富士通とMoBagel、AIによる予測を高速化し企業のビジネス変革を加速させる新ソリューションを提供開始
最終更新日:2024年11月05日
富士通株式会社と米国AIスタートアップMoBagel Inc.は、2024年9月5日より、AIによる予測を高速化する新ソリューションをグローバルに提供開始する。
このソリューションは、MoBagelのAutoMLプラットフォーム「Decanter AI」に富士通の先端AI技術を搭載したもので、データ分析とモデリングの合理化を実現。両社は、より多くの企業や団体がAIを活用した業務変革を迅速に実行できるよう支援していく。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- 富士通とMoBagelの戦略的パートナーシップによる高速AIソリューションの提供開始
- 「Decanter AI」に「Fujitsu Kozuchi AutoML」と「Wide Learning™」技術を実装し予測速度を4倍に向上
- データ検証、アルゴリズム推奨、特徴分析機能により、AIモデル構築の効率化と精度向上を実現
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富士通とMoBagelの戦略的パートナーシップによる新ソリューション
富士通株式会社と米国AIスタートアップMoBagel Inc.は、2023年12月に締結した戦略的パートナーシップに基づき、新たなAIソリューションを開発した。
このソリューションは、MoBagelのAutoMLプラットフォーム「Decanter AI」に、富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」から提供される技術の一部を搭載したものだ。具体的には、「Fujitsu Kozuchi AutoML」と「Wide Learning™」のライセンスを富士通がMoBagelに提供し、MoBagelがこれらを「Decanter AI」に新規ソリューションとして実装している。
この取り組みにより、データ分析とモデリングを合理化しながら、正確かつコスト効率よくAIモデルを構築することが可能となった。両社は、本ソリューションを通じてAIによるイノベーションを促進し、企業や団体のAIを活用した業務変革を支援していく方針だ。
新ソリューションの主要機能と特徴
新たに開発されたソリューションは、主に3つの機能から構成されている。
第一に、データ検証と異常スコアリング機能がある。これは、入力されたデータをDecanterAIのデータ処理技術によって検証し、情報の整合性と有用性の観点から3段階でランク付けを行う。
第二に、「Fujitsu Kozuchi AutoML」の技術をベースとしたアルゴリズム推奨システムがある。これにより、最適な機械学習モデルが提案され、モデリングの効率と精度の向上が実現する。
第三に、「Wide Learning™」の技術をベースとした特徴分析機能がある。この機能は、機械学習モデルによって分析された結果に対して実践的な洞察を提供し、重要な特徴を重み付けとともに提示する。さらに、特定された特徴はLLM(大規模言語モデル)により自然言語で要約される。
これらの機能の組み合わせにより、AIによる市場予測において、従来の「Decanter AI」と比べて精度を維持したまま処理速度を4倍に高速化することに成功した。
ソリューションの活用例と期待される効果
新ソリューションの活用例として、自動車保険加入の可能性が高い顧客を予測するデモンストレーションが紹介されている。このデモでは、データ検証と異常スコアリングによる異常値の検出、アルゴリズム推奨システムによる最適なモデル(ランダムフォレストモデル)の提案、特徴分析による重要な顧客特性の特定が行われた。
結果として、車の所有歴や居住地域などに紐づけて、特定の特徴を持つ顧客が自動車保険に加入する可能性が高いことが明らかになった。このような分析結果は、LLMを用いて理解しやすい自然言語の形に変換される。
これにより、企業はマーケティングおよび販売戦略を洗練し、ターゲットを絞り、収益を最大化することが可能となる。本ソリューションは、適応性やコスト効率に優れており、AI技術者不足や導入コスト、期間の長期化などの課題を抱える企業にとって、迅速なAI導入を可能にする解決策となることが期待されている。
AI Market の見解
富士通とMoBagelの戦略的パートナーシップによる新ソリューションは、企業のAI導入を加速させる重要な一歩となる可能性がある。
「Fujitsu Kozuchi AutoML」と「Wide Learning™」の統合により、高度なAIモデルの構築と解釈が可能となり、従来の4倍の処理速度を実現している点が注目に値する。また、専門的なAI人材不足や高コストの課題に対する解決策として、幅広い業界での活用が期待できる。
市場への影響としては、中小企業を含む多くの組織がAIを活用したビジネス変革に着手しやすくなることで、各産業でのAI活用が加速する可能性がある。また、金融犯罪防止などの具体的な応用分野での実証実験も予定されており、実務での有効性が確認されれば、さらなる市場拡大につながるだろう。
今後は、このソリューションの実際の導入事例や成果を注視し、AI市場全体への波及効果を評価していく必要がある。
参照元:プレスリリース:富士通
また、データ分析・予測について詳しく知りたい方はこちらもご参考ください。
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