医用画像分野におけるAI開発・活用の推進に向けて「医用画像通信技術研究組合」を設立
最終更新日:2022年05月24日
国立大学法人東京大学、ソフトバンク株式会社、ヤフー株式会社および株式会社クリプタクトなどは、CT検査やMRI検査などの医用画像分野におけるAI開発・活用の推進を行うことを目的に、「医用画像通信技術研究組合」を2022年5月20日に設立したと発表した。
<本ニュースの10秒要約>
東京大学、ソフトバンク、ヤフー、クリプタクトが医用画像通信技術研究組合を設立 医用画像を活用したAI開発を促進するため、患者から医用画像を取得する仕組み アップロード画像を元に教師データを作成し、研究開発期間や企業へ提供を行う
取組背景
医用画像通信技術研究組合は、経済産業省などが大学や企業などによる研究成果を迅速に事業化するために策定したCIP(技術研究組合)制度を活用した共同研究組織となっており、東京大学やソフトバンクなどが設立したAI研究機関である「Beyond AI 研究推進機構」における取り組みの一環として研究開発を行う。
医用画像を用いた医療・ヘルスケア分野においては、各種疾患の診断支援などにおけるAI活用が期待されているものの、個人情報保護などの観点から、AIの研究開発に必要な医用画像データが市場に十分に流通しておらず、研究開発機関や企業などが高精度なAIを開発することが困難となっている。
取組概要
同研究組合は、患者の同意を得た医用画像データを安全に取得してAIの教師データを作成することで、AI開発に取り組む研究開発機関や企業へ提供するための医用画像運用プラットフォームの構築と、それに必要な医用画像の匿名化技術やブロックチェーン技術、教師データの作成技術などの研究開発に取り組みむ。
具体的な方法として、まず、患者が自身の医用画像データを自由に閲覧・管理できる専用アプリケーションを提供し、匿名化された医用画像データを、患者自身が医用画像運用プラットフォームにアップロードできる仕組みを構築する。同研究組合は、アップロードされた医用画像データからAIの教師データを作成し、研究開発機関や企業へ試験的に提供を行い、医用画像分野におけるAI開発に有用なデータであるかを検証するというもの。
さらに、医用画像データの送受信においては、データを暗号化した上で正確な取引履歴の管理と大容量通信が可能なクリプタクトのブロックチェーン技術を活用することで、高いセキュリティーを担保する。
また、専用のアプリケーションを通して、患者は自身の医用画像データを所有し、いつでも確認することが可能となるため、健康への意識を高めることによるヘルスケア効果への貢献も期待できるとしている。
各社の役割
東京大学 | 医用画像の匿名化技術やAIの教師データの作成技術に関する研究開発、医用画像運用プラットフォームおよび患者用アプリケーションの開発・検証 |
ソフトバンク | 医用画像運用プラットフォームの基盤となる通信ネットワークに関するノウハウの提供、医用画像運用プラットフォームの検証・実証実験の支援 |
Yahoo! JAPAN | 研究開発成果の社会実装および事業化に向けた支援 |
クリプタクト | ブロックチェーン技術の開発・検証 |
参照元:ヤフー株式会社
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