NTTデータが生成AI人財育成を全社員20万人に拡大、実践人財7万人達成
最終更新日:2025年10月29日

NTTデータグループは2025年10月29日、実践的生成AI人財育成の対象を2027年度までに全社員約20万人へ拡大すると発表した。
2025年10月時点で実践人財が7万人に到達し、当初目標の2026年度末3万人を大幅に上回る進捗を示しており、主要テクノロジーパートナーとの協働でグローバル2,000件超の受注を達成している。
- 実践的生成AI人財が2025年10月時点で7万人到達、2027年度までに全社員約20万人へ育成対象を拡大
- 4段階の育成フレームワークで基礎から高度人財まで体系的に育成し、職種別認定プログラムを今後展開
- 主要パートナーと協働で安全な企業向けAIツールを構築、グローバルで2,000件超の生成AI関連受注を達成
NTTデータグループは2024年10月から全社員向けに生成AI人財育成フレームワークを整備し、実践的な生成AI人財の育成を推進してきた。
2025年10月時点で実践研修を修了した人財が7万人に達し、当初設定していた2026年度末までに3万人という目標を前倒しで達成した。
この順調な進捗を踏まえ、同社は実践的な生成AI人財育成の対象を2027年度までに全社員約20万人に拡大する新たな目標を掲げた。
この取り組みは国際的な人材育成アワード「Brandon Hall Group Excellence Awards」において2025年8月に学習・人材開発分野の金賞を受賞するなど、社外からも高い評価を得ている。
同社の育成プログラムは、人財レベルを4段階で定義したフレームワークを軸に構成されている。基礎研修のWhitebeltでは生成AIのリテラシー、基本的な知識や活用方法に加え、AIガバナンスやセキュリティ、リスク管理の順守を教育する。実践研修のYellowbeltでは生成AIを活用して顧客に価値を提供できる実践的なスキルを習得させる。
さらに今後は、複雑な生成AI案件を成功に導くより高度な人財であるGreenbelt以上に対して、コンサルタント、営業、エンジニア、ユーザーなど職種や役割別の生成AI人財要件を定義し、人財認定プログラムの展開を推進する計画だ。
この段階的なアプローチにより、全社員が各自の役割に応じた適切なAIスキルを身につけられる体制を構築している。
NTTデータグループはAWS、Google Cloud、Microsoft、OpenAIなど主要テクノロジーパートナーとの協働を強化し、社員一人一人が安全かつ効果的に生成AIを活用できる環境の拡充と学習機会の提供を行っている。
最高水準のAIモデルと社内ソリューションを組み合わせ、特定業務に適した設計で企業向けの安全な生成AIツールを既に構築済みだ。この取り組みにより社員は数百件のユースケースを創出しており、日々継続的に新たなユースケースが生まれている。
こうした社内での実践的な取り組みは社外でのビジネス創出にも直結しており、社員が業務を通じて培った生成AIの知見やノウハウを活かし、各国・各事業領域で顧客への提案やソリューション開発が拡大している。
生成AI関連ビジネスはグローバルで2,000件を超える受注を達成し、全社において社員のスキル強化が顧客の変革支援へとつながる「AIネイティブな価値創出の循環」が生まれている。同社は今後、顧客やパートナーとの共創を通じてAI活用領域を拡大し、生成AIを軸とした事業変革をさらに加速する方針だ。
業界・職種別の専門スキルとAIガバナンスの強化を両立させることで、社員の実践知を社会全体に還元し、安心して生成AIを導入・運用できる支援体制を確立する。
将来的には、AIエージェントが指示に応じ自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行する「Smart AI Agent®」の実現をめざしている。
ソフトウェア開発の大幅な生産性向上や実践的生成AI人財の育成を加速させることで、人手不足などの社会課題解決に貢献するとともに、人が付加価値の高い業務領域に注力できる世界を実現していく計画だ。
AI Marketの見解
NTTデータグループの生成AI人財育成は、技術導入と組織的な人財開発を統合した戦略的アプローチとして注目に値する。4段階のフレームワークによる体系的な育成プログラムは、基礎的なリテラシーから高度な専門スキルまでを段階的に習得させる設計となっており、AIガバナンスやセキュリティ教育を基礎段階から徹底している点が特徴的だ。
当初目標の3万人を大幅に上回る7万人の実践人財育成と2,000件超の受注実績は、研修プログラムが実際のビジネス成果に直結していることを示している。
主要テクノロジーパートナーとの協働により、複数のAIモデルを業務特性に応じて選択・活用できる環境を整備している点は、特定ベンダーへの依存を回避しつつ最適なソリューションを提供する上で重要な戦略と想定される。
また、社員によるユースケース創出を促進し、その知見を顧客向けソリューション開発に活用する「AIネイティブな価値創出の循環」モデルは、内製化による競争力強化とビジネス拡大の好循環を生み出す仕組みとして評価できる。
実際の業務での活用を通じた実践知の蓄積を重視するアプローチは、単なる技術研修を超えた実効性の高い人財育成と想定される。
参照元:株式会社NTTデータグループ
生成AI人財育成に関するよくある質問まとめ
- NTTデータグループの生成AI人財育成フレームワークの構成は?
4段階のレベル設定で構成されている。基礎研修のWhitebeltでは生成AIのリテラシーやAIガバナンス、セキュリティ、リスク管理を学習する。実践研修のYellowbeltでは顧客に価値を提供できる実践的スキルを習得し、2025年10月時点で7万人が修了している。さらに高度な人財向けにGreenbelt以上のレベルが設定され、今後は職種別の人財認定プログラムが展開される予定だ。
- 生成AI人財育成の成果としてどのような実績が出ているか?
2025年10月時点で生成AI関連ビジネスにおいてグローバルで2,000件を超える受注を達成している。
社内では社員が数百件のユースケースを創出しており、日々継続的に新たなユースケースが生まれている状況だ。
社員が業務を通じて培った生成AIの知見やノウハウを活かし、各国・各事業領域で顧客への提案やソリューション開発が拡大しており、社員のスキル強化が顧客の変革支援へとつながる好循環が生まれている。

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