OpenAIがGPT-5を正式発表、統合システムで高速応答と深い推論を自動切り替え実現
最終更新日:2025年08月08日

OpenAIが2025年1月、史上最も賢く最速で最も役立つモデルとしてGPT-5を正式発表した。本モデルは高速応答用モデルと複雑問題用モデルの2つを統合し、質問の複雑さに応じて自動でモデルを切り替える統合システムを採用している。
- GPT-5が統合システムとして登場、質問に応じて高速応答と深い推論を自動切り替え
- コーディング、数学、文章作成、ヘルスケアなど全分野で最先端性能を達成
- ハルシネーション約20%減少、指示遵守能力と安全性が大幅向上
GPT-5は従来のモデルから大きく進化し、2つの異なるモデルとルーター機能で構成される統合システムとして設計された。
高速応答用モデルは効率的に幅広い質問に対応し、複雑問題用モデル(GPT-5 thinking)はより高度な推論が必要な問題を処理する。
リアルタイムルーター機能が会話の種類や複雑さ、必要なツールを瞬時に判断し、最適なモデルを自動選択する仕組みだ。
このルーター機能はユーザーの利用データを学習して精度を向上させ、使用上限に達すると各モデルのmini版が対応する。OpenAIは近い将来、これらの機能を1つのモデルに統合する予定としている。
性能面では、GPT-5が数学、コーディング、視覚認識、医療など全分野で大幅な改善を示した。
数学分野ではAIME 2025で94.6%を記録し、コーディングではSWE-benchで74.9%、マルチモーダル理解ではMMMUで84.2%、医療分野ではHealthBench Hardで46.2%をマークし、いずれも新たな最高水準を達成した。
特にコーディング分野では、複雑なフロントエンド生成や大規模リポジトリのデバッグで顕著な進化を遂げ、1つのプロンプトで美しいレスポンシブなWebサイトやアプリ、ゲームの作成が可能になった。
信頼性と安全性の向上も重要な特徴として挙げられる。GPT-5はGPT-4oと比べてハルシネーションが約20%減少し、thinking モードではOpenAI o3と比べて約70%も少なくなった。
新たに「セーフコンプリーション」という安全性学習手法を導入し、従来の拒否ベースの安全性学習を超えて、安全域を逸脱しない範囲で可能な限り有用な回答を返すよう改善された。
また、過度に迎合的な態度を抑制し、軽度の迎合的回答を18%から8%未満に、過度の迎合的回答を14.5%から6%未満に削減した。
GPT-5はChatGPTの新しいデフォルトモデルとして、Plus、Pro、Team、無料版の全ユーザーが利用可能となった。Enterprise と Eduプランのユーザーには1週間後に提供される。Pro プランユーザーはGPT-5を無制限で利用でき、さらに高度なGPT-5 Proにもアクセスできる。GPT-5 Proは最高難度の複雑なタスクに対応し、外部専門家が67.8%の割合でGPT-5 thinkingより好んだ結果を示している。
AI Marketの見解
GPT-5の発表は、AI業界における重要な技術的転換点を示している。統合システムとルーター機能の導入は、従来の単一モデルアプローチから脱却し、タスクの複雑さに応じた最適化を実現する新しいアーキテクチャと想定される。
この手法は計算資源の効率的活用と応答品質の両立を可能にし、今後のAIシステム設計の標準となる可能性が高い。ハルシネーション率の大幅な削減とセーフコンプリーションの導入は、企業での実用性を高める重要な改善点だ。
特に医療やコーディング分野での性能向上は、専門的な業務での活用拡大を促進すると想定される。
参照元:Open AI
GPT-5に関するよくある質問まとめ
- GPT-5は無料で使えますか?
はい、無料版でも利用可能ですが、送信可能なメッセージ数に上限があります。Plusユーザーはより多くのメッセージ送信が可能で、Proユーザーは無制限利用とGPT-5 Proへのアクセスが可能です。
- GPT-5の統合システムはどのように動作しますか?
質問の複雑さや必要なツールを自動判断するルーター機能が、高速応答用モデルと複雑問題用モデルのどちらを使うかを瞬時に決定します。ユーザーが「深く考えて」と指示することで推論モードを確実に有効化することも可能です。

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