AIトレーニングデータのアッペン、AIと機械学習に関する2022度版調査レポートを発表
最終更新日:2022年10月06日
アッペンジャパン株式会社は、2022年10月6日、AIと機械学習に関する調査レポート「STATE OF AI 2022 機械学習レポートとともに」を発表した。
同社は、世界トップクラスのトレーニングデータでAI開発をリードしている豪Appen社の日本法人だ。今回発表されたレポートは、AIと機械学習の状況を概観すべく同年6月にAppen社が実施した調査の結果をまとめたものであり、AIに関わる実務担当者の課題や現状が浮き彫りになっている。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- トレーニングデータでAI開発をリードする豪Appen社、AIと機械学習の状況を概観すべく調査を実施
- 意思決定者504人が調査対象。半数以上が「AIの成功にはデータの正確性が不可欠」と回答
- 「業界で他社をリードしている」という回答は53%、「責任あるAI」を重視する回答は93%
8回目の調査報告「STATE OF AI 2022 機械学習レポートとともに」
Appen社は、AIについての知見や認識の深化を目的として、AIと機械学習の状況を概観する業界横断的な調査を年に1度実施している。この調査では、様々な企業やその上位の意思決定者、また技術実務者から回答・意見を収集。その結果から、AIライフサイクルにおけるデータ管理の成熟度や、責任あるAIに置かれる価値について、理解を進めている。
この調査の8回目の報告にあたるのが、今回発表された「STATE OF AI 2022 機械学習レポートとともに」だ。同レポート内では、意思決定者504人(米国404名、英国・アイルランド・ドイツ100名)を対象として2022年6月に実施された調査の結果を紹介。なお意思決定者の産業区分は、広告・マーケティングや自動車・輸送機、ビジネスサポート&ロジスティクスなどとなっている。
42%の技術者が、AIライフサイクルの「データソーシング」が困難と回答
調査では、AIライフサイクルのどの段階に困難を感じるかを訊ねている。結果、ビジネスリーダーでは「データ準備」「モデルテストと展開」などの項目へ平均的に回答が集まったのに対して、技術者は「データソーシング」と「人手によるモデル評価」により多くの回答が集まった。特に「データソーシング」については、技術者が回答は42%に達している。
調査ではまた、AI活用におけるデータの正確性についても質問。結果は、半数以上にあたる51%の回答者が「AIの成功にはデータの正確性が不可欠」と回答した。しかしその一方で、「データの正確性を達成した」という回答はわずか6%に留まることも判明している。
AIでは、一度導入されたモデルはほとんど自律的に動作するが、検証や再トレーニングには人間が関与する必要がある。この人間によるループ内機械学習の重要性についても、調査内では質問。結果は、81%の回答者が「非常に重要」「極めて重要」と回答した。
「自分の組織がAI導入で遅れている」という回答、3%に留まる
調査では、AI導入のタイミングに関する質問も行われた。結果、「自分の組織がAI導入で遅れている」という回答が3%に留まった一方で、「業界内で他社と同等」は44%、「業界で他社をリードしている」は53%に達している。
調査の最後では、「責任あるAI」が自社組織内の全AIプロジェクトの基礎であることに同意するかどうかを質問。結果は、93%が「とてもそう思う」「ある程度そう思う」と回答した。
多くの組織が貧弱なデータセットで優れたAIを構築しようとしている
今回の調査結果についてAppen社CEOのマーク・ブライアン氏は、調査対象である大多数の組織が「責任あるAI」を重要視していることに注目しつつ、その多くが貧弱なデータセットで優れたAIを構築しようとしている現状を憂慮。同社最高製品責任者のスジャータ・サギラジュ氏は、データの正確性が持つ重要性を強調する組織が見られる結果に注目している。
参照元:PRTIMES
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