OpenAIがGPT-5-Codex発表、コード生成と自動レビューを強化した開発者向けAIエージェント
最終更新日:2025年09月16日

OpenAIは2025年9月15日、開発者向けコーディングAI「Codex」のアップグレードを発表し、新たにGPT-5-Codexを導入した。
この新モデルは独立的な長時間作業と対話的なコーディングセッションの両方に対応し、コードレビュー機能も大幅に向上させている。
- GPT-5をベースとしたコーディング特化モデル「GPT-5-Codex」をリリース
- 自動コードレビュー機能によりバグ検出率が大幅向上、不正確コメント68%削減
- CLI、IDE拡張機能、クラウド環境を統合した包括的開発環境を提供
GPT-5-Codexは、実世界のソフトウェアエンジニアリング作業に特化して訓練されたモデルである。
プロジェクト全体の構築、機能追加、テスト作成、デバッグ、大規模リファクタリング、コードレビューなど複雑なエンジニアリングタスクでの性能向上を実現している。
SWE-bench Verifiedでは74.5%の精度を達成し、コードリファクタリングタスクでは従来のGPT-5の33.9%から51.3%へと大幅な改善を示した。このモデルは最大7時間の連続独立作業が可能で、実装の反復改善、テスト失敗の修正、成功実装の完了まで自律的に実行する能力を持つ。
コードレビュー機能では、GPT-5と比較して不正確なコメントを13.7%から4.4%まで削減し、高影響度コメントの割合を39.4%から52.4%に向上させた。
このシステムはコードベース全体を理解し、依存関係を分析し、実際にコードとテストを実行して正確性を検証する。静的解析ツールとは異なり、プルリクエストの意図と実際の差分を照合し、包括的な検証を行う点が特徴である。
Codex全体のアップデートとして、CLI、IDE拡張機能、クラウド環境が統一され、ChatGPTアカウントによる連携が可能となった。
開発者はターミナル、IDE、ウェブ、GitHub、さらにはiOSアプリまで、様々な環境でシームレスに作業を継続できる。クラウドインフラの改善により、コンテナキャッシュによってタスク完了時間の中央値を90%短縮し、自動環境セットアップ機能も追加された。
セキュリティ面では、デフォルトでサンドボックス環境でのネットワークアクセス無効化、危険な操作前の許可確認機能を実装している。
開発者はリスク許容度に応じてセキュリティ設定をカスタマイズでき、信頼できるドメインへのネットワークアクセス制限やMCPサーバー接続の承認制御が可能である。
CodexはChatGPT Plus、Pro、Business、Edu、Enterpriseプランに含まれ、使用量は各プランのレベルに応じてスケールする仕組みとなっている。
AI Market の見解
GPT-5-Codexの登場は、AIによるコード生成とレビューの実用性を大きく向上させる重要な進展である。
特に注目すべきは、従来の汎用言語モデルとは異なり、ソフトウェア開発ワークフローに特化した訓練を行った点だ。7時間の連続独立作業能力や68%のコメント精度向上は、AI開発支援ツールが単なる補助から実質的なパートナーへと進化していることを示している。
企業の開発チームにとって、コードレビューの自動化による品質向上とレビュー負荷軽減は生産性向上に直結すると想定される。
また、複数の開発環境を統合したプラットフォーム戦略により、開発者の既存ワークフローへの組み込みが容易になり、AI活用の普及が加速すると考えられる。
ただし、コード生成AIの高度化に伴い、開発者のスキルセット変化への対応や、AI生成コードの責任所在に関する議論も重要な課題として浮上してくると想定される。
関連記事:「【OpenAI】Codexとは?ソフトウェア開発を支援するAIエージェントの機能や特長、料金プランを徹底解説!」
参照元:OpenAI
GPT-5-Codexに関するよくある質問まとめ
- GPT-5-Codexは従来のGPT-5とどのような違いがあるのか?
GPT-5-Codexは実世界のソフトウェアエンジニアリング作業に特化して訓練されており、コードリファクタリングで51.3%の精度を実現(GPT-5は33.9%)、最大7時間の連続独立作業が可能です。またコードレビューで不正確コメントを68%削減するなど、開発作業に最適化されています。
- どのような開発環境でGPT-5-Codexを利用できるのか?
Codex CLI、VS CodeやCursor等のIDE拡張機能、Codexクラウド環境、GitHub統合、ChatGPT iOSアプリなど、多様な環境で利用可能です。ChatGPTアカウントで連携し、異なる環境間でコンテキストを保持しながらシームレスに作業を継続できます。

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