a16z、生成AIコンシューマーアプリTOP100ランキング3rd EDITIONを発表

米国を代表するVCであるAndreessen Horowitz（略称：a16z）は、2024年8月21日（現地時間）、コンシューマー向け生成AIアプリの最新ランキング 3rd EDITIONを発表した。

この半年間で約30%の企業が新たにランクインし、特にコンテンツ生成・編集ツールの成長が顕著だ。Web版トップ50とモバイル版トップ50を合わせた計100アプリのランキングでは、ChatGPTが引き続き首位を維持。一方で、新たな競合や多様なカテゴリーの台頭も見られ、AI市場の急速な進化を反映している。

＜本ニュースの10秒要約＞

• コンテンツ生成・編集ツールが急成長、Web版ランキングの52%を占める
• ChatGPTが首位維持も、Perplexityなど新たな競合が台頭
• ByteDanceが複数の生成AIアプリでランクイン、グローバル展開を加速

創造性ツールの台頭：画像生成から多様なモダリティへ

Web版ランキングの52%をコンテンツ生成・編集ツールが占め、その存在感を示している。特筆すべきは、これまで画像生成が主流だったが、今回のランキングでは画像生成ツールは41%にとどまり、動画や音楽生成ツールが新たにランクインした点だ。例えば、音楽生成ツールのSunoは36位から5位へと大きく順位を上げた。

モバイル版でも、画像・動画編集ツールが22%を占め、2番目に大きなカテゴリーとなっている。既存の創作ツールがAI機能を追加してランクインするケースも見られ、MeituやSNOW、Adobe Expressなどが新たにリストに加わった。

AIアシスタントの競争激化：ChatGPTの独走に陰り

ChatGPTはWeb版、モバイル版ともに首位を維持しているものの、競合の台頭が目立つ。AI検索エンジンのPerplexityがWeb版で3位にランクイン。ユーザーの滞在時間がChatGPTをわずかに上回る7分以上を記録し、高いエンゲージメントを示している。

また、AnthropicのClaudeも10位から4位に上昇。モバイル版では、スペイン語圏で人気のAIアシスタントLuziaが25位にランクインした。これらの競合の登場により、コンシューマー向けAIアシスタント市場の競争が一層激化している。

ByteDanceの攻勢：複数のAIアプリでランクイン

TikTokの親会社ByteDanceが、WebベースのAI製品市場に積極的に参入している。教育プラットフォームのGauth（44位）、ボットビルダーのCoze（45位）、汎用アシスタントのDoubao（47位）がWeb版で初登場。Doubaoはモバイル版でも26位にランクインした。さらに、写真・動画編集ツールのHypic（19位）、アシスタントのCici（34位）を含め、計6つのアプリがランクインしている。

2023年後半に設立された生成AI専門のR&D部門「Flow」の成果が表れ始めており、ByteDanceのAI市場におけるグローバル展開の加速を示している。

AI Market の見解

今回のランキングは、生成AI市場の急速な進化と多様化を如実に示している。特に注目すべきは、クリエイティブツールの成長とAIアシスタント市場の競争激化だ。画像生成から動画、音楽へとモダリティが拡大し、生成品質の向上により実用性が高まっている。これは、クリエイティブ産業に大きな変革をもたらす可能性がある。

一方、AIアシスタント市場では、特化型や多言語対応など、異なるアプローチを取る競合が台頭している。この競争は、AIの精度向上やユーザビリティの改善につながり、コンシューマーにとってはより使いやすく有用なAIツールの登場が期待できる。

ByteDanceの攻勢は、大手テクノロジー企業がAI市場を重視していることの表れであり、今後さらなる投資と革新が予想される。生成AI市場は依然として流動的で今後も大きく変化することが想定されるが、これらのトレンドは今後のAI産業の方向性を示唆しており、企業はこれらの動向を注視しつつ、独自の強みを活かした戦略構築が求められる。

参照元：Andreessen Horowitz

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