日本IBMが開発協力したイオンリテールのAIシステム「AIカカク」「AIオーダー」、適用範囲をさらに拡大へ

日本IBM（日本アイ・ビー・エム株式会社）は、2024年5月7日、同社がイオンリテール株式会社と開発したAIシステム「AIカカク」「AIオーダー」の適用範囲が、イオンリテール運営店舗において拡大すると発表した。

「AIカカク」は過去の販売データに基づきAIが適切な値引き率を提示するシステムであり、「AIオーダー」は客数／商品の需要予測を元にしてAIが最適な発注数を提示するシステムだ。「AIカカク」は実装済みの惣菜部門／日配品に加えて畜産部門／水産部門に、「AIオーダー」は日配品およびデリカの冷惣菜／サラダに、それぞれ適用範囲を拡大する。

＜本ニュースの10秒要約＞

• AIが適切な値引き率を提示する「AIカカク」と、AIが最適な発注数を提示する「AIオーダー」
• 現場起点での小売店舗DXを実現すべく開発、予測精度は最大40％改善して発注時間も5割削減
• 2024年5月以降、適用範囲を拡大。日本IBMは、システム開発の面からイオンリテールを支援

AIなどを活用した予測モデルや最適化モデルを構築

日本IBMは、顧客が直面しているビジネス課題の解決を支援すべく、必要なすべてのテクノロジーとサービスを結集して提供している。ハイブリッドクラウド基盤を構築するストレージ／サーバー／メインフレーム／システムの構築や、ハイブリッドクラウドとAIテクノロジーの大規模導入支援、またハイブリッドクラウド基盤を構築するストレージ／サーバー／メインフレームシステムといったインフラストラクチャーも提供。顧客のシステムをより迅速／生産的／安全なものにすることで、円滑なビジネスを実現し、ひいてはより良い世界の創造を目指している。

イオンリテールの「AIカカク」「AIオーダー」においても日本IBMは、データ・サイエンティストとコンサルタントを通じて開発に協力。AIなどを活用した予測モデルや最適化モデルの構築、またシステム構築を支援している。

効率化や予測精度改善を実現した「AIカカク」「AIオーダー」

「イオン」「イオンスタイル」などの店舗を運営するイオンリテールは、現場起点での小売店舗DXを実現すべく「AIカカク」「AIオーダー」を開発するに至った。

「AIカカク」は、販売実績に加えて天候／客数といった環境条件を学習したAIが、適切な割引率を提示するシステムだ。売場の商品のバーコードを読み取り陳列数を入力するだけで、適切な割引率のシールが自動印刷されるため、従業員は該当商品にシールを添付するだけで値引き作業が完了する。このシステムであれば、経験に関わらず値引き作業を進めることができる。

「AIオーダー」は、過去の販売実績や曜日／価格／気温／プロモーションといった条件による変化を機械学習したAIが、正確な発注数を自動で提示するシステムだ。日本IBMは、値引き／廃棄リスクと販売機会ロスを考慮して利益の最大化につながる適正発注を行えるよう、同システムを設計。結果、既存システムと比べて予測精度は最大で40％改善し、発注時間も平均5割もの削減に成功している。

サプライチェーン全体の課題解決に向けてAI適用を進める

「AIカカク」は、2021年5月から店内調理の惣菜にて運用を開始し、翌年には日配品（数日期限）や生鮮部門にも適用範囲を拡大。「AIオーダー」は、2023年に日配品約1,000品目を対象として関東／北陸信越／東海／近畿／中四国の約380店舗に導入されている。

今回「AIカカク」は、2024年5月8日より畜産部門に、また5月22日からは水産部門にも適用範囲を拡大する。「AIオーダー」は、同年6月より漬物／チルド飲料／チーズ／ハムといった新たな日配品およびデリカの冷惣菜／サラダに適用範囲を拡大する。

日本IBMは今後も、生産／流通といったサプライチェーン全体の課題解決に向けてAI適用を進めるイオンリテールを、システム開発の面から支援するとしている。

参照元：PRTIMES

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