LINEヤフー、人事総務領域で生成AI活用を本格展開し2026年春までに10ツール導入
最終更新日:2026年02月10日
記事監修者:AI Market ニュース配信チーム

LINEヤフーは2026年2月10日、人事総務領域における生成AI活用を本格化し、2026年春までに新たに10件のAI活用ツールを順次運用開始すると発表した。
採用支援やキャリア形成支援など主要業務への展開により、月間約1,600時間以上の工数削減を見込んでいる。
- LINEヤフーが2026年春までに人事総務領域で新たに10件の生成AIツールを順次運用開始
- 採用戦略支援・面接トレーニング・キャリア自律支援など多様な業務領域への横断的展開
- 人事総務CBU全体で月間約1,600時間以上の工数削減を見込み、従業員体験の向上も目指す
LINEヤフーは2025年7月に全従業員約11,000人を対象とした生成AI活用の義務化を発表しており、現在はほぼすべての従業員が日常業務でAIを活用している。今回の取り組みは、その流れを人事総務領域でさらに深化させるものだ。
人事総務CBUとAIガバナンス部門が連携し、業務内容や扱う情報・対象者への影響に応じてリスクベースで利用範囲と運用方法を判断する枠組みを整備している。生成AIはあくまで業務補助ツールとして位置づけられ、出力は参考情報の一つとして扱われ、最終的な判断は人が行う運用方針を維持している。
新たに運用を開始するツールのうち、採用関連では「採用戦略検討のためのデータ整理支援」と「AI自律型面接官トレーニング」「面接日程調整の自動化」の3ツールが中心となる。
採用データ整理支援では、アンケートの自由記述など定性データの表記ゆれ補正や分類・ラベリングに生成AIを活用し、採用ブランディングなどの戦略策定精度の向上に役立てる。
面接官トレーニングでは、生成AIを活用したオンデマンド型学習環境で模擬面接とフィードバックを通じた面接品質の向上を図る。また、Google Workspaceとの連携による面接日程調整の自動化で、手作業による工数を削減する。
従業員のキャリア形成支援においては「キャリア自律支援AI」と「社内公募活性化AI」の2ツールが特徴的だ。キャリア自律支援AIは、従業員が自身の経験や関心事項を入力すると、生成AIが社内の公募ポジション情報を横断的に参照し、条件に合う職務を整理・提示する仕組みだ。
社内公募活性化AIは、従業員が簡単なメモや箇条書きで入力した職務経験をもとに、生成AIが対話を通じて内容を整理し、社内公募向けの職務経歴文を作成する。これらにより、従業員が主体的にキャリアを検討・行動しやすい環境を整備する。
LINEヤフーは今回の10件のツール展開を、個別業務への点的な活用にとどめず、人事業務全体を横断する形で組織的に進める方針を示している。
社内ガイドラインの整備や教育、情報管理・セキュリティ面の統制を行い、導入後も運用状況の継続的な確認・改善によってガバナンスの実効性を高めていく。これらの取り組み全体を通じ、人事総務領域における業務の高度化と従業員体験の向上、持続的な組織づくりの実現を目指す。
AI Market の見解
今回のLINEヤフーの取り組みで注目すべき点は、生成AIを個別ツールとして導入するのではなく、採用・労務・キャリア形成といった人事総務業務全体を横断する形で体系的に展開している点だ。
特にキャリア自律支援AIと社内公募活性化AIは、業務効率化にとどまらず従業員の主体的な行動変容を促す設計となっており、HRテック領域における生成AI活用の一つの方向性を示している。また、生成AIの出力を「参考情報」として位置づけ、最終判断を人が担う運用原則を明示している点は、ガバナンス面での実務的なモデルケースとなり得る。
全従業員規模での義務化を済ませた企業が、次のフェーズとして特定部門での深化・体系化に進む流れは、今後の国内大手企業における生成AI活用の一般的なパターンとして広がっていくと想定される。月間1,600時間超という工数削減目標の達成状況が今後公表されれば、同様の取り組みを検討する企業にとって重要な参照事例となると想定される。
参照元:LINEヤフー株式会社
LINEヤフーの生成AI人事活用に関するよくある質問まとめ
- 生成AIが出した判断結果はそのまま人事評価等に使われるのか?
生成AIはあくまで業務補助ツールとして位置づけられており、その出力は参考情報の一つとして扱われる。採用・評価・キャリア支援などの最終的な判断・対応は必ず人が行う運用方針が明示されている。
- 今回のAIツール導入はどの範囲の従業員が対象となるのか?
ツールによって対象は異なるが、採用関連ツールは採用担当者や面接官が、キャリア自律支援AIや社内公募活性化AIはLINEヤフーの従業員全体が利用対象となる設計だ。

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