実行してリアルタイムで分析や計算を実施
- GUI操作を自動化してアクションを実行
開発者が手動でツールを呼び出す代わりに、APIがどのツールを使用するかを自動的に判断し、実行します。そのため、開発者はバックエンドの複雑な制御を気にすることなく、エージェントがユーザーに即時応答できる環境を構築できます。
さらに、事前にAPIや外部ツールへのアクセスを設定しておけば、1回のリクエストで完結する対話が可能となります。
直感的なストリーミングイベントのサポート
Responses APIでは、ストリーミング形式でのレスポンス出力に対応しており、ユーザーへの応答をリアルタイムに近い形で段階的に応答できます。大きな応答を部分ごとにリアルタイムで送信するストリーミングにも対応しており、生成の途中経過を逐次処理できるためユーザー体験が向上します。
画像生成においても、生成中に部分的な画像出力を表示できます。そのため、応答の待ち時間の短縮やより自然な会話体験が実現可能です。
イベントベースでモデルの進行状況やツールの呼び出し状況を把握でき、開発者は直感的に処理の流れを把握・制御できます。
Agents SDKとの互換性
Responses APIは、OpenAIが提供する「Agents SDK」とシームレスに連携できます。Agents SDKは、ツールや処理の中断機能、デバッグ機能などを有するAIエージェントの構築ツールパッケージです。
Agents SDKとの連携により、単一または複数のエージェントを含む複雑なワークフローの構築・管理が可能です。
さらに、「response.output_text」のようなSDKのヘルパー関数を活用することで、モデルの出力内容に簡単にアクセス・利用でき、エージェントの開発と統合がよりスムーズになります。
Responses APIとAgents SDKの併用により、エンタープライズ向けの堅牢なAIエージェント開発が大幅に加速します。
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Responses APIの活用例
Responses APIを通じて、Web・ファイル検索、コンピュータ操作が必要なさまざまな業務・業種に応用可能なAIエージェントを構築できます。
以下が、具体的な活用シーンです。
活用シーン | 具体的にできること |
---|---|
高度な顧客サポートチャットボット | 顧客の複雑な質問に対し、社内ドキュメントや最新のWeb情報を自動で参照し、パーソナライズされた正確な回答を迅速に提供。 |
業務自動化エージェント | 従業員からの指示に基づいて、複数のシステムを連携させながら情報収集やタスク実行を自律的に行うエージェントを構築し、ルーティン業務を効率化。 |
RAG(拡張検索生成)ベースのナレッジシステム | 企業の持つ大量の内部データをResponses APIのファイル検索機能と組み合わせることで、高精度なナレッジ検索・生成システムを容易に構築。 |
動的な意思決定支援システム | 最新の市場データや社内データをリアルタイムで分析し、経営判断や戦略策定に役立つ情報を提供するAIシステム。 |
Responses APIの基本的な使い方
ResponsesAPI を使うと、テキストや画像の入力に対する応答生成、履歴を保ったマルチターン対話、外部ツールの呼び出し、そしてストリーミング配信までを一つのエンドポイントで実現できます。
ここでは「何ができるのか」を手早く把握できるように説明し、そのまま試せるcURL例をいくつか紹介します。
基本リクエストで応答を取得する
まずは1回だけの応答生成です。modelとinputさえ指定すれば動きます。
curl https://api.openai.com/v1/responses \
-H "Content-Type: application/json" \
-H "Authorization: Bearer $OPENAI_API_KEY" \
-d '{
"model": "gpt-4o",
"input": "ユニコーンの寝る前のお話を3文で書いて"
}'
返ってくるJSONの”id”(例: resp_abc123)は、後の会話で使うキーになります。
同じスレッドで会話を続ける
前の応答を踏まえて「もっと感動的に」とお願いする例です。
curl https://api.openai.com/v1/responses \
-H "Content-Type: application/json" \
-H "Authorization: Bearer $OPENAI_API_KEY" \
-d '{
"model": "gpt-4o",
"input": "もっと感動的に書き直して",
"previous_response_id": "resp_abc123"
}'
previous_response_idに前回のIDを渡すだけで、履歴を引き継いだ対話が行えます。
ストリーミングでリアルタイムに受け取る
長文を生成しながら画面に即時表示したい場合はstream:trueを付けます。SSE(Server-Sent Events)でトークンが逐次届きます。
curl https://api.openai.com/v1/responses \
-H "Content-Type: application/json" \
-H "Accept: text/event-stream" \
-H "Authorization: Bearer $OPENAI_API_KEY" \
-d '{
"model": "gpt-4o",
"input": "日の出をテーマに俳句を詠んで",
"stream": true
}'
ツールを呼び出して外部情報を取り込む
toolsにweb_searchなどを追加すると、モデルが自動で外部データを取得して回答します。
curl https://api.openai.com/v1/responses \
-H "Content-Type: application/json" \
-H "Authorization: Bearer $OPENAI_API_KEY" \
-d '{
"model": "gpt-4o",
"input": "最新の東京の天気を教えて",
"tools": [
{ "type": "web_search" }
],
"tool_choice": "auto"
}'
応答を後から取得・削除する
生成済みの応答は後で確認も削除もできます。
# 応答を取得
curl https://api.openai.com/v1/responses/resp_abc123 \
-H "Authorization: Bearer $OPENAI_API_KEY"
# 応答を削除
curl -X DELETE https://api.openai.com/v1/responses/resp_abc123 \
-H "Authorization: Bearer $OPENAI_API_KEY"
ResponsesAPI は「生成」「会話」「ツール連携」「ストリーミング」をワンストップで扱える強力なインターフェースです。
詳細の使い方は公式ドキュメントをご確認ください。
Responses APIの重要組み込みツール3種
Responses APIはWeb検索・ファイル検索・コンピュータ操作などの組み込みツールを標準装備しています。以下では、それぞれの組み込みツールでできることや活用事例、性能を紹介します。
Web検索
Responses APIのWeb検索ツールを活用することで、開発者はリアルタイムで正確な情報に基づく応答を提供できます。
Web検索ツールは、gpt-4oおよびgpt-4o-miniモデルと組み合わせて利用可能で、他の組み込みツールやファンクションコールとの併用も可能です。
生成された回答には、ニュース記事やブログ投稿、企業サイトなどの明確な引用元リンクが含まれており、ユーザーは必要に応じて情報の出典を確認できます。引用情報は文中に自然に組み込まれ、透明性と信頼性の高いユーザー体験を提供します。
実際、LLM開発のスタートアップHebbiaは、資産運用会社や法律事務所などが膨大な公開・非公開データセットから意思決定を行う際、Responses APIのWeb検索ツールを活用しています。活用の結果、リアルタイムな検索機能をリサーチワークフローに組み込み、市場動向に関する深いインサイトと高精度な分析の提供に成功しています。
また、短文の事実ベースの質問に対する回答精度を測る「SimpleQA」ベンチマークにおいて、それぞれ90%(gpt-4o)、88%(gpt-4o-mini)のハイスコアを記録しました。この結果は、短い質問に対して、より正確に回答できることを証明しています。

画像引用:公式サイト
Responses APIのWeb検索ツールは、迅速かつ信頼性の高い情報提供を実現し、情報探索や意思決定を支援します。
ファイル検索
Responses APIのファイル検索ツールは、大量のドキュメントから精度高く関連情報を抽出できます。PDFやtxt、Wordなど複数のファイル形式への対応のほか、以下のような機能により高度な情報検索体験が実現します。
- クエリの自動最適化
- メタデータによる絞り込み
- カスタムリランキングによる検索結果の精度向上
これらは数行のコードで簡単に実装可能で、専門的な検索エンジン構築の知識がなくても、高速かつ的確な情報抽出機能を自社アプリケーションに組み込めます。
実際に出張管理プラットフォームを提供するNavanでは、自社のAIトラベルエージェントにファイル検索ツールを統合し、顧客企業の出張ポリシーなどから迅速かつ正確に情報提供が可能な体制を整えました。また、ユーザーごとにベクトルストアを分離管理することで役職や所属チームに応じたパーソナライズされた回答の提供が可能となり、RAG(検索拡張生成)による高精度サポートを実現しています。
ファイル検索ツールは業務に直結するナレッジ活用を支え、ユーザー体験と業務効率の両面で大きな価値をもたらすでしょう。
コンピュータ操作
Responses APIにはComputer-Using Agent(CUA)モデルに基づいたコンピュータ操作ツールが組み込まれており、マウス操作やキーボード入力を含むデスクトップ操作の自動化が可能です。CUAとは、人間と同じようにPC画面上のボタンやメニューを操作できるエージェントです。
コンピュータ操作ツールは、OpenAIが提供するOperatorにも採用されており、以下のようなユースケースに活用できます。
- Webアプリの品質保証
- レガシー業務システムの自動データ入力
- GUIを介したプロセスの自動化
モデルはユーザーの指示に基づいてUIを操作し、実行可能なコマンドとして出力・実行されるため、RPAでは難しい非構造化操作も柔軟に対応できます。
実際にLuminaiは、API未整備かつ非標準なレガシーシステムを多数抱える大企業に対し、コンピュータ操作ツールによる業務自動化ソリューションを提供しています。また、大手コミュニティサービス企業とのパイロットでは、従来RPAでは数カ月かかった申請書処理やアカウント登録業務を、わずか数日で自動化・完了させた実績があります。
Responses APIのコンピュータ操作ツールは、従来のRPAを超える柔軟性とスピードを持ち、非API環境でも高度な業務自動化を可能にする有効な手段といえます。
Responses APIの導入メリット
Responses APIはAIエージェントの開発においてさまざまなメリットをもたらします。以下では、Responses APIの導入メリットを紹介します。
開発効率の向上
Responses APIは、モデルの出力だけでなく、ツールとの連携や外部データとの統合処理まで一貫して行えるため、より高精度・高信頼な応答生成が可能になります。
マルチターン対話の管理やツール呼び出しのオーケストレーションといった複雑な処理がAPI側で統合されているため、開発者はこれらの基盤部分に労力を割く必要がありません。これにより、AIエージェントの開発期間を短縮し、より迅速に市場投入できます。
AIモデルの性能向上
Responses APIは、OpenAIの最新生成AIモデルを最大限に活用できるよう設計されています。そして、組み込みツール(Web検索、ファイル検索)により、AIは最新の情報や企業独自の知識ベースにアクセスできるようになります。
これにより、生成される回答の精度、関連性、そして実用性が大幅に向上し、より信頼性の高いAIシステムを構築できます。
サードパーティツールに依存せず自社アプリに直接組み込める
Responses APIの特筆すべき特徴が、サードパーティツールに依存せず、自社アプリケーションに直接組み込めることです。複数のAPIや外部ベンダーとの複雑な統合を行うことなく、情報収集能力の高いエージェントを構築できます。
独自の業務フローやセキュリティ要件に応じた柔軟な実装が可能となり、ビジネス現場での応用範囲が広がります。
エージェントのパフォーマンスを評価できる
Responses APIでは、やり取りや出力結果などのデータをOpenAI上に簡単に保存でき、エージェントの応答内容や処理状況の追跡・評価が容易に行えます。そのため、ユーザー体験や応答精度を客観的に分析し、改善につなげるフィードバックループの構築が可能です。
AIエージェントの品質を継続的に評価・改善できる仕組みを構築でき、大規模なサービス展開にも柔軟に対応できます。
関連記事:「LLMの評価とは?LLM-as-a-Judgeの概要・メリット」
追加のチューニングなしでRAGを活用できる
Responses APIは、RAGを追加のチューニングなしで簡単に導入できます。データの前処理や検索精度や個別設定などチューニングを開発側で気にする必要がありません。
ファイル(ドキュメント)をアップロードしAPIを呼び出すだけで、組み込みのクエリ最適化・リランキング機能によって高精度なRAGパイプラインの実現が可能です。
そのため、開発負荷を抑えつつ高度なRAGを構築できます。
Responses APIの注意点
Responses APIの導入・運用にあたっては注意点もあります。事前に把握しておくことで、より効果的な活用が可能です。以下では、3つの注意点を紹介します。
高度な開発スキルが必要
Responses APIは、1回のAPI呼び出しで多機能を統合実行できる反面、実装には高度なPythonのコーディングスキルが不可欠です。バックエンドでの設計・処理フローを柔軟に構築できる一方で、実装負荷は相応に高くなります。
従来のシンプルなAPIに比べて機能が多いため、開発者がAPIの機能や挙動を完全に理解し、最大限に活用するためには一定の学習が必要です。
APIコストが読みにくい
Responses APIはAPI自体に定額料金はなく、従量課金制です。具体的には、以下の要素に基づいてコストが発生します。
- トークン数(入力・出力)
- GPT-4oやGPT-4o-miniなど、選択したモデルの種類
- 使用した組み込みツールの回数
高度な機能を持つ分、従来のAPIと比較して利用コストが高くなる可能性があります。ユーザーの入力パターンやプロンプトの肥大化により、トークン消費量が予測しにくくなります。
また、どの組み込みツールが使われるかは指定しない場合、ユースケースによって異なるため、実運用でのコスト予測が難しくなります。特に、多くのツール呼び出しや複雑なマルチターン対話を行う場合、コスト管理が重要になります。
そのため、運用前にコストシミュレーションや利用上限の設定を検討することが重要です。
コンピュータ操作は低精度

Responses APIでは全体的に高性能な出力が得られますが、現状一部ツールでは精度に課題があります。
特に、コンピュータ操作ツールは、以下の主要ベンチマークの結果から見て取れるように発展途上です。
- OSWorld:38.1%
- WebArena:58.1%
- WebVoyager:87%
そのため、一部の操作タスクにおいては誤動作や未対応が生じる可能性もあり、現時点では人による確認工程やフォールバック設計が欠かせません。
Responses APIについてよくある質問まとめ
- Responses APIとはどのようなものですか?
Responses APIは、OpenAIが提供する新しいAPIで、AIエージェントの構築を強力に支援することを目的としています。
従来のChat Completions APIのシンプルさとAssistants APIのツール活用機能を統合しています。
Assistants APIの後継と位置づけられ、2026年半ばにAssistants APIは廃止予定のため、Responses APIへの移行が推奨されます。
- 組み込みツールにはどのような種類がありますか?
現時点で利用可能な組み込みツールには、以下のようなものがあります。
- Web検索(リアルタイム情報の取得)
- ファイル検索(PDFや文書データからの情報抽出)
- コンピュータ操作(マウス・キーボードの自動化)
これらを1回のAPI呼び出しで複数同時に使用可能です。
- Responses APIの主な特徴は何ですか?
Responses APIは、AIエージェントのコアロジック、オーケストレーション、ユーザーインタラクションを効率化するために設計されています。
- マルチターン対話の統合: API側で会話履歴を管理し、自然な複数ターンの対話を実現します。
- マルチモーダルなAIエージェントの構築: テキスト、画像、音声の入力に対応し、チャットボット、画像分析、構造化JSONデータ生成などが可能です。
- 複数の組み込みツールを呼び出し可能: Web検索、ファイル検索、コンピュータ操作などを単一のAPI呼び出しで統合・自動実行できます。
- 直感的なストリーミングイベントのサポート: 応答をリアルタイムで段階的に出力し、ユーザー体験を向上させます。
- Agents SDKとの互換性: OpenAIのAgents SDKと連携し、複雑なワークフローの構築・管理を支援します。
- Responses APIはどのような場面で活用できますか?
Responses APIは、Web検索・ファイル検索・コンピュータ操作が必要な様々な業務・業種に応用可能です。
- 高度な顧客サポートチャットボット: 社内ドキュメントや最新Web情報を参照し、正確な回答を迅速に提供します。
- 業務自動化エージェント: 従業員の指示に基づき、複数システム連携での情報収集やタスク実行を自律的に行い、ルーティン業務を効率化します。
- RAG(拡張検索生成)ベースのナレッジシステム: 企業の内部データを活用し、高精度なナレッジ検索・生成システムを構築します。
- 動的な意思決定支援システム: 市場データや社内データをリアルタイム分析し、経営判断や戦略策定に役立つ情報を提供します。
- Responses APIを導入するメリットは何ですか?
Responses APIの導入は、AIエージェント開発において多様なメリットをもたらします。
- 開発効率の向上: 複雑な処理がAPI側で統合されているため、開発期間を短縮できます。
- AIモデルの性能向上: 組み込みツールにより、最新情報や企業独自の知識ベースにアクセスでき、回答精度と信頼性が向上します。
- サードパーティツールに依存せず自社アプリに直接組み込める: 複数のAPIや外部ベンダーとの複雑な統合なしに、情報収集能力の高いエージェントを構築できます。
- エージェントのパフォーマンスを評価できる: 応答内容や処理状況の追跡・評価が容易で、品質改善サイクルを構築できます。
- 追加のチューニングなしでRAGを活用できる: ファイルをアップロードしAPIを呼び出すだけで、組み込みのクエリ最適化・リランキング機能により高精度なRAGパイプラインが実現可能です。
- Responses APIの利用における注意点は何ですか?
Responses APIの導入・運用にあたっては、以下の注意点を把握しておくことが重要です。
- 高度な開発スキルが必要: 1回のAPI呼び出しで多機能を統合実行できる反面、実装には高度なPythonコーディングスキルが不可欠です。
- APIコストが読みにくい: トークン数やモデルの種類、組み込みツールの使用回数に応じて従量課金制であり、予測しにくい場合があります。運用前にコストシミュレーションや利用上限の設定が推奨されます。
- コンピュータ操作は低精度: 特にコンピュータ操作ツールは発展途上であり、OSWorld、WebArena、WebVoyagerといった主要ベンチマークでまだ改善の余地があるため、人による確認やフォールバック設計が必要です。
まとめ
Responses APIは、AIエージェントの開発効率向上に役立つOpenAIの強力なAPIです。Web検索やファイル検索、コード実行などの組み込みツールを単一の関数呼び出しで統合でき、開発工数の削減と応答品質の向上を同時に実現します。
しかし、その導入には高度な開発スキルやコスト管理、そして一部機能の精度に関する注意点を理解しておくことが不可欠です。本記事でResponses APIの全体像を掴んでいただけたかと思います。
しかし、貴社の具体的なビジネス課題にAIをどう適用していくか、さらには複雑なシステム連携やセキュリティ要件への対応など、より詳細な知識や知見が必要となる場面も少なくありません。
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