OpenAIがGPT-5.2を発表、専門業務で人間専門家レベルに到達した最先端モデル
最終更新日:2025年12月12日

OpenAIは2025年12月11日、専門的な知識業務と長時間エージェントタスク向けの最新AIモデル「GPT-5.2」を発表し、ChatGPTの有料プランおよびAPIで提供を開始した。
同モデルは44職種の知識業務タスクを評価するGDPvalベンチマークにおいて、業界専門家と同等以上の成果を示す70%超の勝率を達成している。
- GDPvalベンチマークで44職種の知識業務タスクにおいて業界専門家の70%以上と同等以上の結果を達成
- SWE-Bench Proで55.6%、長文コンテキスト処理で256kトークンまで対応可能な性能向上
- ハルシネーション38%減少、Vision性能向上によりチャート解釈エラー率を約半減
GPT-5.2は、Instant、Thinking、Proの3つのバリエーションで提供される。

GPT-5.2 Thinkingは、専門業務タスクを評価するGDPvalベンチマークにおいて70.9%の勝利・引き分け率を記録し、OpenAIのモデルとして初めて人間の専門家レベルに到達した。
このベンチマークは米国GDPに大きく寄与する上位9産業の44職種を対象とし、営業用プレゼンテーション、会計スプレッドシート、救急診療スケジュール、製造図面などの実際の成果物作成を求めるもの。
審査員からは「専門チームを持つ企業が作成したかのようなクオリティ」との評価が寄せられた。また、業界専門家の11倍以上の速度、1%未満のコストでタスクを生成できる効率性も示している。
コーディング性能においても大幅な向上が見られる。

SWE-Bench Proでは55.6%という最高スコアを達成し、Python以外にも4言語を対象とした実世界のソフトウェアエンジニアリングタスクで高い性能を発揮する。
SWE-bench Verifiedでは80%を記録した。初期テスターのWindsurf、Warp、JetBrainsなどからは、インタラクティブなコーディング、コードレビュー、バグ発見において測定可能な改善が報告されている。

フロントエンド開発、特に3D要素を伴う複雑なUI作業においても大幅な強化が確認されており、単一プロンプトから海の波シミュレーションや落ち物系タイピングゲームなどの生成が可能となった。
長文コンテキスト処理では、256kトークンまで対応する4-needle MRCRバリアントでほぼ100%の精度を達成した初のモデルとなった。
これにより、レポート、契約書、研究論文、書き起こしなどの長文ドキュメントを数十万トークン規模でも一貫性と精度を保ちながら処理できる。

Vision性能も向上し、CharXiv Reasoningで88.7%(GPT-5.1の80.3%から向上)、ScreenSpot-Proで86.3%(GPT-5.1の64.2%から向上)を記録。チャート推論やソフトウェアインターフェース理解におけるエラー率を約半分に削減した。
安全性と信頼性も強化されている。GPT-5.2 Thinkingは、GPT-5.1 Thinkingと比較してハルシネーションの発生が相対的に38%少なくなった。メンタルヘルス、自傷、感情的依存に関するセンシティブな会話への対応も改善された。
ツール呼び出し性能では、Tau2-bench Telecomにおいて98.7%を達成し、複数ターンにわたるタスクでも安定した動作を示す。
API価格は入力100万トークンあたり$1.75、出力100万トークンあたり$14で、キャッシュ入力には90%割引が適用される。
AI Market の見解
GPT-5.2の発表は、AIモデルが実務レベルの専門業務において人間の専門家と同等の成果を出せる段階に到達したことを示す重要なマイルストーンと位置付けられる。
GDPvalベンチマークで70%超の勝率を達成した点は、スプレッドシート作成、プレゼンテーション作成、コーディングといった具体的な業務成果物の品質が商用レベルに達したことを意味する。
特に注目すべきは、専門家の11倍の速度かつ1%未満のコストで成果物を生成できる効率性であり、人間による確認と組み合わせたハイブリッドワークフローの実用性が大きく高まったと考えられる。
参照元:OpenAI
GPT-5.2に関するよくある質問まとめ
- GPT-5.2はどこで利用できる?
ChatGPTでは有料プラン(Plus、Pro、Go、Business、Enterprise)で2025年12月11日から順次提供される。APIではすべての開発者が同日から利用可能。GPT-5.2 ThinkingはgPT-5.2として、GPT-5.2 Instantはgpt-5.2-chat-latestとして、GPT-5.2 ProはResponses APIでgpt-5.2-proとして提供される。
- GPT-5.2の料金はいくら?
API利用の場合、入力100万トークンあたり$1.75、出力100万トークンあたり$14。キャッシュされた入力には90%の割引が適用される。GPT-5.2 Proは入力$21、出力$168。ChatGPTのサブスクリプション料金は従来どおり。

AI Market ニュース配信チームでは、AI Market がピックアップするAIや生成AIに関する業務提携、新技術発表など、編集部厳選のニュースコンテンツを配信しています。AIに関する最新の情報を収集したい方は、ぜひ𝕏(旧:Twitter)やYoutubeなど、他SNSアカウントもフォローしてください!
𝕏:@AIMarket_jp
Youtube:@aimarket_channel
TikTok:@aimarket_jp
過去のニュース一覧:ニュース一覧
ニュース記事について:ニュース記事制作方針
運営会社:BizTech株式会社
ニュース掲載に関するご意見・ご相談はこちら:ai-market-press@biz-t.jp
