アドビがChatGPTでPhotoshop、Express、Acrobatの提供を開始
最終更新日:2025年12月18日

アドビは2025年12月11日、ChatGPT向けにAdobe Photoshop、Adobe Express、Adobe Acrobatの提供を開始した。週間利用者数8億人のChatGPTユーザーが、対話形式で画像編集、デザイン作成、PDF処理を実行できる環境を実現し、専門知識なしでプロフェッショナルなクリエイティブツールを利用可能にした。
- ChatGPT上でAdobe Photoshop、Express、Acrobatが利用可能になり、自然言語による画像編集やデザイン作成が実現
- 8億人のChatGPTユーザーに対してアドビのクリエイティブツールへのアクセスを拡大し、専門知識不要で高品質な制作が可能
- 全世界のChatGPTデスクトップ版、ウェブ版、iOS版で無料提供を開始、Android版も順次展開予定
アドビは2025年12月10日(米国時間)、ChatGPT向けにAdobe Photoshop、Adobe Express、Adobe Acrobatの3つのアプリケーションの提供を開始した。
この統合により、ChatGPTの週間利用者数8億人が、対話型インターフェースを通じてアドビの業界標準クリエイティブツールを利用できる環境が整った。
ユーザーは自分の言葉で指示を入力するだけで、写真編集、デザイン作成、PDF処理といった専門的な作業を実行できる。アドビのデジタルメディア事業部門代表デイビッド ワドワーニは、対話型AIとクリエイティブツールの融合により、全ての人にクリエイティビティを開放すると述べた。
ChatGPT向けの各アプリケーションは、それぞれ異なる機能を提供する。Adobe Photoshopでは、背景のぼかし、明るさ・コントラスト・露出の調整、グリッチやグローなどの特殊効果の適用が可能で、元の画像品質を保ちながら編集を実行できる。

Adobe Expressでは、プロがデザインした豊富なテンプレートの選択、テキストや画像の差し替え、アニメーション化、反復的な編集がチャット内で完結する。

Adobe Acrobatでは、PDF編集、テキストや表の抽出、複数ファイルの統合、ファイル圧縮とPDF変換、機密情報の編集といった文書処理タスクを、フォーマットと品質を維持しながら実行できる。
利用方法は、ChatGPTのチャット画面でアプリ名を含めた指示を入力するだけで、システムが自動的にアプリを起動し、文脈を理解してタスクを実行する。

例えば「Adobe Photoshop、この画像の背景をぼかすのを手伝ってください」と入力すると、Photoshopが自動起動して処理を行う。ユーザーは対話形式での編集のほか、Photoshopのスライダーのような直感的なツールも利用できる。
アドビの完全な機能と精度を求めるユーザーは、ChatGPTからアドビのアプリへシームレスに移行し、作業を継続できる仕組みも提供される。この提供は、アドビのエージェント型AIとModel Context Protocol(MCP)を活用した対話型体験の継続的なイノベーションの一環だ。
2025年初めに発表されたAdobe Acrobat Studioや、Adobe MAXで公開されたPhotoshopとExpress向けAIアシスタント、今後リリース予定のAdobe Firefly向けAIアシスタントなど、一連の開発の延長線上に位置付けられる。
ChatGPT向けのAdobe Photoshop、Express、Acrobatは、全世界のデスクトップ版、ウェブ版、iOS版で無料利用が可能で、Android版もExpressが利用可能、PhotoshopとAcrobatは近日提供開始予定となっている。
AI Marketの見解
本統合は、クリエイティブツールの利用障壁を大幅に低下させる重要な展開だ。従来、Adobe PhotoshopやExpressといったプロフェッショナルツールは、操作習得に相当な学習コストを要し、一般ユーザーにとって敷居が高かった。
ChatGPTの自然言語インターフェースを通じた提供により、ツールの専門知識を持たないユーザーでも、対話形式で高度な画像編集やデザイン作業を実行できる環境が整った。
技術的観点では、Model Context Protocol(MCP)の活用により、ChatGPTとアドビアプリケーション間のシームレスな連携が実現されている点が注目される。
ユーザーの意図を理解し、適切なツールを自動選択して実行するエージェント型AIの実装は、マルチモーダルAIの実用化における重要な事例となる。また、チャット内での簡易編集と、本格的な作業が必要な場合のネイティブアプリへの移行という二段階のアプローチは、ユーザー体験とツールの専門性のバランスを取る効果的な設計と言える。
参照元:Adobe
ChatGPT向けアドビアプリに関するよくある質問まとめ
- ChatGPT向けのアドビアプリはどのように使い始めればよいか?
ChatGPTのチャット画面で、アドビのアプリ名を含めた指示を入力するだけで利用できる。例えば「Adobe Photoshop、この画像の背景をぼかすのを手伝ってください」と入力すると、システムが自動的にアプリを起動し、文脈を理解してタスクを実行する。アドビアプリの使用経験がなくても、自然言語での指示のみで画像編集やデザイン作成が可能だ。
- ChatGPT向けアドビアプリは有料か?
2025年12月11日時点で、ChatGPT向けのAdobe Photoshop、Express、Acrobatは無料で利用できる。デスクトップ版、ウェブ版、iOS版のChatGPTで利用可能で、Android版もExpressが利用可能、PhotoshopとAcrobatは近日提供開始予定となっている。より高度な機能が必要な場合は、ChatGPTからアドビのネイティブアプリへシームレスに移行できる。

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