OpenAI、科学研究向けワークスペース「Prism」を無料提供開始。
最終更新日:2026年01月30日

OpenAIは2026年1月27日、科学研究の執筆と共同作業を支援する無料ワークスペース「Prism」の提供を開始した。GPT-5.2を搭載し、LaTeX環境での論文作成から文献検索、数式処理まで統合的に対応する。ChatGPTアカウントがあれば誰でも利用可能で、共同作業者数に制限はない。
- GPT-5.2搭載の科学研究用ワークスペースを無料提供、プロジェクト数と共同作業者数は無制限
- LaTeX環境で論文執筆から文献検索、数式処理、リアルタイム共同編集まで統合対応
- 買収したCrixetを基盤に開発、ChatGPTアカウントで即時利用可能
Prismは、科学研究における執筆と共同作業のプロセスを統合するために開発されたクラウドベースのワークスペースだ。従来の研究現場では、エディター、PDF、LaTeXコンパイラ、文献管理ツール、チャットツールなど複数のアプリケーションを行き来する必要があり、文脈の喪失や集中力の低下が課題となっていた。
Prismはこうした断片化を解消し、下書き作成、改訂、共同作業、出版準備を単一のプラットフォーム上で完結させる。数学および科学的推論に特化したGPT-5.2が執筆プロセスに直接組み込まれており、論文の構造、数式、参考文献、周辺の文脈にアクセスしながら動作する。
主な機能として、GPT-5.2 Thinkingとの対話による仮説検証と科学的問題の推論、文書全体を文脈とした論文の下書きと修正、arXivなど関連文献の検索と取り込み、数式や引用、図の作成と再構成、ホワイトボードの数式や図のLaTeX変換、リアルタイムでの共同編集、音声による編集機能などを備える。
OpenAIが買収したクラウドベースのLaTeXプラットフォームCrixetを基盤としており、成熟した執筆環境にAI機能を統合した形で提供される。ローカルでのLaTeXインストールや環境管理は不要で、バージョン競合や手動マージの手間を削減する。
Prismは無料で提供され、ChatGPTの個人アカウントを持つ利用者であれば誰でも即座に利用を開始できる。プロジェクト数や共同作業者数に制限はなく、サブスクリプションや座席数の上限もない。これにより、所属機関や専門分野、キャリア段階を問わず、より多くの研究者が高品質な科学ツールにアクセスできる環境を実現する。
ChatGPT Business、Team、Enterprise、Educationプランを利用する組織向けにも近日中に提供される予定だ。より高度なAI機能については、今後有料のChatGPTプランを通じて段階的に提供される計画となっている。
OpenAIは、2025年にAIがソフトウェア開発を大きく変化させたように、2026年には科学分野でも同様の転換が起こると見ている。GPT-5のような高度な推論システムは、すでに数学研究の最前線を押し広げ、ヒト免疫細胞実験の解析を加速し、分子生物学における実験の反復速度を高めている。
Prismは、日々の研究作業に伴う摩擦を減らし、AIが複数の側面から発見を加速させる未来に向けた初期の取り組みと位置づけられる。現在利用している研究者からのフィードバックを基に、科学の進歩をさらに加速させるツールとして継続的に改善していく方針だ。
AI Market の見解
Prismは、生成AIを研究ワークフローそのものに統合するという点で、科学分野におけるAI活用の新たな段階を示している。従来のChatGPTのような対話型インターフェースとは異なり、LaTeX環境内で文脈を保持しながら論文の構造、数式、参考文献を理解して動作する設計は、研究者の認知負荷を大幅に削減する可能性がある。
特にGPT-5.2の推論能力を活用した仮説検証や文献の文脈的解釈は、単なる文章生成を超えた知的支援ツールとしての実用性を持つと想定される。無料提供と無制限の共同作業者数という価格戦略は、研究コミュニティへの広範な普及を狙ったものと考えられる。
これはOverleafなど既存のLaTeX共同編集プラットフォームに対する競争優位性を確立するとともに、研究データとワークフローを収集することで、科学分野向けAIモデルのさらなる改善につながる可能性がある。
Crixet買収により技術基盤を確保した上での製品化は、OpenAIの科学研究分野への本格参入を示すものだ。ただし、AI生成コンテンツの学術的整合性や、研究倫理上の課題については今後の議論が必要となる。
また、有料プランでの高度機能提供という収益化モデルが、無料版との機能差別化をどのように図るかが、長期的なビジネスモデルの持続可能性を左右すると想定される。研究者コミュニティからのフィードバックを基にした継続的改善が、このプラットフォームの成否を決定する重要な要素となる。
参照元:Open AI
Prismに関するよくある質問まとめ
- Prismはどのような利用者が無料で使えるのか?
ChatGPTの個人アカウントを持っていれば誰でも無料で利用できる。プロジェクト数や共同作業者数に制限はなく、サブスクリプションや座席数の上限もない。ChatGPT Business、Team、Enterprise、Educationプランを利用する組織向けには近日中に提供される予定だ。より高度なAI機能については、今後有料プランを通じて段階的に提供される。
- PrismはどのようなAI機能を備えているのか?
GPT-5.2を搭載し、論文の構造、数式、参考文献を理解しながら執筆を支援する。具体的には、GPT-5.2 Thinkingとの対話による仮説検証、文書全体を文脈とした論文の下書きと修正、arXivなどからの文献検索と取り込み、数式や図の作成と再構成、ホワイトボードの数式のLaTeX変換、音声による編集などの機能がある。

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