三菱総合研究所「審査AIサービス」、七十七銀行の住宅ローン審査業務へ導入すべく実証を開始
最終更新日:2023年03月01日
株式会社三菱総合研究所は、2023年2月27日、同社の「審査AIサービス」を株式会社七十七銀行へ本格導入すべく、実証を開始したと発表した。
「審査AIサービス」は、リテールローン商品の審査業務をAIモデルによって自動化するサービスだ。七十七銀行への同サービス導入は、住宅ローン審査業務における効率化・迅速化が目的であり、同年1月より実証が開始されている。
目次
<本ニュースの10秒要約>
- これまで人間が行っていたローン審査の諾否判定を、AIシステムが担う「審査AIサービス」
- 審査官のノウハウを集約したAIモデルを搭載、「早い」「休まない」「揺らぎがない」審査を実現
- 顧客の離脱率低下や営業推進、付加価値業務へのリソース集中も可能。2024年度に実務適用
「回答スピード」「効率性」「客観性」の向上が求められている金融機関
近年、金融機関におけるリテールローン商品の融資審査業務では、「回答スピード」「効率性」「客観性」のさらなる向上が求められている。こうした取り組みを、経営環境や競合状況が厳しくなる中で実現すべく、AIの活用をはじめとするDXを推進する銀行も多い。
DX事業においてデジタル業務改革によるビジネス再構築を目指す三菱総合研究所は、金融機関が持つこうしたニーズに注目し、複数の機関との実証研究を経て「審査AIサービス」を開発。2020年12月には、同サービスの提供も開始した。
従来の方式よりも自動化率を大幅に向上した「審査AIサービス」
三菱総合研究所の「審査AIサービス」では、これまで人間(審査官)が行っていたローン審査の諾否判定(融資可否の判断)を、審査AIシステムが担う。
この審査AIシステムは、審査官のノウハウを集約したAIモデルを搭載しており、申し込みを受け付けた各案件に対して承認確率を算出。この確率値に応じて業務フローを制御することができ、全体の50%~70%程度の案件については自動かつリアルタイムでの承認回答が可能にした。
「審査AIサービス」のAIモデルでは、過去の人間による審査結果を元に各金融機関のクレジットポリシーを再現するため、従来の方式よりも自動化率を大幅に向上。また金融機関側のローン審査システムとの連携はAPIによって行うため、現実的な時間とコストで導入できるという利点も持つ。
審査AIは「早い」「休まない」「揺らぎがない」
「審査AIサービス」の特徴について三菱総合研究所は、審査が「早い」「休まない」「揺らぎがない」という3点を挙げる。
審査が「早い」点については、人間が判断するまでもない案件をAIが24時間体制で即時に自動承認することで、審査の高速化を実現。即時対応により、顧客の離脱率低下や営業推進の加速も可能にした。
「休まない」点については、AIの審査業務代行によって人的リソースの削減を実現。付加価値業務へリソースを集中することで、承認率上昇やデフォルト率抑制といった効果も期待できるものとなっている。
「揺らぎがない」点については、クレジットポリシーの再現を通じて安定した審査を実現。ローン審査業務のさらなる効率化・高度化を可能にしている。
住宅ローン審査において顧客へのスピーディーな回答を実現
七十七銀行における「審査AIサービス」の導入は、住宅ローン審査において顧客へのスピーディーな回答を実現すべく行われた。今後は、住宅ローン審査業務への本格導入に向けた段階的な検証を進め、サービス導入準備期間を経た後、2024年度の実務適用を目指すとしている。
三菱総合研究所は今後も「審査AIサービス」を各金融機関へ提供し、AIモデルの性能向上やユーザビリティの向上に努めるとしている。
参照元:PRTIMES
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