Anthropic社、LLM「Claude 3」を発表、3つのモデルファミリーを展開へ

米Anthropic社は、2024年3月4日、新たなLLM「Claude 3」を発表した。

「Claude 3」は、分析／予測や微妙なコンテンツの作成に加えて、コード生成や多言語会話機能において性能向上を実現したモデルだ。今回の発表では、「Claude 3 Opus」「Claude 3 Sonnet」「Claude 3 Haiku」という3つのモデルファミリーが明らかにされ、最高級モデルである「Opus」は複数の分野でOpenAI社「GPT-4」のスコアを凌駕する性能を持つとしている。

＜本ニュースの10秒要約＞

• OpenAI社の元メンバーが設立したAIスタートアップ・Anthropicの「Claude 3」
• 高度な推論力やマルチモーダル機能が向上、プロンプトの細やかな理解も実現
• 最高位モデル「Claude 3 Opus」の性能は、「GPT-4」など他社の大半のAIを凌駕

「親切で正直で無害なAIシステム」である「Claude」

Anthropic社は、OpenAI社「ChatGPT」の開発に関与したメンバーが新たに設立したAIスタートアップだ。「責任あるAIの使用」を企業理念として掲げてAGI（汎用人工知能）とLLM（大規模言語モデル）の開発に取り組んでおり、Amazon社やGoogle社といった巨大IT企業からの投資も獲得。2023年5月にはGoogle社（Alphabet）／Microsoft社／OpenAI社と並ぶ形でバイデン政権との会合に出席しており、「OpenAI社のライバル」と見なされることも多い。

「ChatGPT」開発の知見を持つAnthropic社は、独自のAIとして「Claude」の開発を開始した。「Claude」は、「ChatGPT」と同じくチャット型のインターフェイスを持ち、ユーザーの質問／リクエストに対して詳細かつ関連性が高い返答が可能なAIサービスだ。有害な回答が少ないよう開発されている点も強みであり、Anthropic社は同モデルを 「親切で正直で無害なAIシステム」と自負。API提供や「Slack」への対応など、他のサービスとの連携に積極的である点も特徴となっている。

誤認識の頻度が大幅に減少、自由形式の質問への精度も向上

今回Anthropic社が発表した「Claude 3」は、様々な点で従来の「Claude」より性能が向上したモデルだ。高度な推論力やニュアンスのあるコンテンツの作成、コーディングの性能が上がっており、日本語／スペイン語／フランス語といった英語以外での会話能力も向上。マルチモーダル機能も向上し、およそすべての写真データを認識して分析することが可能となり、手書きのメモなどからの認識も実現した。

「Claude 3」では、入力されたプロンプトの細やかな理解も可能となっている。従来の「Claude」では、入力されたプロンプトの文脈を理解し切れず、不必要な拒否を行うことが少なからず生じていたが、「Claude 3」ではこの課題も解消。無害なプロンプトを「有害なもの」と誤認識する頻度が大幅に減少する共に、自由形式の質問に対する精度も従来の2倍にまで向上した。

3モデルを展開、最上位モデルの性能は他社を凌駕

「Claude 3」では、速度と軽快性を重視したリーズナブルなモデル「Claude 3 Haiku」と、幅広いタスクでバランスよく性能を発揮する「Claude 3 Sonnet」、そして複雑なタスクにも対応可能な最上位モデル「Claude 3 Opus」の3モデルが展開される。「Claude 3 Opus」の性能についてAnthropic社は、「GPT-4」を始めとする他社の大半のAIシステムを凌駕し、人間に近い理解力の流暢さを持つとしている。

参照元：Anthropic

生成AI（ジェネレーティブAI）について詳しく知りたい方はこちらの記事、Claude3についてはこちらの記事で詳しく説明していますので併せてご覧ください。