Google、Gemini 2.5 Flash-Liteを新たにプレビュー公開、Flash・Proは正式版へ移行し低コスト・高速AI推論を実現

Googleは2025年6月17日、AI推論モデルGemini 2.5ファミリーの拡張を発表した。

最もコスト効率が高く高速なGemini 2.5 Flash-Liteをプレビュー版として新規投入し、既存のGemini 2.5 FlashとProモデルを正式版として一般提供開始した。

Googleは2025年6月にGemini 2.5モデルファミリーの大幅な拡張を実施した。同社はハイブリッド推論モデルとして設計されたGemini 2.5について、コストと速度のパレート最適性を維持しながら優れた性能を提供することを目標としている。

今回の発表では、SplineやRooms、Snap、SmartBearといった開発者や組織が既に数週間にわたって最新バージョンを本格運用で使用していた実績を踏まえ、2.5 FlashとProの安定版を正式にリリースした。

これにより開発者は信頼性の高いプロダクションアプリケーションの構築が可能となった。

新たに導入されたGemini 2.5 Flash-Liteは、同社のGemini 2.5ファミリーの中で最もコスト効率が高く、かつ最高速度を実現するモデルとして位置づけられている。

このモデルはプレビュー版として提供が開始され、開発者からのフィードバックを収集している段階にある。

Flash-Liteの性能面では、従来の2.0 Flash-Liteと比較してコーディング、数学、科学、推論、マルチモーダルベンチマークの全領域で高品質な結果を示している。

特に翻訳や分類といった大量処理が必要で遅延に敏感なタスクに優れた性能を発揮し、幅広いプロンプトサンプルにおいて2.0 Flash-LiteおよびFlashよりも低い遅延を実現している。

技術的特徴として、Flash-LiteはGemini 2.5ファミリー共通の機能を継承している。

これには異なる予算レベルでの思考機能の有効化、Google検索やコード実行などのツール連携、マルチモーダル入力対応、100万トークンのコンテキスト長などが含まれる。

これらの機能により、様々な用途に対応可能な汎用性を保持している。配信面では、Gemini 2.5 Flash-Liteのプレビュー版はGoogle AI StudioとVertex AIで利用可能となっており、2.5 FlashとProの安定版も同様にアクセスできる。

さらに、2.5 FlashとProはGeminiアプリでも利用可能で、検索機能にはFlash-LiteとFlashのカスタムバージョンが導入されている。

AI Marketの見解

今回のGemini 2.5ファミリー拡張は、AI推論市場における競争激化を反映した戦略的な動向として評価される。

特にFlash-Liteの導入により、Googleは高品質と低コストの両立を図り、大量処理が必要なエンタープライズ用途での市場シェア拡大を狙っていると想定される。

100万トークンという長大なコンテキスト長の維持は、複雑な文書処理や長時間の対話が必要なビジネスアプリケーションにおいて重要な差別化要素となる。

参照元：Google

Gemini 2.5に関するよくある質問まとめ