国内初の「生成AI専用保険」、あいおいニッセイ同和損保とArchaicが企業向けに提供開始
最終更新日:2024年03月07日
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社は、2024年2月28日、「生成AI専用保険」の提供を開始すると発表した。
「生成AI専用保険」は、生成AI(ジェネレーティブAI)の利用によって知的財産権の侵害や情報漏洩などが発生した際に費用補償などを行う、国内初の商品だ。企業の安全・安心な生成AIの利用を支援すべく、同社ならびにAI技術開発に取り組む株式会社Archaicが共同で開発している。
<本ニュースの10秒要約>
- 生成AIの利用によって知的財産権の侵害や情報漏洩などが発生した際に費用を補償
- Archaicが開発・構築した生成AIシステム・サービスを導入・利用する企業が対象
- ガバナンス体制の構築支援や事故発生後のコンサルティングも提供、生成AI普及を促進
生成AI特化型の保険商品として、国内で初めて開発
近年、生成AIに対する注目は高まる一方であり、2022年11月の「ChatGPT」公開以降はこの動きがさらに加速し始めた。日本においても、大手企業を中心としてビジネスへの実導入が拡大。生成AIによる社内の業務効率化が各方面で推進され、今後はより多くの業界での活用拡大や新たなイノベーションの創造も期待されている。
しかしその一方で、生成AIの利用には権利侵害/情報漏洩/出力結果の正確性など様々なリスクも存在しており、このリスクをAI導入の障壁と考える企業も少なくない。生成AIのさらなる普及を促進するためにはこれらの課題を解消する必要があると、あいおいニッセイ同和損保とArchaicは判断。生成AI特化型の保険商品として「生成AI専用保険」を国内で初めて開発するに至った。
リスクの補償を行うと共に、コンサルティングサービスなども提供
「生成AI専用保険」は、あいおいニッセイ同和損保が持つ生成AIによる新たなリスクへの知見と、Archaicが持つAIの開発知見を組み合わせた保険商品だ。Archaicが開発・構築した生成AIシステム・サービスを導入・利用する企業を対象としてリスクの補償を行うと共に、事故を未然に防ぐガバナンス体制の構築支援や事故発生後のコンサルティングサービスなどもパッケージで提供する。
同商品では、知的財産権侵害と情報漏洩、そしてハルシネーションを補償の対象リスクと設定。知的財産権侵害については、生成AIを使用し生成した製造物が特許権/意匠権/著作権などを侵害したとして権利者から訴訟を起こされた場合(国内の訴訟に限定)に、補償を行う。情報漏洩については、生成AI使用に起因した自社の機密情報漏洩に関する損害を、ハルシネーションについては人格権侵害/名誉棄損/その他不適切な表現で生じた損害を、それぞれ補償。対象となる損害は、調査費用/法律相談費用/再発防止費用/記者会見および社告の費用/被害者への見舞金となっている。
技術の進化や市場の変化に対応した保険商品を開発
あいおいニッセイ同和損保と共同で「生成AI専用保険」を開発したArchaicは、グローバルな体制でAI技術開発に取り組む企業だ。ビジネスやプロダクトに合わせた新しいAIアルゴリズムの開発やAIシステムの実装を手がけており、AIを用いたビジネス加速に強みを持つ。「生成AI専用保険」におけるガバナンス体制の構築支援や事故発生後のコンサルティングサービスについても、同社が持つAIに関する豊富な知見/経験が活用される。
両社は今後も生成AIのリスクを共同で研究し、技術の進化や市場の変化に対応した保険商品/サービスの開発・提供に取り組むとしている。
生成AI(ジェネレーティブAI)について詳しく知りたい方はこちらの記事もご参考ください。
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