NECが業務ノウハウ自動抽出AI「cotomi Act」活用ソリューションを提供開始
最終更新日:2025年12月09日

NECは2025年12月3日、業務ノウハウを自動抽出して組織資産化するエージェント技術「cotomi Act」を活用したソリューションの提供を2026年1月より開始すると発表した。教え込みやマニュアル作成不要で、経費精算や受発注業務など判断を要するデジタル業務の自動化を実現する。
- 社員の操作ログから業務ノウハウを自動抽出し組織資産として蓄積、教え込み不要で業務プロセスを学習
- 国際ベンチマーク「WebArena」で人間超えを達成したエージェント技術により複雑な判断業務も自動化
- NECのAIガバナンス知見を活かした安全運用で業務品質向上と属人化防止を実現
NECが発表した本ソリューションは、企業における業務ノウハウの属人化と自動化の課題を解決するものだ。従来、社員が蓄積したノウハウは明文化されず個人にとどまり、組織全体での共有や標準化が困難だった。

また、RPAなどのデジタルツールは導入されているものの、業務設計や運用に多大なコストがかかり、企業固有の業務ルールへの対応も不十分で、持続的な活用が進まない状況が続いていた。
本ソリューションの最大の特徴は、社員のブラウザ上での閲覧履歴や操作ログから業務ノウハウを自動的に抽出し、組織全体で活用できる資産として蓄積する点にある。
蓄積された組織資産は「cotomi Act」によって業務に必要な知識として正確に抽出・活用される。これにより、面倒な教え込みやマニュアル作成が不要となり、社員は普段通りに仕事をするだけで業務プロセスやノウハウが自動的に学習される仕組みだ。

技術面では、「cotomi Act」がWebエージェントの国際的ベンチマーク「WebArena」において人間を上回るタスク成功率を実現している点が注目される。ページ遷移、フォーム入力、状態変更など長い思考や複雑な操作が求められる場面でも高い性能を発揮する。
この技術により、経費精算、受発注業務、審査業務など、作業ごとに判断や対応が求められる業務において、曖昧な指示にも対応しつつ臨機応変に業務を自動化できる。

運用面では、NECがこれまで培ってきたAIガバナンスの知見を活かし、企業ルールやポリシーを考慮したエージェントの動作設定・運用を行う。
AIガバナンス基本規定やAIリスク管理マニュアルなどの整備・運用ノウハウにより、安全・安心な自律エージェントの利用が可能となる。企業固有の業務やルールも反映されるため、作業を均質かつ高度化し、属人化の防止にも貢献する。
AI Marketの見解
本ソリューションは、エージェントAI技術の実用化において重要な一歩を示すものだ。従来のRPAが定型業務の自動化にとどまっていたのに対し、「cotomi Act」は判断を伴う非定型業務にも対応できる点で技術的な優位性を持つ。
特に国際ベンチマークで人間を超える性能を達成した点は、エージェントAIの実用性を証明する具体的な指標として評価できる。ビジネス的観点では、教え込み不要で操作ログから自動学習する仕組みが導入障壁を大きく下げる要素となる。
従来のRPA導入では業務フロー設計や細かな設定に膨大な工数がかかっていたが、本ソリューションはそのコストを削減し、継続的な業務改善を可能にする。
参照元:NEC
cotomi Actソリューションに関するよくある質問まとめ
- cotomi Actは従来のRPAとどのように違うのか?
従来のRPAは事前に定義された手順通りに動作する定型業務の自動化が中心だが、cotomi Actは状況に応じて判断を行いながら臨機応変に対応できるエージェント技術を採用している。また、RPAでは詳細な業務フロー設計や教え込みが必要だったのに対し、cotomi Actは社員の操作ログから自動的にノウハウを抽出して学習するため、導入時の工数を大幅に削減できる点が大きな違いだ。
- 導入にあたってどのような準備が必要か?
本ソリューションは社員の通常業務における閲覧履歴や操作ログからノウハウを自動抽出する仕組みのため、特別な教え込みやマニュアル作成は不要だ。ただし、NECが提供するソフトウェア、コンサルティング、運用保守サービスを組み合わせた形での提供となるため、自社の業務フローや企業ルールに合わせた初期設定や、AIガバナンスに関する方針策定などの準備は必要となる。

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