Google CloudがGemini CLI発表、オープンソースAIエージェントでターミナル作業を効率化
最終更新日:2025年06月27日

Google Cloudが2025年6月にGemini CLIを発表し、開発者がターミナルで直接Gemini 2.5 Proの機能を利用できるオープンソースAIエージェントを提供開始した。
無料版では毎分60回、1日1,000回という業界最大級の利用制限でコーディング支援からコンテンツ生成まで幅広いタスクに対応し、Gemini Code Assistとの統合により開発ワークフローの大幅な改善を実現する。
- Google CloudがオープンソースAIエージェントGemini CLIを発表し、ターミナルで直接Gemini 2.5 Proを利用可能に
- 無料版で毎分60回、1日1,000回の業界最大級利用制限を提供し、100万トークンのコンテキストウィンドウにアクセス
- Gemini Code Assistとの統合でVS CodeとCLI両方でプロンプト駆動のAIファーストコーディングを実現
Google Cloudは開発者の日常業務の基盤であるコマンドラインインターフェースにAI統合アシスタンスの需要が高まっている状況を受け、Gemini CLIを開始した。このオープンソースAIエージェントはGeminiの強力な機能をターミナルに直接統合し、プロンプトからモデルへの経路を短縮することで開発者の作業効率を向上させる。
Gemini CLIはコーディングでの優れた性能に加え、コンテンツ生成、問題解決、詳細なリサーチ、タスク管理まで対応する多機能ローカルユーティリティとして機能する。
また、Google AIコーディングアシスタントであるGemini Code Assistとの統合により、無償版、Standard版、Enterprise版のCode Assistプランユーザーは、VS CodeとGemini CLI両方でプロンプト駆動のAIファーストコーディングを利用できるようになった。
個人開発者向けには業界最大級の利用制限が設定されており、無料利用には個人GoogleアカウントでのログインとGemini Code Assist無償版ライセンスの取得のみが必要だ。
この無料ライセンスによりGemini 2.5 Proと100万トークンの広大なコンテキストウィンドウにアクセス可能で、プレビュー期間中の利用制限を最小限に抑えるため毎分60回モデルリクエスト、1日あたり1,000回のリクエストを無料提供する。
複数エージェントの同時実行が必要なプロ開発者や特定モデルの優先利用を希望する場合は、使用量ベース課金のGoogle AI StudioまたはVertex AIキー、あるいはGemini Code Assist Standard版またはEnterprise版ライセンスを利用できる。
現在プレビュー中のGemini CLIは、コードの理解やファイル操作からコマンド実行や動的なトラブルシューティングまで強力なAI機能を提供し、コマンドラインでの作業体験を飛躍的に向上させる。
組み込みツールの機能により、Google検索でプロンプトの根拠付けを行いウェブページを取得してリアルタイムの外部コンテキストをモデルに提供したり、Model Context Protocol(MCP)の組み込みサポートやバンドルされた拡張機能を通じてGemini CLIの機能を拡張したりできる。
さらに、プロンプトと指示をカスタマイズして特定のニーズやワークフローに合わせてGeminiを調整し、スクリプト内でGemini CLIを非対話的に呼び出すことでタスクを自動化し既存のワークフローと統合することが可能だ。
Gemini CLIは完全にオープンソース(Apache 2.0)であるため、開発者はコードを検査してその動作を理解し、セキュリティへの影響を検証できる。
Google Cloudはバグの報告、機能の提案、セキュリティプラクティスの継続的な改善、コードの改善の提出を通じて、グローバルな開発者コミュニティからの本プロジェクトへの貢献を歓迎している。
また、MCP、システムプロンプト(GEMINI.md経由)、個人およびチーム設定などの新しい標準に基づいて構築され拡張可能な設計となっており、ターミナルという個人の空間を誰もが自分らしくカスタマイズできる自由を提供している。
AI Marketの見解
Gemini CLIの発表は、AI開発ツールの競争において重要な転換点を示している。オープンソース戦略の採用により、GoogleはAI技術の透明性とコミュニティ主導の改善を重視する姿勢を明確にした。
Apache 2.0ライセンスの選択は開発者による自由な利用と改変を可能にし、セキュリティ検証の透明性を提供することで企業での採用障壁を下げる効果が期待される。
技術的観点では、100万トークンのコンテキストウィンドウと業界最大級の無料利用制限の組み合わせは、従来のAI開発ツールの利用コストを大幅に削減する可能性がある。
特に個人開発者やスタートアップにとって、高性能なAI機能への無料アクセスは開発プロセスの大幅な効率化をもたらすと想定される。Model Context Protocolの統合とカスタマイズ機能により、企業の既存ワークフローへの適応性も高い。
ビジネス的には、Gemini Code AssistとGemini CLIの統合戦略により、GoogleはIDEからターミナルまでの開発環境全体をカバーする包括的なAI支援エコシステムを構築している。この戦略は開発者の囲い込み効果を生み出し、Google Cloudサービス全体の利用促進につながると想定される。
参照元:Google
Gemini CLIに関するよくある質問まとめ
- Gemini CLIの利用開始に必要な条件は何ですか?
個人のGoogleアカウントでログインし、無償版のGemini Code Assistライセンスを取得するだけで利用開始できます。メールアドレスの入力のみで、ターミナルでGeminiを実質的に無制限に利用可能になります。
- Gemini CLIで利用できる主な機能にはどのようなものがありますか?
コーディング支援、コンテンツ生成、問題解決、詳細なリサーチ、タスク管理に加え、Google検索による情報取得、Model Context Protocolを通じた機能拡張、プロンプトカスタマイズ、既存ワークフローとの統合などが可能です。

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