ELYZA、グローバルモデルにも匹敵する700億パラメータの日本語LLM「ELYZA-japanese-Llama-2-70b」開発
最終更新日:2024年04月15日
株式会社ELYZAは、2024年3月12日、700億パラメータの日本語LLM(大規模言語モデル)「ELYZA-japanese-Llama-2-70b」を開発したと発表した。
同社は、東京大学松尾研究室の知見を活かしてLLMの社会実装に取り組む企業だ。「ELYZA-japanese-Llama-2-70b」は、グローバルモデルにも匹敵する性能を持つLLMであり、同社はこのモデルを含むLLM群を「ELYZA LLM for JP」シリーズとして提供を開始する。
<本ニュースの10秒要約>
- グローバルモデルに匹敵するLLMを目指して開発された「ELYZA-japanese-Llama-2-70b」
- 「Llama 2 70B」をベースとする700億パラメータのLLMとして開発、他の日本語LLMを凌駕
- 「AI橋渡しクラウド」で学習、グローバルモデル以外の新たなAI選択肢を企業に提供へ
グローバルモデルに大きな差をつけられていた国内モデル
2022年11月にOpenAI社の「ChatGPT」が登場して以来、LLMは「国家/企業の競争優位の源泉になりうる技術」と広く認識されるようになった。OpenAI社に加えてGoogle社/Anthropic社/Meta社といった米国企業を筆頭として、様々なプレイヤーがモデル開発を推進している。
こうした動きに対抗すべく日本国内においても、2023年からは大手ITベンダーを中心に70億/130億パラメータのLLMを開発。国もLLM開発に予算を割り当て、国産LLM開発プロジェクト「GENIAC」などを通じて開発を支援してきた。その一方で、2023年末時点における国内モデルの性能は、グローバルプレイヤーが開発するモデルに未だ大きな差をつけられている。
先端技術の研究開発とコンサルティングによって言語生成AIの導入実装を推進しているELYZAは、国内でグローバルモデルに匹敵する水準のLLMを開発する必要があると判断。今回の「ELYZA-japanese-Llama-2-70b」開発に至った。
グローバルモデルに匹敵するレベルに到達、他の日本語LLMを凌駕
「ELYZA-japanese-Llama-2-70b」は、Meta社の基盤モデル「Llama 2 70B」をベースとして開発された、700億パラメータの日本語LLMだ。その性能は、OpenAI社の「GPT-3.5 Turboシリーズ」やAnthropic社の「Claude 2シリーズ」、Google社の「Gemini 1.0 Pro」といったグローバルモデルに匹敵するレベルに到達。また、同じ「Llama 2 70B」をベースとする他の日本語LLMの性能も凌駕し、国内モデルの中では最高レベルのLLMとなった。
同じ「Llama 2 70B」をベースとする他の日本語LLMより「ELYZA-japanese-Llama-2-70b」が優れた性能を発揮した点についてELYZAは、同社独自の事後学習による部分が大きいと自負。なお「ELYZA-japanese-Llama-2-70b」の学習は、産業技術総合研究所の計算インフラストラクチャ「AI橋渡しクラウド」の第2回「大規模言語モデル構築支援プログラム」を利用して行われている。
グローバルモデル以外の新たな選択肢として開発/展開
ELYZAは今後、「ELYZA-japanese-Llama-2-70b」を含むLLM群を「ELYZA LLM for JP」シリーズとして、提供する予定だ。このシリーズのターゲットとして同社は、セキュリティやカスタマイズ性を重視する企業や、自社サービス/事業にLLMを組み込みたい企業などを想定。グローバルモデル以外の新たな選択肢として、「ELYZA LLM for JP」シリーズの開発/展開に取り組むとしている。
同社は「ELYZA LLM for JP」のサービスを、2024年春以降に順次提供を開始する予定だ。また「ELYZA-japanese-Llama-2-70b」については、チャット形式のデモサイトを既に公開している。
参照元:PRTIMES
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