日立製作所、ベトナム全土に行き届く新たな金融サービスの確立に向け、ベトナム郵便・ベトクレジットと協業を開始
最終更新日:2022年05月16日
株式会社日立製作所(以下、日立)は、ベトナム社会主義共和国の国営企業であるVietnam Post(以下、ベトナム郵便)*1およびベトナムの消費者金融機関であるVietCredit Finance Company(以下、ベトクレジット)と共同で、ベトナムにおける新たな金融サービスの確立に向け、協業を開始したと発表した。
具体的な協業内容は、エンドユーザーとベトクレジットのオペレーターをビデオ通話で繋いで個人ローンの申込・契約などを可能にする、日立のタブレット型自動契約端末である「C-ACM*2」を、5月より、ベトナム郵便の40拠点で導入を開始するもの。
また、今後、ベトナム全土に展開するベトナム郵便の各拠点に本サービスを拡大していくことを目指すとしている。
これによって、これまで金融サービスが行き届いていなかったベトナムの農村部等の地方にも、都市部同等の、便利で質の高いサービスを提供できるようになるなど、ベトナム全土に渡り地域の隔たりなく、生活に必要なサービスを受けられる社会の実現に取り組む。
*1 ベトナム郵便:ベトナム政府より郵便業務や公金に係る支給・収納業務を受託している国営企業
*2 C-ACM:Compact Automated Contract Machineの略。タブレット端末を使った自動契約機
<本ニュースの10秒要約>
日立製作所が、国営企業のベトナム郵便、消費者金融機関のベトクレジットと協業を開始 ベトナム郵便の拠点に自動契約を行うタブレット端末を設置し、ベトクレジットのサービスを提供する 本契約における審査業務に、データを活用した予測分析が可能な日立のAIを導入
背景
ベトナムは経済成長に伴って、都市部ではさまざまな分野において便利で多様なサービスが拡大する一方で、地方では、サービスを受けられる場所やサービスの種類が限定的であるなど、生活に必要となる社会サービスを受ける上で都市部との格差が顕著になっている。
また、紙によるサービスが主流であることから、申込から契約まで長時間を要するほか、不正取引に繋がることも課題となっている。
ベトナム政府は、これらの問題を解決するため、先進のデジタル技術を活用したデジタルトランスフォーメーションを進めており、特に、金融・農業・ヘルスケア・教育・環境などの分野における改革に注力している。
ベトナム郵便は国営企業として、政府の方針に基づき積極的にDXを推進しており、2017年には、日立との協業による非現金サービスの提供を開始した*3。また、ベトクレジットと日立は、2020年6月より「C-ACM」の取り組み*4を開始し、両社で効果検証を重ねてきた。
*3 日立製作所ニュースリリース(2017年3月29日) ベトナム郵便会社が提供する金融サービスの電子化支援に関する基本合意書を締結
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2017/03/0329a.html
*4 日立製作所ニュースリリース(2020年2月10日) 日立とベトナム金融機関VietCreditが、AIを活用した新たな金融サービスの提供に向けた実証を開始
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2020/02/0210.html
今回の取り組み
今回の取り組みは、日立の持つ日本の金融機関向けチャネルシステムの豊富な構築実績によるノウハウと、ベトナム郵便の全土63省にわたる大規模な拠点ネットワーク、そしてベトクレジットの提供する市場ニーズに応えた金融商品を組み合わせることで、新たな金融サービスを確立し、ベトナムの社会課題の解決に取り組むというもの。
具体的には、ベトナム郵便の拠点に「C-ACM」を設置して、ローンの申込受付から契約までを可能にするサービスを、ベトクレジットが提供する。
申込時は、タブレット端末の通話機能を使用し、エンドユーザーとベトクレジットのオペレーターを繋ぐことで、タブレットで撮影した本人確認書類から申込情報の確認・修正をその場でオペレーターが実施することができるようになり、書類の再提出などの手戻りの発生を防ぐ。
また、審査においては、稀な事象の発生を予測することができる日立の人工知能である「Hitachi AI Technology/Prediction of Rare Case(AT/PRC)」を活用し、審査スキルの属人化を防ぐとともに、より精緻な審査が可能になるため、貸出限度額の引き上げに繋げることも期待できるとしている。
またさらに、「C-ACM」の「Re-Entry機能」によって、再来店後も途中からの申込手続きが可能となる。
なお、本協業において、「C-ACM」の開発・運用は、日立のベトナム現地法人であるHitachi Asia (Vietnam) Co, Ltd.が対応する。
今後の展開
今後、ベトナム郵便とベトクレジットの両社が提供する商品・サービスを連携した新たなビジネスを展開するなど、本協業をさらに加速するとしている。
将来的には、個人ローンだけではなく、保険をはじめとするその他の金融サービスや公共サービスなどへの対応、さらには、すでに展開を行っているベトナム郵便の非現金サービスとの連携も検討するなど、日立はデジタルソリューションLumadaを核として、ベトナムにおける社会サービスの拡大と利便性の向上を図り、ベトナムにおける生活の質向上に貢献するとしている。
「Hitachi AI Technology/Prediction of Rare Case(AT/PRC)」について
「AT/PRC」は、Lumadaソリューションの一つで、発生頻度の低い事象を高精度に予測するほか、その根拠を提示する「説明可能なAI(Explainable AI)」。
正常なデータの学習に加え、偏ったデータや極端なデータに影響を受けないことを訓練する「シグナル&ノイズに基づく学習」と、予測根拠を定量的に提示するための「影響度算出技術」を特徴とする。
稀な事象の予測や予測根拠の説明が求められる業務に適していることから、株式の不公正取引審査や新規取引顧客の評価、信用度調査など、企業が取り組むさまざまなリスク管理業務での適用が期待できるとしている。
https://www.hitachi.co.jp/bigdata/service/atprc/
参照元:PR TIMES
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