LLMとは?ChatGPTとの違い・企業活用事例・種類・導入方法とコスト・代表サービスを徹底解説!
最終更新日:2025年01月22日
生成AI(ジェネレーティブAI)の発展に伴い、「LLM(大規模言語モデル)」への関心が高まっています。特に、ChatGPTの急速な普及によりメディアでも非常に多く取り上げられています。
多くの企業が導入を検討する一方で、どのモデルを選べばいいのか、自社開発は必要なのか、どう活用できるのかといった疑問を抱えています。
この記事では、
こちらでChatGPTの仕組み、活用方法を詳しく説明しています。
AI Marketでは、
ChatGPTの導入支援ができるAI開発会社について知りたい方はこちらで特集していますので併せてご覧ください。
LLMとは?
LLM(Large Language Models)は日本語に訳すと「LLM(大規模言語モデル)」で、多くのテキストデータから学習し、人間のような文章を生成できるAIモデルの一種です。言語処理の分野で最先端の技術であり、昨今注目されている生成AIの代表格と言えます。
AIモデルにどんな種類があるかこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
LLMの特徴は以下の通りです。
規模 | 数百億から数兆のパラメータを持っているので、複雑なパターンと構造を学習可能 |
訓練データ | 広範なドメインと言語で訓練されており、多岐にわたるタスクに対応可能 |
汎化能力 | 大規模なパラメータとデータにより、LLMは新しいデータやタスク(未見のデータ)に対して正確に予測や分析を行える |
コスト | 訓練と実行は非常にコストがかかり、専門的なハードウェアと人員が必要 |
上記の特徴が、LLMが複雑で高度なタスクを実行できる理由を説明しています。
ただし、パラメータをとにかく大きくしようとする時代も限界が見え始めているという意見もあります。量子技術を用いて計算量を抑制することで高性能なハードウェアを不要とする量子LLMも既に実用化されています。
関連記事:「KandaQuantumがLLMを組み合わせた量子生成AI「CalQamel」開発開始」
ほとんどのLLMはインターネット上の膨大なテキスト情報からパターンを学び取り、自然言語処理(NLP)の分野の一種であり、人々が普段使う言語を理解し生成する能力を持ちます。大量のデータと複雑なアルゴリズムに基づいて動作し、多岐にわたるタスクで使用されることが一般的です。
LLMの歴史
自然言語処理の初期の段階では、ルールベースや統計ベースの手法が主に用いられました。2010年代初頭ごろから、ディープラーニング(深層学習)の進展に伴い、単語の埋め込みやRNN、LSTMなどのアーキテクチャが開発されました。
関連記事:「ディープラーニングと機械学習の違いは?使い分け注意点、ビジネス活用事例徹底解説!」
2017年、GoogleがLLMのベースとなるTransformerというモデルを発表しました。このモデルは文中の単語どうしの関連性を理解するAttention機構(注意機構)を導入し、自然言語処理の分野に革命をもたらし、昨今のLLMの全世界的な流通の発端となっています。
このTransformerをベースに、BERTやGPTのような有力モデルが登場しました。特に、GPTシリーズは大規模なパラメータを持つモデルとして注目されています。
2020年代に入ると、より大規模なモデルが開発され、LLMが主流となりました。OpenAIのGPT-3、GPT-4などが代表例です。
ChatGPTはLLM?
ChatGPTは直接的にLLM(大規模言語モデル)ではなく、LLMを基に構築された対話型AIのサービスです。OpenAIのOpenAI o1、GPT-4oと言ったLLMによって駆動されており、質問への回答、文章生成、会話シミュレーションなどを行います。
Googleの対話型AIであるBard(現在はGemini)は、GoogleのLLMであるPaLMやGeminiをベースとしており、MicrosoftのCopilotでは、GPTをベースとしています。
このように、ChatGPT自体はLLMではなく、LLMをベースとし、コミュニケーションを取りやすいインターフェースを持つ対話型サービスというのが正確な表現です。
関連記事:「ChatGPTとは?できることは?どのように活用できるのか?ChatGPTの基本を徹底解説」
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LLMで何ができる?
LLMは、以下の主要な機能を提供しています。
機能 | 概要 |
---|---|
テキスト生成 | 物語や記事など、特定のテーマに基づいて文章を作成する能力。ニュース記事の自動生成などに利用 |
文章の理解と解釈 | 与えられた文章の意味を理解し、特定の質問に答えることや要約を提供する能力 |
機械翻訳 | 英語から日本語など、異なる言語間での文章の翻訳が可能 |
感情分析 | レビューなどの文章から、人々が商品やサービスに対してどのように感じているかを分析する能力 |
マルチタスク学習 | 複数の異なるタスクを一つのモデルで学習する能力で、効率的な学習が可能 |
音声認識と生成 | 音声データをテキストに変換したり、逆にテキストから音声を生成 |
画像認識 | 一部の先進的なモデルは、画像を理解してそれに関する質問に答える能力も持っています。 |
ベクトル検索 | テキストや画像などのデータを数値ベクトルに変換し、それらの類似性を計算することで関連情報を効率的に検索する技術。LLMの知識検索や文脈理解の向上に貢献します。 |
尚、GPTやGeminiのようにLLMとして知られているモデルも、言語処理以外にも画像認識やデータ分析等が可能なモデルとして発展しています。LLMという言語に特化したモデルというよりも、マルチモーダル化された以下のような統合的なモデルや特定の目的に特化されたモデルなど細分化されていることには注意が必要です。
- VLM(Vision-Language Model)
- MLLM(Multimodal Large Language Model)
- MLM(Masked Language Model)
- SLM(Small Language Model)
- 基盤モデル(Foundation Model)
LLMとSLMの違い
2023年後半頃からは、LLMと対をなすキーワードとしてSLMという言葉が使われるようになりました。
SLMとは小規模言語モデルを指し、特定の用途に限定した活用が可能で、計算コストが少なくコスト効率に優れた言語モデルとなっており、LLMに比べてデバイス搭載など多用途で扱いやすいとされている軽量のモデルです。
GPTはLLMであるのに対し、SLMにはMicrosoftのPhi-2、Phi-3や、NTTのtsuzumiが該当します。
SLMとは何か、どんなモデルがあるか、こちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
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LLMの仕組み
LLMの内部は、以下のように主に3つの要素で構成されています。
LLMの仕組み | 概要 |
---|---|
Transformer | 文章内の単語間の関係を捉えるための特別な設計です。 単語同士がどう関連しているかを理解し、より人間に近い文章の生成を可能にします。 |
ディープラーニング(深層学習) | 多くの層を持つニューラルネットワークを使用して、人間の脳のように情報を処理します。 多くの層があるほど、より複雑なパターンを学ぶことができます。 |
転移学習 | 一般的な知識を学ぶために大量のデータで訓練した後、特定のタスクに対して追加の学習を行う方法です。 これにより効率的な学習が可能になります。 |
LLMで使用されるアルゴリズム
以下は、LLMがどのように動作するかを支える主要なアルゴリズムと技術です。
アルゴリズム | 概要 |
---|---|
自己注意(Self-Attention)機構 | 単語が文中の他の単語とどのように関連しているかを理解するための技術。 例えば、「彼は」が誰を指しているのかを特定します。 |
位置エンコーディング(Positional Encoding) | 位置符号化とも呼ばれる。単語の順序(どの単語が先に来るかなど)をコンピューターに教えるための情報。 言語は順序に敏感なので、これは重要な概念です。 |
マルチヘッドアテンション (Multi-head Attention) | 文章をいくつかの部分に分割してそれぞれに注意を払う機能。 異なる側面からの理解が深まります。 |
正則化技術 | モデルが訓練データだけでなく、未知のデータに対してもうまく機能するように調整する技術。 |
最適化アルゴリズム | 訓練プロセスを速く効率的に進めるための数学的な手法。モデルが迅速に学ぶのを助けます。 |
これらの機能と仕組みは、LLMを非常に強力で多岐にわたるタスクをこなせるツールにしており、その応用範囲は今後も広がりを見せるでしょう。
代表的なLLMサービス
商用利用可能な商品を含めて、主要LLMには以下があります。基本的に、一つのシステムで一つのLLMが実装されていますが、LangChainの活用により複数のLLMを組み合わせて順番に使用することも可能です。
こちらでLangChainの機能、活用事例を詳しく説明しています。
OpenAI GPTシリーズ、oシリーズ
OpenAIのGPTシリーズは多言語対応の強力なモデルで、大規模な訓練データと洗練されたアーキテクチャによって、さまざまな言語の生成と理解が可能です。ChatGPTに搭載されていることで実社会でもムーブメントを巻き起こして、生成AIの代名詞となっています。
OpenAIのGPTシリーズは、多言語対応の強力なモデルとして進化を続けています。
GPT-3
GPT-3は、1750億のパラメータを持つ強力なモデルで、20種類以上の言語を理解し生成できます。文章生成、翻訳、要約、質問応答など、多岐にわたるタスクに対応しています。
GPT-4シリーズ
GPT-4は、GPT-3をさらに強化したモデルです。パラメータ数は非公開ですが、GPT-3を大幅に上回ると推測されています。GPT-4は、テキストだけでなく画像入力も受け付けるマルチモーダルモデルとなりました。
2023年11月に発表されたGPT-4 Turboは、GPT-4の改良版です。学習データが2023年4月まで更新され、コンテキストウィンドウがGPT-4の4倍の12万8000トークンに拡大しました。
また、パフォーマンスの最適化により、GPT-4と比較して入力トークンの価格は3分の1に、出力トークンの価格は半額になりました。
2024年5月に発表されたGPT-4o(”o”は”omni”の略)の主な特徴は以下の通りです。
- マルチモーダル機能:テキスト、音声、画像、動画の入力を受け付け、テキスト、音声、画像の出力が可能です。
- 効率性の向上:GPT-4 Turboと比較して2倍高速で、APIでの利用価格が安くなっています。
- 感情表現の向上:音声出力において、感情を込めた話し方や歌唱が可能になりました。
GPT-4o miniは、OpenAIが2024年7月18日に発表したGPT-4oの小型版モデルです。以下にGPT-4o miniの主な特徴と機能をまとめます。
- コスト効率:GPT-3.5 Turboと比較して60%安価で、入力トークンあたり15セント、出力トークンあたり60セントです。
- 高速処理:GPT-4oの2倍の速度で動作し、113トークン/秒の出力速度を持ちます。
- 大規模コンテキスト:128,000トークンのコンテキストウィンドウと、16,384トークンの最大出力トークン数を持ちます。
oシリーズ
OpenAIのoシリーズは従来のGPTシリーズとは異なるアプローチを採用しており、思考時間を設けることによって、より複雑な課題を解決する能力を持つ推論モデルです。数学の問題やプログラミングなど思考力を必要とする問題をGPTよりも効果的に解決することができます。
2024年9月、o1-previewは従来のGPTシリーズとは一線を画すoシリーズの試験的なモデルとして発表されました。特徴は以下のようになります。
- 高度な推論能力:科学、数学、コーディングの分野で優れた問題解決能力を発揮します。
- 思考時間の強化:回答生成前により多くの時間をかけて深い推論が可能です。
- 複雑なタスクに特化:設計が複雑な問題解決向けに最適化されています。
o1-previewと同時に軽量版のo1 miniも発表されました。以下にo1 miniの特徴と機能をまとめます。
- 軽量・高速:基本的な能力を維持しながら処理速度と効率性を向上しています。
- STEM分野に最適:特に数学やコーディングにおいて優れた性能を発揮します。
- ベンチマークで高評価:AIMEやCodeforcesなどの評価基準でo1とほぼ同等の結果を達成しています。
o1はo1-previewの正式版として2024年12月にリリースされました。o1-previewをベースに改良が加えられ、推論時間が大幅に短くなっているだけでなく、特にプログラミング分野で大幅に性能が向上しています。
また、o1と同時にo1の上位モデルとして、o1 proも発表されました。o1 proはo1よりも長い推論時間で難しい問題に対してより正確な回答を生成する点が特徴です。
さらに、o1が正式にリリースされてから約2週間後、o1の次世代モデルとしてOpenAI o3が発表されています。
GPT-4を活用して自身の誤りを発見する新たなAI評価モデルCriticGPTや新しいAI検索機能SearchGPTなど、LLMの世界でOpenAIは先頭を突き走っています。
Gemini
Geminiとは、Googleが開発した生成AIモデルです。LLM(大規模言語モデル)ですが、そもそもの設計がマルチモーダルであるため、テキスト、画像、オーディオ、ビデオ、コードなど様々な種類の情報を扱うことができ、人間の学習や相互作用に近いMLLM(マルチモーダルLLM)です。
ディープラーニングを搭載したAIで囲碁の世界チャンピオンに勝ったことで知られる囲碁プログラムAlpha Goを開発したDeep Mind社が関わっており、GeminiにはAlpha Goの技術が備わっていることが発表されています。
2024年2月に発表されたGemini 1.5 Proは、主要な指標の多くでGPT-4を上回る性能を示しています。特に、100万トークンのコンテキストウィンドウを持ち、最大1,500ページまでの大規模なデータセットやドキュメントを効率的に処理できます。
2024年12月に発表されたGemini 2.0 Flashは、従来のGemini 1.5 Proの2倍の処理速度を実現しつつ、推論能力が強化されているため、複数のステップを要する質問や高度な数式、コーディングなどにも対応可能です。さらには、テキスト、画像、音声などのマルチモーダル入力に対応し、複雑なタスクを自律的に実行できます。
またGemini 2.0 Flashが発表された約1週間後に、より強力な推論機能を備えたGemini 2.0 Flash Thinkingも試験運用版モデルとしてGoogle AI Studioで公開されました。
Geminiは、Google検索、Google広告、Chrome、開発支援を目的としたDuet AIなど、Googleの主要な製品・サービスに順次導入されています。また、Vertex AI上でGemini APIとして利用可能になり、開発者がGeminiを利用したアプリケーション開発を行えるようになりました。
Googleが提供する生成AIモデルのプロトタイピングと実験に特化しているGoogle AI Studioで、Gemini 1.5 Pro、Gemini 1.5 Flash、 Gemini 1.5 Flash-8B、Gemini 2.0 Flash、Gemini 2.0 Flash Thinkingなどを利用可能です。
さらに、Project AstraではGeminiモデルをベースにマルチモーダル情報を素早く処理し、コンテキストを理解して質問に応答できるAIエージェントの開発が進められています。
Geminiとは?どんな特徴があるか?こちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
Meta Llamaシリーズ
Llama 2(ラマ2)はMetaとMicrosoftが共同で開発した次世代のLLM(大規模言語モデル)で、オープンソースとして研究や商用利用に無料で提供されています。その名前は「Large Language Model Meta AI」の略から来ています。
Llama 2はGoogleやOpenAIのLLMの代替として機能し、大量のテキストデータを学習することでさまざまな自然言語処理タスクをこなすことができます。
Llama 2は、3つの異なるモデルを提供しており、それぞれ70億、130億、700億のパラメーターでトレーニングされています。さらに、会話に特化した「Llama 2 Chat」というバージョンもリリースされています。
Llama 2の提供は2023年7月18日に開始され、商用利用も可能な形で無料で提供されるため、その活用範囲は広がると期待されています。
そして2024年4月19日には、Llama 3、2024年9月にはマルチモーダル機能を持つ「Llama3.2」も発表されました。また、2024年12月に軽量にもかかわらず高い性能を誇るLlama 3.3も発表されました。なお、Llama3.3はテキストプロンプトのみでマルチモーダル機能は持ちません。
Llama 2、Llama 3ともにオープンソースなのでローカルLLMなど別企業のカスタムLLMのベースとされて使われることも多いLLMです。
Llamaの詳細な特徴、使い方をこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
Anthropic Claudeシリーズ
「Claude」は、Anthropic社によって提供されるAIアシスタントです。テキストの要約、文書作成、コーディングなどのタスクに対応するチャット型サービスの機能を持っています。
Anthropic社は、OpenAIの元研究者によって設立されたスタートアップ企業です。
OpenAIのChatGPTと競合するテキスト生成AIモデルとして位置付けられています。APIの提供やSlackなどとの連携が可能で、多岐にわたるサービスとの組み合わせが容易です。
Claude 2
2023年7月に「Claude 2」が発表されました。前世代に比べて、パフォーマンスと安全性の向上が図られ、より長い回答を生成することが可能になっています。また、Claude 2は有害な出力の生成確率が低く、より安定した動作を実現しているとされています。
Claude 2は2023年10月にはグローバルにアクセス可能になり、日本を含む95の言語をサポートしていることで、日本からの利用も容易になっています。
Claude 2のグローバル展開は、Amazon社の支援を受けています。
Claude 3シリーズ
2024年3月、Anthropicは「Claude 3」シリーズを発表しました。このシリーズには以下の3つのモデルが含まれています。
- Claude 3 Haiku:最も高速なモデル
- Claude 3 Sonnet:バランスの取れたモデル
- Claude 3 Opus:最も高性能なモデル。発表時点でGPT-3.5、GPT-4、Gemini 1.0を上回る性能
さらに、2024年6月、AnthropicはClaude 3.5を発表しました。Claude 3.5 Sonnetは、Claude 3 Opusの2倍の速度で動作し、複雑なタスクに適しているとされています。
また、GPT-4o、Gemini 1.5、Meta社のLlama-400Bモデルを一般的に上回る性能を示しました。
Mistral AI Mistralシリーズ・Mixtralシリーズ
Mistralシリーズ・Mixtralシリーズは、フランスのAIスタートアップMistral AIが開発したLLM(大規模言語モデル)です。高性能かつ効率的な自然言語処理能力を持ち、研究や商用利用に提供されています。
Mistral AIのモデルは、テキスト生成、コード補完、多言語対応など幅広いタスクをこなすことができ、ChatGPTやGPT-4などの競合モデルに匹敵する性能を示しています。特に、Pixtral Largeは画像認識能力も備えており、次世代のAIモデルとして注目を集めています。
Mistralシリーズは、主に以下のモデルで構成されています。
- Mistral 8B:8Bパラメータの高密度トランスフォーマーモデルで、小規模ながら高い能力を発揮します。
- Mistral Small:32,000トークンのコンテキストウィンドウを持ち、シンプルなタスクに最適化されています。
- Mistral Large:複雑な推論や専門的なタスクに適した高性能モデルです。
- Mistral Large 2:多言語対応や会話能力が強化された最新バージョンです。
- Pixtral Large:1,240億パラメータを持つマルチモーダルAIモデルで、テキストと画像の両方を処理できます。
これらのモデルは2023年から2024年にかけて順次リリースされ、一部はオープンソースとして提供されています。また、APIを通じたライセンス契約での利用も可能です。
関連記事:「Mistral AIの魅力や提供モデル、特徴を詳しく解説し、その活用方法についてご紹介」
Command R+
Command R+は、AIスタートアップ企業Cohereが2024年4月5日に発表したLLM(大規模言語モデル)です。同年3月13日に公開されたCommand Rの性能を大幅に向上させたバージョンとして位置付けられています。
Cohereは、Transformerモデルの提唱者を創業メンバーに迎え、著名な研究者や大手テック企業からの支援を受けながら急成長を遂げてきた企業です。Command R+の開発は、企業のAI活用を加速させることを目的としており、特にエンタープライズユースケースでの優れたパフォーマンスを実現するために設計されています。
Command R+の主な特徴として、高度なRAG技術の採用が挙げられます。これにより、外部データソースからの情報取得と生成プロセスへの統合が可能となり、より正確で信頼性の高い出力を実現しています。
Command R+は128,000トークンという広範なコンテキストウィンドウを持ち、長文や複雑な文書の処理に優れています。これらの特徴により、契約書の分析や学術的な研究報告書の要約など、大量の情報を扱うビジネスシーンでの活用が期待されています。
Cohereは、Command R+の発表と同時に、Microsoft AzureやOracle Cloud Infrastructure(OCI)などの主要クラウドプラットフォームでの利用を可能にすることで、企業での導入を促進しています。
関連記事:「Cohereとは?Command R+が大企業に選ばれる理由・導入事例を徹底紹介!」
Google LaMDA
Google LaMDA(Language Model for Dialogue Applications)は1370億のパラメータを持ち、特に会話型アプリケーションに焦点を当てた言語モデルです。2017年にオープンソース化されています。
LaMDAは、自然な会話の流れを模倣する能力を持ち、人と人との対話のように感じる応答を生成できます。現在はGoogleの対話型AI「Bard」に採用されています。
Google PaLM2
PaLM2は、多言語対応、推論、コーディングの性能を向上させた最先端のLLM(大規模言語モデル)で、前世代のPaLMの研究を発展させています。100以上の言語テキストを学習し、ニュアンスを含む表現の理解、翻訳、生成が可能で、効率的に高速な動作を実現しています。
一部報道によれば、PaLM2のパラメータ数は3400億とされており、従来のモデルよりも高性能であると言われています。
PaLM2の特徴、すごいところをこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
Google BERT
Google BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)は、Googleが2018年10月に発表した自然言語処理(NLP)モデルです。日本語では「Transformerによる双方向のエンコード表現」と訳されています。
BERTは、翻訳、文書分類、質問応答などのNLPタスクにおいて2018年当時の最高スコアを叩き出し、大きな注目を集めました。強みはその汎用性で、WikipediaやBooksCorpusなどの大量の文章データを事前学習し、様々なタスクに応用できる点です。
Googleは、検索システムにBERTを導入し、ユーザーへの理解を深めており、その実績は「GLUE」という指標で最高スコアを収めています。ゆくゆくはGeminiに置き換えられていくことが予想されます。
関連記事:「BERTとは?Googleの自然言語処理モデルが重要な理由・アーキテクチャ・メリット・活用例を徹底解説!」
Alpaca 7B
「Alpaca」とはスタンフォード大学が開発・公開した特別な言語モデルで、MetaのLLM(大規模言語モデル)「Llama」の7B(70億)パラメータモデルを基盤としています。このLlamaモデルは、他の一般的なLLM(大規模言語モデル)と比べてパラメータ数が少なく、その効率性から世界中の研究者が利用しています。
Alpacaは学術目的にのみ利用が許可されており、商用利用は禁止されています。
Alpacaの開発においては、特に「命令追従性」に焦点が当てられました。これにより、より小さな環境でGPT-3.5と似た動作を簡単かつ安価に再現できる能力が提供されています。
NEC日本語特化型LLM
NECは、日本語に特化した「ジェネレーティブAI」(生成AI)を開発し、それに関連したサービスをトータルで提供すると発表しました。この新たなLLM(大規模言語モデル)は、130億パラメーターを持ち、世界最大級の日本語に特化したモデルとされています。
このLLMの最大の特長は、性能で海外製のLLMを凌駕しつつ、非常にコンパクトで超軽量化されている点です。パラメータサイズは海外製と比較して13分の1に抑えられており、標準的なサーバーでも動作可能な設計になっています。これにより、アプリのスムーズな動作や電力消費、サーバーコストの削減が可能になります。
NECのLLMの性能は、日本語言語理解の評価システム「JGLUE」で確認され、知識量で81.1%、文書理解で84.3%のスコアを記録しました。これは「世界トップレベルの性能」と評され、従来、日本語のLLMがほとんど存在しなかった中で、あらゆる業界の業務に適応可能なモデルとなると期待されています。
関連記事:「日本語特化LLMおすすめ徹底解説!なぜChatGPTだけでは不十分?現状と今後の期待」
BitNet b1.58
BitNet b1.58は、Microsoft Research AsiaとChinese Academy of Sciencesの共同研究チームによって開発された軽量LLMモデルです。2024年2月27日に論文『The Era of 1-bit LLMs: All Large Language Models are in 1.58 Bits』で発表されました。
主な特徴を以下に挙げます。
- 量子化技術:各パラメータを-1、0、+1の3値で表現する1.58ビット量子化技術を採用しています。
- メモリ使用量:70Bパラメータモデルで、LLaMAの7.16分の1
- 推論速度:LLaMAの4.1倍
- エネルギー効率:行列乗算のエネルギー消費がLLaMAの71.4分の1
- 性能:従来の32ビットや16ビットモデルと同等の性能を発揮しつつ、大幅な効率化を実現しています。
- スケーラビリティ:モデルサイズが大きくなるほど、効率性が向上する傾向があります。
BitNet b1.58は、LLM(大規模言語モデル)の軽量化と効率化に大きな可能性を示しており、AIの社会実装を加速させる潜在力を持っています。ただし、現時点では研究段階にあり、実用化にはさらなる開発と検証が必要です。
この技術の進展により、モバイルデバイスでのAI実装やクラウドインフラの効率化など、様々な分野でのイノベーションが期待されています。
関連記事:「1ビットLLMの衝撃!BitNet b1.58の概要と活用方法について徹底解説!」
AI Marketでは、
企業でのLLMの活用事例
LLMは人材育成から製品開発まで、幅広い分野で企業の効率と革新を向上させる重要なツールとなっています。企業はこれらの機能をうまく活用することで、市場での競争力を強化し、未来への成長を促進することが可能です。
LLMをビジネス活用するためのアイデアを以下で提案します。
カスタマーサポートの自動化と効率化
LLMの使用は、カスタマーサポート業務を革新的に変革しています。LLMを活用したチャットボットは、顧客からの質問に24時間365日対応することが可能で、人的リソースの削減と応答時間の短縮が実現しています。
また、多くのLLMは多言語対応が可能で、異なる言語を話す顧客へのサポートも効率的に提供できます。
特に、RAG(検索拡張生成:Retrieval-Augmented Generation)と呼ばれる技術を用いて、企業独自の内部データ(例えば製品に関するよくある質問と回答など)を元に回答を行えるようにすることで、企業ごとに適切なカスタマーサポートを実現することが可能になります。
オリジナルの回答を行うLLMを構築する手法として、ファインチューニングと呼ばれる手法もありますが、外部に保管したデータを参照しながら回答を生成するRAGのほうが一般的にコストメリットが優れているため、多くの企業がRAG技術を取り入れています。
そして、顧客の過去の対話履歴を活用したり、購買履歴データと組み合わせることで、より個人個人に合わせたサポートを提供することも可能です。
RAGについてはこちらで詳しく解説しています。
関連記事:「PKSHAグループと三井住友トラストHDがLLM(大規模言語モデル)を活用した次世代コンタクトセンターを構築開始」
コンテンツ生成とマーケティングの強化
マーケティング領域でも、LLMの力を借りることで多くの進展が見られます。LLMは、コンテンツライターと連携して、効率的に高品質なコンテンツを生成することができます。
そして、顧客の嗜好や行動を解析し、ターゲットに合った広告内容を自動生成することが可能です。ソーシャルメディア戦略では、ソーシャルメディア上のトレンドを分析し、最適なタイミングでの投稿やキャンペーンの設計が可能になります。
ただし、LLMの特性として、ハルシネーションと呼ばれる「もっともらしく嘘をつく(事実に基づかない情報を生成する)」という性質があるため、コンテンツを提供する前に専門家による人力チェックなどの工程が欠かせませんので注意が必要です。
データ分析とインサイト抽出の最適化
データドリブンな決定を支援するためにも、LLMの活用が進んでいます。大量のデータを処理し、意味のある可視化を提供することで、企業はより迅速な意思決定が可能になります。
データドリブン経営のメリットをこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。
ChatGPT等を通して活用可能なデータ分析機能では、データの中から重要なパターンやトレンドを自動的に特定し、ビジネス戦略の構築に活用することができます。さらに、過去のデータから未来のトレンドを予測し、供給チェーン管理や販売予測など、さまざまな業務で使用することができます。LLMは、それらの分析結果を適切な表現で言葉で出力することができます。
例えば、アンケート内容の分析など、多くのテキストデータからマーケットニーズや顧客の声を可視化することも可能です。
LLMを活用したこれらの戦略は、企業が効率的でパーソナライズされたサービスを提供し、競争優位を築く重要な手段となっています。。
人材育成と教育プログラムのサポート
LLMは、人材育成と教育の分野にも影響を与えています。
LLMは学習者の能力や興味に応じたカスタマイズされた学習プランを生成できます。これにより、各個人のニーズに合わせた効率的な学習が可能になります。複雑なテーマや専門知識を要する分野でも、LLMは容易に理解できる教材やチュートリアルを生成できます。
さらに、ロールプレイングと組み合わせることで、学習者に対してリアルタイムでフィードバックを提供し、学習プロセスを強化します。そして、多言語対応のLLMを使用することで、世界中のさまざまな言語を話す学習者にも、均等な教育の機会を提供できます。
また、LLMは、熟練者の経験や暗黙知を効果的に形式知化する能力を持っています。例えば、熟練者との対話をLLMが分析し、その知識を構造化された形で抽出することができます。これにより、長年の経験に基づく微妙なニュアンスや判断基準を、より明確な形で後継者に伝えることが可能になります。
関連記事:「技能伝承でのAI活用は?継承が進まない原因やAIを導入するメリット、活用事例を徹底解説!」
製品開発とイノベーションの推進
LLMは、製品開発とイノベーションの推進にも貢献しています。クリエイティブなプロセスを支援するために、LLMは新しいアイデアやコンセプトをスピーディーに提案できます。LLMの解析と提案能力により、企業は新しいテクノロジーの探求や既存製品の改善をより迅速に行えるようになります。
例えば、SWOT分析やPEST分析など、戦略を検討するための分析をLLMが行うことなども可能です。
LLMはインターネット上の大量のデータから、市場トレンドや競合分析を迅速に実行し、製品開発の方向性を提供します。そして、技術的なドキュメントや設計ガイドラインを解釈し、エンジニアとデザイナーがプロトタイプを効率的に開発するのを助けることができるでしょう。
サプライチェーン管理とロジスティクスの改善
LLM(大規模言語モデル)をサプライチェーン管理とロジスティクスに適用することで、サプライヤーとの通信(例えばメール連絡など)を自動化し、情報共有の効率を上げ、協力関係を強化することもできます。
他にも、サプライチェーンに影響のある政治的な状況などを、ニュースから分析して、リスク管理を行うことなども可能になります。
法規制とコンプライアンスのモニタリング
法規制とコンプライアンスの分野でも、LLMは非常に役立つツールです。例えば、世界中の異なる司法管轄で変わる法規制の最新情報を効果的に追跡するのをサポートし、企業が常にコンプライアンスを維持できるようにします。多国籍企業の場合、異なる国の法規制を同時に追跡し、必要に応じてその地域の言語で対応することが可能になるでしょう。
また、契約書や企業内ポリシーなどの文書を分析し、法規制や業界基準との整合性を自動でチェックします。LLMによって、法的リスクの評価を自動化し、企業がリスクを最小限に抑えるための対策を策定できるように支援されるでしょう。
LLMのこれらの機能は、特に国際的なビジネスを展開している企業にとって、業務の複雑さを大幅に削減し、戦略的な意思決定を助ける重要な役割を果たすでしょう。
関連記事:「弁護士ドットコムとPKSHA Technologyがリーガル領域に特化したLLM「リーガルブレイン」を共同開発」
マテリアルズインフォマティクスでも活用
GPTなどのLLMは、マテリアルズインフォマティクス(材料科学)の複雑な知識構造やデータフレームを自動的に学習し、レビュー論文からの情報抽出に利用されています。
材料科学におけるLLMの適用は、エンティティ認識(NER)、関係抽出(RE)などの自然言語処理(NLP)技術と組み合わせて使用されます。これにより、材料名、物性、合成パラメータなどの情報を科学文献から効果的に抽出し、材料の性能を評価する際に必要な関係を抽出することが可能になります。
こちらでマテリアルズ・インフォマティクスの定義、成功事例、これからの課題を詳しく説明しています。
特許検索
特許検索におけるAI検索技術は、LLM(大規模言語モデル)を中心に急速に進化しています。
ユーザーが自然言語で入力した検索クエリを理解し、適切な検索キーワードや特許分類に変換します。また、特許文書の意味や文脈を理解し、類似技術や関連特許を高精度で抽出するセマンティック検索が可能です。
LLMを使えば、異なる言語間での特許検索を可能にし、グローバルな特許調査を効率化可能です。
関連記事:「特許検索にAIは効果的?調査の概要やLLMを活用するメリット、導入事例を徹底解説!」
論文検索
研究者や技術者にとって、論文調査は研究活動の根幹をなす重要な業務です。しかし、従来のキーワード検索では、情報過多な現代において必要な論文を見つけるまでに膨大な時間を要し、関連性の低い論文に埋もれてしまうことも少なくありません。
そこで近年、急速に活用が進んでいるのが、LLM(大規模言語モデル)を搭載したAIによる論文検索です。LLMは、高度な自然言語処理能力によって、論文の内容を深く理解し、単なるキーワードの一致にとどまらず、文脈や意味、関連性を考慮した検索を実現します。
これにより、研究者は効率的に必要な情報にアクセスし、研究開発の加速化、新たな発見につなげることが期待されています。
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LLMを自社開発できる?
LLMの導入に際しては、様々なコストが発生します。具体的なビジネスニーズや目的に応じた慎重な計画と評価が必要です。
なお、LLMを活用するという観点で、LLMを自社開発する、という考え方を持つことはあまり適切ではありません。もちろん不可能ではありませんが、LLMを自社開発するには、高性能なGPUの調達を始め、膨大な費用と時間が必要となります。
そのため、Microsoftから大型の資金調達を実施しているOpenAIや、Google、Metaといった巨額の研究開発費用を注ぐことのできる会社が独自LLMを提供していることが多いです。(日本でも研究開発費を投資し、自社LLMを提供している会社もあります)
そのため、LLMを自社開発するのではなく、提供されている基盤モデルとなるLLMを適切にカスタマイズして活用する、という考え方に立ったほうが良いということを前置きします。
企業のサイズ、業界、戦略によって最適な導入戦略は変わるため、専門的なコンサルテーションも検討する価値があります。
LLMカスタマイズの手順
以下、LLMを企業でカスタマイズして活用する手順とコスト分析について詳細に分析します。
- 基盤モデルの選択
- RAGの実装
- ファインチューニング
- LangChainを用いた統合
- LLM-as-a-Judgeによる評価
基盤モデルの選択
基盤モデルの選択は、LLMカスタマイズの最初のステップです。以下の点を考慮して選択します。
- モデルの規模(パラメータ数)
- 事前学習データの範囲と質
- 推論速度とリソース要件
- ライセンスと使用条件
- 特定のタスクや言語に対する適性
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RAGの実装
RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、LLMの回答生成能力を向上させるための手法です。既存の知識ベースやデータベースから関連情報を取得し、LLMの入力に組み込むことで、より正確で具体的な回答を生成することができます。
RAGの実装には、効率的な検索アルゴリズムと適切なデータ管理が必要です。
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ファインチューニング
ファインチューニングは、既存のLLMを特定のタスクや領域に適応させるプロセスです。企業固有のデータセットを使用してモデルを再訓練することで、特定の業界や用途に特化した性能を引き出すことができます。
ただし、大量の高品質なデータと計算リソースが必要となります。
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LangChainを用いた統合
LangChainは、LLMを他のシステムやツールと統合するためのフレームワークです。これを使用することで、LLMを既存のビジネスプロセスやアプリケーションにシームレスに組み込むことができます。
LangChainは、複雑なワークフローの構築や外部データソースとの連携を容易にします。
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LLM-as-a-Judgeによる評価
LLM-as-a-Judge(LLMによる評価)は、カスタマイズしたLLMの性能を客観的に評価するための手法です。別のLLMを「審判」として使用し、生成された回答の品質、適切性、一貫性などを評価します。
この方法により、人間による手動評価の負担を軽減しつつ、大規模かつ迅速な評価が可能になります。
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必要なハードウェアとソフトウェアコスト
コスト種類 | 概要 |
---|---|
ハードウェアコスト | LLMを社内でホストする場合、必要な計算能力に応じたサーバーやGPUのコスト クラウドサービスを使用する場合は、使用した計算リソースに応じて費用 |
ソフトウェアライセンス | 既存のLLM製品を使用する場合はライセンス料 オープンソースのモデルをカスタマイズする場合はライセンス料は発生しないが、カスタマイズに関連する開発コスト |
保守とサポート | ソフトウェアの保守、アップデート、技術サポートにかかる費用 |
開発や運用の人件費
人件費の種類 | 概要 |
---|---|
開発人件費 | モデルのカスタマイズや統合で専門的な技術スキルを持つ開発者の人件費 RAGなどを用いてオリジナル回答を生成するためのデータベースの構築にかかる人件費 |
運用人件費 | LLMの継続的な運用、監視、最適化を担当するスタッフの人件費 |
トレーニング費用 | 既存のスタッフがLLMの操作や管理に不慣れな場合のトレーニング費用 |
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総合的な費用対効果分析
LLM導入の総合的なコスト効果を評価する際には、上記のコストと以下のメリット(利益)を比較して費用対効果を検討する必要があります。
- 効率の向上
LLMの導入による業務効率の向上や人的リソースの節約など、具体的な利益の評価。 - 収益の増加
新しいサービスや製品の提供による収益増加の可能性。 - リスクの減少
コンプライアンスの強化やエラーの減少によるリスクの緩和。 - 将来の拡張性
今後の成長や拡張に対する準備としての投資。
LLMについてよくある質問まとめ
- LLM(大規模言語モデル)とは何ですか?
LLMは、大量のテキストデータから言語のパターンを学習し、文章生成や文章理解などのタスクを行うことができる人工知能技術です。多岐にわたる応用が可能で、ビジネスから日常生活まで幅広く利用されています。詳しくはこちらにジャンプ。
- LLMの具体的なビジネスへの活用例は何がありますか?
LLMは、カスタマーサポートの自動応答、マーケティングでの個別化されたコンテンツ生成、製品レビューや感情分析など、多岐にわたるビジネスの現場で活用されています。そのため、業種や目的に応じて様々な活用法が考えられるでしょう。詳しくはこちらにジャンプ。
- LLMを活用するために必ず自社開発が必要なのでしょうか?
いいえ、必ずしも自社開発は必要ありません。既存のLLMサービスをRAGやLangChainなどの技術で自社の用途に適合させる方法が、多くの場合でコスト効率が良く現実的な選択肢となります。
まとめ
LLMの定義と概要、活用方法、導入コスト、サービスとツールを解説しました。LLM(大規模言語モデル)は、ビジネスの多岐に渡る分野での活用が期待されています。
しかし、適切なサービスやツールの選定は簡単ではありません。
具体的なビジネスへの活用方法を計画し、開発と調整を検討する段階では、外部開発会社への委託も選択肢となるでしょう。LLMを実業に役立てたい企業経営者にとって、
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