Googleが科学・研究・エンジニアリング特化のGemini 3 Deep Thinkをアップデート、API提供も開始
最終更新日:2026年02月13日
記事監修者:AI Market ニュース配信チーム

Googleは2026年2月12日、高度な推論に特化したGemini 3 Deep Thinkの大幅アップデートを発表した。
科学者や研究者との密接な協力のもと開発され、複雑な研究課題の解決を目的とし、Google AI Ultraサブスクライバー向けGeminiアプリでの提供に加え、初めてGemini API経由での早期アクセスプログラムも開始した。
- 科学・研究・エンジニアリング分野の複雑な課題解決に特化した推論モードの大幅強化
- 数学・物理・化学オリンピック金メダルレベルの性能を達成し、多数のベンチマークで最高水準を記録
- Google AI Ultraサブスクライバー向けに即日提供開始、Gemini API経由の早期アクセスも募集開始
Gemini 3 Deep Thinkは、明確な正解が存在しない課題や不完全なデータを扱う研究分野向けに設計された推論モードだ。
今回のアップデートでは、科学者や研究者との協力により、深い科学知識と実用的なエンジニアリング能力を融合させ、理論から実践的応用への橋渡しを実現した。
既に早期テスターの活用が進んでおり、ラトガース大学の数学者Lisa Carbone氏は、高エネルギー物理学に必要な数学構造の研究において、Deep Thinkを使用して高度な数学論文をレビューした。その結果、人間の査読では見逃されていた微妙な論理的欠陥の特定に成功している。

性能面では、Deep ThinkはHumanity’s Last Examで48.4%(ツールなし)を記録し、最先端モデルの限界をテストするベンチマークで新基準を樹立した。ARC-AGI-2では84.6%を達成し、ARC Prize Foundationによって検証されている。
また、競技プログラミングベンチマークのCodeforcesでElo 3455という驚異的なスコアを獲得し、2025年国際数学オリンピックでは金メダルレベルの性能に到達した。
数学や競技プログラミングだけでなく、化学や物理などの広範な科学領域でも優れた性能を発揮し、2025年国際物理オリンピックおよび化学オリンピックの筆記試験部門で金メダルレベルの結果を示した。さらに、高度な理論物理学の能力を測るCMT-Benchmarkでは50.5%のスコアを達成している。

実用的なエンジニアリング応用においても、Deep Thinkは研究者による複雑なデータ解釈やエンジニアによる物理システムのコードモデリングを支援する。
具体例として、手描きのスケッチを解析して複雑な形状をモデル化し、3Dプリント可能なファイルを生成する機能が挙げられる。Googleは研究者や実務者が最も必要とする場所でDeep Thinkを提供することに注力しており、その第一歩としてGemini APIでの提供を開始した。
Google AI Ultraサブスクライバーは本日からGeminiアプリで更新されたDeep Thinkモードにアクセス可能となった。科学者、エンジニア、企業向けには、Gemini API経由でDeep Thinkをテストできる早期アクセスプログラムへの参加申し込みも受け付けている。
AI Marketの見解
Gemini 3 Deep Thinkの今回のアップデートは、AIの推論能力における重要な進展を示している。特に注目すべきは、抽象的な理論研究から実用的なエンジニアリング応用まで、幅広い領域での適用可能性だ。
数学オリンピックや競技プログラミングでの金メダルレベルの成果は、複雑な問題解決における高度な論理的思考能力を実証しており、これまでのLLMが苦手としていた多段階推論の領域で大きな進歩を遂げたと評価できる。
技術的な観点では、不完全なデータや明確な正解が存在しない研究課題への対応能力が特筆される。
Lisa Carbone氏の事例が示すように、人間の専門家でも見逃す可能性のある論理的欠陥を特定できる精度は、学術研究における品質保証プロセスの補完ツールとしての価値を示唆している。ただし、訓練データが少ない専門分野での活用には、依然として人間の専門家による検証が不可欠と想定される。
ビジネス面では、API提供の開始が大きな転換点となる。これまでコンシューマー向けアプリに限定されていた高度な推論機能が、企業の研究開発部門や専門的なエンジニアリングチームに直接統合可能となることで、新たな活用シナリオが生まれると想定される。
特に、材料科学、創薬、高度な設計最適化など、計算集約的な研究開発領域での生産性向上が期待できる。
一方で、早期アクセスプログラムという限定的な提供形態は、Googleが慎重に実用性と信頼性を検証している段階であることを示している。今後、より広範な産業分野への展開と、それに伴う価格設定や利用条件の明確化が、市場での普及における鍵となる。
参照元:Google
Gemini 3 Deep Thinkに関するよくある質問まとめ
- Gemini 3 Deep Thinkは従来のGeminiモデルとどう違うのか?
Gemini 3 Deep Thinkは、科学・研究・エンジニアリング分野の複雑な問題解決に特化した推論モードだ。通常のGeminiモデルが幅広いタスクに対応するのに対し、Deep Thinkは明確な正解が存在しない研究課題や不完全なデータの扱いに最適化されており、数学オリンピックや競技プログラミングで金メダルレベルの性能を持つ。深い推論プロセスを経ることで、より高度な論理的思考を実現している。
- Gemini 3 Deep ThinkのAPIアクセスはどのように取得できるのか?
現在、Gemini 3 Deep ThinkのAPI経由でのアクセスは早期アクセスプログラムとして提供されている。科学者、エンジニア、企業向けに限定されており、Googleの専用フォームから利用申請を行う必要がある。一方、Google AI Ultraサブスクライバーであれば、Geminiアプリを通じて即座にDeep Thinkモードを利用できる。

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