OpenAI、健康管理に特化した「ChatGPT ヘルスケア」を発表
最終更新日:2026年01月14日

OpenAIは2025年1月7日、健康とウェルネスに特化した「ChatGPT ヘルスケア」を発表した。電子健康記録やApple ヘルスケアなどのウェルネスアプリと連携し、ユーザー自身の健康情報に基づいた個別化された回答を提供する。
専用設計の暗号化と分離により、健康に関する会話は他の情報と区分して管理され、モデル学習にも使用されない。
- 健康情報の専用スペースとして設計され、暗号化と分離により他のチャットと区別して管理される仕組み
- 電子健康記録やApple ヘルスケア、Function、MyFitnessPalなどのウェルネスアプリとの安全な連携機能
- 60か国260人以上の医師と協働し、医師主導の評価フレームワークHealthBenchで臨床基準に基づく品質評価を実施
ChatGPT ヘルスケアは、健康に関する情報を理解し、ユーザーが自身の健康を主体的に管理できるよう支援する専用機能として導入された。OpenAIによると、健康はすでにChatGPTの主要な利用分野の1つであり、毎週2億3,000万人以上が健康やウェルネスに関する質問をしているという。
現在、健康に関する情報はポータル、アプリ、ウェアラブル、PDF、医療メモなどに分散しており、全体像を把握するのが難しい状況にある。ChatGPT ヘルスケアは、こうした情報の分断に対応し、ユーザー自身の健康情報や文脈をもとに、より適切な回答を提供する。
電子健康記録や、Apple ヘルスケア、Function、MyFitnessPalなどのウェルネスアプリを安全に接続できる。これにより、最近の検査結果の理解、医師との診察に向けた準備、食事や運動習慣の考え方に関するアドバイス、医療の利用傾向に基づいた保険プランの選択肢の比較などをサポートする。
プライバシーとセキュリティの面では、ChatGPT ヘルスケアは専用のスペースとして提供され、会話、接続したアプリ、ファイルは他のチャットとは分離して保存される。専用のメモリがあり、健康に関する情報ややり取りの文脈はこのスペース内に限定して保持される。
健康データの機微性を踏まえ、専用設計の暗号化や分離などの追加の多層保護を備えており、健康に関する会話は保護され、他の情報とは区分して管理される。ChatGPT ヘルスケアでの会話は、OpenAIの基盤モデルの学習には使用されない。
電子健康記録へのアクセスには、米国の消費者向けにリアルタイムで接続された健康データを扱う、最大かつ最も安全なネットワークであるb.wellと提携している。b.wellは、データセキュリティとプライバシーに関する業界最高水準の基準を順守しており、医療記録は18歳以上のユーザーのみが利用できる。
開発プロセスにおいては、2年以上にわたり、60か国・数十の専門分野で診療経験を持つ260人以上の医師と協働してきた。この医師グループは、30の重点領域にわたり、モデルの出力に対して60万回以上のフィードバックを提供している。
この協働は、ChatGPT ヘルスケアに何ができるかだけでなく、どのように応答するかにも反映されており、たとえば、医療従事者への受診をどの程度の緊急性で勧めるか、過度に単純化せずに分かりやすく伝える方法、重要な場面で安全性をどのように優先するかといった点に活かされている。
この医師主導のアプローチは、ChatGPT ヘルスケアを支えるモデルに直接組み込まれている。
評価においては、現役医師のネットワークからの知見を取り入れて構築した評価フレームワークであるHealthBenchを用い、臨床基準に照らして評価されている。
HealthBenchは、試験形式の質問や一般的な正確性チェックに頼るのではなく、臨床現場で医師が品質を判断する方法を反映した、医師作成の評価基準に基づいて回答を評価する。具体的には、安全性、明確さ、適切な受診の促し、個々の状況への配慮を重視している。
この評価主導のアプローチにより、モデルは、人々が実際に支援を必要とするタスクで適切に機能するよう設計されている。ChatGPT ヘルスケアは医療ケアを支援するために設計されており、代わりとなるものではなく、診断や治療を目的としたものでもない。
まずは少人数の初期ユーザーを対象に提供を開始し、数週間以内にウェブ版とiOSのすべてのユーザーへ提供を拡大する予定だ。
AI Marketの見解
ChatGPT ヘルスケアは、生成AIの医療・健康分野への応用における重要な展開と位置づけられる。技術的特徴として注目すべきは、専用設計の暗号化と分離によるデータ管理アーキテクチャである。
健康情報を他のチャットデータと物理的・論理的に分離し、専用メモリ空間で管理する設計は、機微情報の取り扱いに対する技術的配慮を示している。
また、260人以上の医師との2年以上の協働と60万回以上のフィードバックを通じて構築された医師主導の評価フレームワークHealthBenchは、生成AIの出力品質を臨床的観点から評価する新たなアプローチとして注目される。
このフレームワークは、単なる正確性だけでなく、安全性、明確さ、適切な受診の促し、個々の状況への配慮といった臨床現場で重視される要素を評価軸とする点で、従来の試験形式の評価とは異なる。
ビジネス的観点では、毎週2億3,000万人という既存の健康関連質問の規模は、このセグメントにおける潜在的な需要の大きさを示している。b.wellとの提携による電子健康記録へのアクセス、Apple ヘルスケアやFunction、MyFitnessPalなどのウェルネスアプリとの連携は、分散した健康情報を統合するプラットフォームとしての位置づけを明確にしている。
参照元:Open AI
ChatGPT ヘルスケアに関するよくある質問まとめ
- ChatGPT ヘルスケアで接続できる医療記録やアプリにはどのようなものがあるか?
電子健康記録(EHR)、Apple ヘルスケア、Function(血液検査結果の分析と栄養提案)、MyFitnessPal(栄養アドバイス)、Weight Watchers(GLP-1使用者向け食事ガイダンス)、AllTrails、Instacart、Pelotonなどが接続可能だ。電子健康記録の連携および一部のアプリは米国のみで利用でき、Apple ヘルスケアの接続にはiOSが必要となる。
- ChatGPT ヘルスケアの会話データはAIモデルの学習に使用されるのか?
ChatGPT ヘルスケアでの会話は、OpenAIの基盤モデルの学習には使用されない。健康に関する会話は専用設計の暗号化と分離により、他の情報とは区分して管理され、専用のメモリ空間に保持される。ユーザーは設定からメモリの確認や削除をいつでも実行できる。

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